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2024年6月19日衆議院法務委員会(立憲・道下議員、共産・本村議員)

本日の衆議院法務委員会で、法務委員長から6/11の福岡家裁及び福岡入管の視察の報告がありました。
道下議員(立憲民主党)と本村議員(共産党)が、共同親権に関連した質疑をしてくださったので文字起こしします。


道下議員

立憲民主党の道下大樹でございます。
(中略)
我々はやっぱり立法府の一員として、法案の審議はしっかりともちろんやっておりますが、賛否は別として、この法案が成立し、そして施行された後も審議が終わって採決をしたらそれで終わりっていうわけではなくて、やはり成立後も施行後もしっかりと、これはある意味責任を持つというか、責任を負うという立場ではあるというふうに思っております。
今通常国会における本当に重要な法案という、この2つについて、アフターフォローという観点から質疑をさせていただきたいというふうに思っております。
で、まず、ちょっと順番変えて3番目の民法改正でございます。
まず共同親権導入が盛り込まれたこの民法改正案も、本当にこれは様々な議論が展開され、そして修正案が出され、そして付帯決議も出され、これも参議院に送られても本当に深い深い議論が行われて、そして修正協議や、さらには付帯決議も参議院で行われたということでございます。
こうした国会での議論、なかなかテレビや新聞では事細かく報道されませんけれども、こうしたところはしっかりと議事録に残っておりますし、こうした点を国会での質疑・答弁は、今後この家族法、特にこの共同親権をめぐる課題について取り組んでいただく関係府省庁や関係団体の皆様には、ぜひともご理解をいただいて、その審議経過を十分に認識していただいた上で今後の様々な事案に取り組んでいただきたいというふうに思っております。
まずはこの共同親権において、この国会審議において議論に何度も取り上げられましたこのガイドラインやQ&Aの策定について、答弁においても、今後関係府省庁間等と議論を重ねると、そして策定をしていくという答弁がありました。
そこで法務省の政府参考人に伺いたいと思いますが、このガイドラインやQ&Aの策定に関して、関係府省庁間等といつからどのようにこの連携をし、策定に取りかかる予定なのか伺いたいと思います。

法務省民事局長
今国会でご可決いただきました民法改正法につきましては、今後その円滑な施行に向けて、その趣旨及び内容が国民に正しく理解されるよう、関係府省庁等とも連携して適切かつ十分に周知したいと考えております。
参議院法務委員会の付帯決議におきましては、関係府省庁等が連携して必要な政策を実現するための関係府省庁の連絡会議を設置するなどの体制整備を進めることが求められております。
法務省といたしましては、この付帯決議の趣旨を踏まえまして、関係府省庁等連絡会議を立ち上げることを予定しており、民法改正法の趣旨及び内容が正しく理解されるよう、関係府省庁等としっかりと連携して、できる限り速やかに適切かつ十分な周知及び広報に努めたいと考えております。

道下議員
これについては法律施行2年ということになってますが、その間にということで、速やかにこの関係府省庁間で協議をして策定しなければならないと。そして周知・広報に取り組まなきゃいけないというふうに思いますが、私はこうした府省庁間の策定に向けた連携・協議というものも大変重要かと思いますが、その前に、やはりこの親権に関して関係となるであろう当事者の方々のご意見をしっかりと踏まえた上で、ガイドラインやQ&Aを作らなきゃいけないというふうに思っております。(そうだ)
参議院の付帯決議において、「ガイドラインの策定等にあたり、DV・虐待などにかかる知見等を踏まえることや、DV被害者等の意見を参考にすること」という明記がなされました。これは大変重要な一文だと思います。
そこで法務省として、今後このDV被害者等の意見をどのような形で聴取するのか、何か今の段階で予定はあるのか、これについては中野政務官に伺いたいというふうに思います。

中野法務大臣政務官
今般の民法改正法では、父母双方が親権者である場合には、親権は父母が共同して行うこととした上で、子の利益のための急迫の事情がある時や監護または教育に関する日常の行為をするときは、親権の単独行使が可能であることなどを定めております。
法務省としましては、この趣旨及び内容が国民に正しく理解されるよう、関係府省庁等とも連携をして、適切かつ十分に周知したいと考えております。また、道下委員ご指摘のように、参議院法務委員会における付帯決議におきましては、父母双方が親権者である場合における親権行使のルールなどについて、その意義や具体的な類型等をガイドライン等に明らかにすること、ガイドラインの策定等にあたり、DV・虐待などに関わる知見等を踏まえることや、DV被害者等の意見を参考にすることが求められております。
この付帯決議の趣旨を踏まえながら、 各方面からの様々な意見を参考にしつつ、改正法の円滑な執行に努めてまいりたいと存じます。

道下議員
法案などを策定する段階では、審議会等で大まかなものを作った段階でパブリックコメントを募集するということでありますけども、このガイドラインやQ&Aに関しては、そういったパブコメなどを募集するという法的根拠というか義務はないということでございますが、私はこれは大変重要な案件でございますので、義務ではありませんが、ぜひここの付帯決議に則って、このDV被害者等の意見を参考にすることということで、まずは私はガイドラインを作る前に、Q&Aを作る前にしっかりと、できればいつからいつまでご意見を求めますというような期間を設けて、それを受け止めた上でガイドラインやQ&Aを策定し、できれば「こういった形でまとめて固めていこうと思いますがいかがでしょうか」というような2段階の意見を聴取するような取り組みをお願いしたいというふうに思っております。
ぜひこれは意見に留めさせていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。そうすることによって、しっかりと意見が反映されたり、されなくてもやっぱり法務省なり政府というものが当事者の意見を聞く場を設けたということで、それが信頼の醸成に繋がるのではないかというふうに思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。


本村議員

日本共産党の本村伸子でございます。どうぞよろしくお願いを申し上げます。(中略・保護司について)
まず質問に関しましては、児童福祉士の増員、そして裁判所の職員の増員、一時保護の司法審査の関係で質問をさせていただきたいというふうに思っております。
来年度から、児童虐待などの被害を受けている子どもたちの一時保護にあたりまして、保護者の方の同意が得られない場合に司法審査を行うということになっております。 そういう意味では、子どもたちの安全を守るためにも、司法審査の迅速さが問われてまいります。そのためにも、裁判所の体制の強化というのは喫緊の課題だと思います。
さらに、親権、監護、面会交流をめぐる判断についてもですね、子どもの意思の確認・尊重、DV・虐待の判断の質の向上は、民法の改定の時にですね、繰り返し求められてきたことです。人員体制の強化がその点でも必須だというふうに思います。
ぜひ、裁判官、調査官、書記官、事務官などの増員・体制強化、ぜひやっていただきたいというふうに思いますけれども、最高裁、お願いしたいと思います。(そうだ)

最高裁判所事務総局家庭局長
最高裁といたしましては、これまでこども家庭庁に設置されている一時保護時の司法審査に関する実務作業チームにおきまして、審査の適正性確保の観点から提出資料の在り方等について意見を述べて きたところでありまして、この作業チームにおける議論を経て作成されました一時保護時の司法審査に関する児童相談所の対応マニュアル(案)の内容も踏まえ、各裁判所に対して事務処理のあり方を検討する上で参考となる情報を提供するなどしておりまして、各裁判所においては、こうした情報を踏まえて事務処理のあり方について検討が進められているものと承知しております。
また、先般成立した民法等の一部改正法が施行となれば、裁判所に期待される役割がこれまで以上に大きくなる他、新たな裁判手続き等の創設に伴いまして、家庭裁判所に申し立てられる事件数の増加が見込められることは、裁判所としても認識をしているところでございます。
裁判所といたしましては、裁判所に期待される役割をしっかりと果たすためにも、ご指摘の一時保護制度や民法の一部改正法に伴い新たに創設される裁判手続等を含め、それぞれの制度の趣旨、内容を踏まえた適切な審理が着実に行われるよう、裁判所全体として適切な審理運用のあり方を検討していくことが重要であると考えておりまして、こうした適切な審理運用のあり方に見合った体制の整備に努めていく必要があると考えております。家裁を含む裁判所全体の事件処理能力の一層の向上を図ってまいりたいというふうに考えております。

本村くん、
子どもの安心・安全に関わる、そして迅速に判断しなければならないということでございますので、ぜひ体制強化していただきたいと思います。
この間ですね、調査官の子どもさんへの聞き取りの内容についてもお話を伺ってきたんですけれども、もっとじっくり子どもたちの声に耳を傾けていただきたいというふうに痛感をいたしました。
そのためにもやはり絶対的な増員というものが必要になってまいります。
調査官の要請というのは、入れたからすぐできるということではなく、2年はかかるというふうに伺っております。2年経ったらすぐできる、すぐ十分かと言えばそうでもないというふうに聞いておりますので、必ず補正や来年度の予算の中で純増を図っていただきたいというふうに思っております。
そして、名古屋市の現場の児童福祉士の方からもお話を伺ったところ、国の児童福祉士の増員計画、これが今年度で終わってしまうということで、引き続き国として増員の目標を持ってほしいというふうに言われました。
児童虐待の相談対応件数というのは右肩上がりで増えているということで、当然の声だというふうに思います。
今までの業務に加えて、来年度からは一時保護の司法審査をしていくということになっておりまして、そのために書類を書くなど、児童相談所、児童福祉士の仕事も増えていくわけです。
実際に、いま一部の自治体の方ですけれども、一時保護の司法審査の施行ということでやっていただいているんですけれども、名古屋市の職員の方にお伺いをいたしますと、業務量は増えているということを伺っております。
そうしますと、やはり児童福祉士をはじめ児童相談所の増員、体制の強化が必要となってまいります。
引き続き、児童相談所の体制の強化、児童福祉士の増員に向けて、補正でも、そして来年度の予算でも、しっかりと財政措置をしていただきたいというふうに思いますけれども、副大臣、お願いしたいと思います。

工藤内閣府副大臣
児童相談所等の体制強化を計画的に進め、児童虐待防止対策をさらに進めていくため、令和4年12月に新たな児童虐待防止対策体制総合強化プランを策定し、児童福指針については、令和5年度から2年間で1,060人程度増員することとしています。
また令和7年6月に施行する一時保護時の司法審査の導入に向けては、今年の3月から、いくつかの児童相談所にて、児童相談所における具体的な運用方法を示すマニュアル案に沿って一時保護上請求までの流れを試行的に実施し、作業ごとの対応時間やマニュアル案に対して意見等を報告していただく施行運用を行っていただきました。
現在、各児童相談所からの施行運用の結果を集計しておりますが、一時保護開始時の司法審査の導入に伴い、現場では、親権者等の同意の確認、一時保護上請求書及び総括書面の政策等の対応が見込まれております。
こうした業務量を確認した上、児童相談所の現場の状況等も十分に踏まえつつ、新たな児童虐待防止対策総合強化プランの改定について必要に応じ検討してまいります。
これが今私どもの答えでございますが、本村委員から名古屋市の話が出ております。これは一例だと思って多分議員は調べられたと思うんですけど、私も名古屋市会議員出身でありましたから、きちっと現場の子ども青年局の担当課長に現状どうですかという聞き取りをさせていただいて、すぐさま国に要請なんじゃないですけど、厳しい状況は確かです。
それに応じて、今、これは人手が足らなかったらすぐさま要請したいし、頑張れるところは頑張っていきたいけど無理がある時はやはり要請をかけていきたいと。 そして、私もその辺で、今予算の話も出ましたが、すぐさま予算化、増員という形は取れない、なかなか厳しいのが現状でありますので、そしてまた、新たな児童虐待防止対策総合プランというのを作って、作った途端に人を増員じゃなくて、やっぱり頑張れるとこまでは頑張っていきたい、そして足らないと思ったらやっぱり思い切って増員する、そういう考え方で基づきまして適材適所を配置する、そんな考えておりますので、ご理解賜りたいと思います。

本村議員
児童福祉士の方々にしっかりと専門性を持って取り組んでいただくためにも、増員は喫緊の課題だというふうに思っております。
ぜひ、補正でも来年度の予算でも、しっかりと児童福祉士を増やしていくこと、そして家庭裁判所の職員も増やしていくことということを強く求めたいと思います。


文字起こしは以上です。

今国会の会期末は6/23です。
共同親権に危機感を持って国会を注視していた皆様、大変お疲れ様でした。
施行猶予の2年間の運用監視はまだまだ必要です。
日々の生活もあって大変ですが、引き続き監視を頑張りましょう。

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