見出し画像

中小企業診断士2次試験の採点基準について(あくまで私見です)

1次試験の自己採点により第1の関門を越えたことを確認したかたの多くが、そろそろ2次試験対策に取り掛かっている頃と思います。

残念ながら、1次試験突破に4点〜8点くらい足りてない〜というかたも
、できれば2次試験対策を進めてみてください。
例年、試験の結果調整等や問題不備により、点数の底上げで合格となる可能性があります。

さて、本日のテーマですが、2次試験を受験された方は誰しもが必ず気になる「採点基準」についてです。
2次試験の採点基準については公表されておらず、このことが2次試験をより難しいものにしております。
各受験校や試験解説サイトにおきましても、それぞれの視点での採点基準予想的なものが話題に上がっており、それぞれに

さて、ここでは私が受験生時代に得たことをまとめ、かつ解答プロセスに落とし込むことができた採点基準についてまとめております。
(あくまで、私の私見となります。)

問われたことに対して、ちゃんと答えているか(題意との一致)

1つ目は、「問題で問われていることに対して、ちゃんと答える文章を書いているか?」というものです。
「何を当たり前なことを」と思われるかもしれませんが、意外と多くの受験生が失敗して涙を飲むということをお聞きしてきました。
1年に1回の試験、かつ当日は1事例80分✖︎4回というプレッシャーが、こうした失敗を誘引してしまうのかと思います。

これに対する対策としまして、解答プロセスの最初に行う「設問分解」を身につけることになります。
設問分解では、各設問で「何を問われているか」「この問題はどのレイヤーか」「与件文から引用するキーワード・切り口は何か」を整理してロジックメモに記載するプロセスとなります。
これをきちんと行うことで、与件文から間違えずキーワードを抜き出し、問題と結びつけて文章を構築する筋道を整理することができます。

論点が多面的に検討されているか(多面的視点)

1問の解答で40字〜ある場合、大抵は2つ以上の観点から文章を作成することが求められていると言えます。
(私は、40字=1つの文章 と仮置きして解答作成を行なっておりました。)

多面的視点を磨くために必要なのが、「切り口(=フレームワーク)」をたくさん用意しておくことです。
例えば、外部要因分析について答える問題であれば、5フォースの「売り手」「買い手」「競合」「代替品」「新規参入」や、PESTの「政治」「経済」「社会」「技術」などのポイントで与件文からキーワードを抜き出して、「機会的な視点」や「脅威的な視点」での解答文章を組み立てることなどが考えられます。

多面的視点を持つことで、事例企業の進むべき方向性を明確にする(何にすべきで・何をすべきでないかを考える)ことにつながることが考えられます。

解答全体の一貫性は整っているか(事例企業の方向性明示)

2次試験は、事例企業に対する「診断報告書」を作成することがテーマとなっているため、解答全体で1つの方向性を示しつつ診断報告書としてのバランスが整っているかが問われると考えられております。

これを的確に解答するのに重要なことが、「事例企業の経営課題」を明示することと、「問題のレイヤー」を意識した解答全体の体裁を考えることになります。

事例企業の経営課題は、必ず与件文のどこかに書かれている、「事例企業がどんな姿になろうとしているか(=ToBe像)」を明示することとなります。
このことは、コンサルティング業務の基本中の基本となりますので、しっかり的確に書けるように、ぜひ練習して見てください。
*受験校の模範解答を複数集めて見比べてみれば、だいたい同じことが書かれていると思います。

また、問題のレイヤーについて、詳しくは別記事で記載しておりますので、こちらをご参照いただけますと幸いです。

文章のロジックは整っているか(助言力の確認)

ここであげさせていただいた文章ロジックとは、いわゆる「因と果」をきちんと整ってかけているか、ということです。
私はこのことについて、あんまり深く考えずに、1文20文字として、
「要因→結果:(1文目)だから、(2文目)」とか、「施策→効果:(1文目)により、(2文目)を行う」などの構成をベースに文章を書く癖を身につける
ことで、意識せずにロジックが整っているっぽい文章をかくことを練習いたしました。

ちなみに、この方法を練習するのに一番良いのは、AAS名古屋が出版されている2次試験対策の書籍を参考にすることをお勧めいたします。

事例企業の事情に沿った解答になっているか(きちんと目の前の企業を見ているか)

これは、2次試験を何度もチャレンジしたベテラン(とお呼びするのは、大変失礼ですが。。。)の方がはまってしまう問題です。
過去問題で何度も練習し、それこそ受験校の解答を一言一句覚えるまで練習してしまった方が陥りやすいのですが、毎年変わる事例企業であるにもかかわらず、過去の別企業の事例を目の前の企業に当てはめて助言をしてしまうパターンです。

試験当日には実に、練習通りの手応えを感じたにもかかわらず、判定結果がCやDなど、全然腑に落ちない結果になってしまったというかたは、この手の失敗をしているケースが多いと思われます。

事例企業はあくまで実在する企業をベースに考えられているため、事例企業ごとにそれぞれの事情や状況があります。
1つとして、まったく同じ事例が当てはまるというケースはございません。
きちんと目の前の事例企業に向き合うためにも、与件文を毎回きちんと読み込むという意識で練習してください

大事なのは、解答を覚えて過去問題に対して常に100点を取れるように練習することではなく、どんな新しい問題に対しても安定して60点を取れる「解答プロセス」を身につけることです。

ではでは。

よろしければサポートお願いいたします(´・ω・)(´_ _)ペコリ。 これからも、頑張る中小企業診断士受験生の方を応援する励みにさせていただきます。