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新着 ㉞鹿児島県議会令和5年第4回定例会における楠隼校に関する一般質問(令和5年12月7日)

郷原拓男議員(自民党・ 鹿屋市・垂水市区)より一般質問 項目1「教育行政について」にて楠隼校についての質問が行われました
当会の責任において作成した会議録(抜粋)を掲示いたします

鹿児島県議会議 会録画中継へのリンク
令和5年第4回定例会 12月7日 一般質問
自由民主党鹿児島県議会議員団  郷原 拓男

鹿児島県議会令和5年第4回定例会 
郷原拓男議員(自民党・鹿屋市-垂水市区) 一般質問より楠隼校に係る部分抜粋
 
○質問事項
1 教育行政について
② 教育委員会制度の意義について
 
郷原議員質問
10 ⽉14 ⽇⽂教観光委員会の楠隼校の視察に同⾏し、⽣徒と意⾒交換した。ランダムに抽出された中1〜⾼2 21 名の⽣徒の⽣の声を聴き、6 ⽉に知事が表明した「男⼥共学化全寮制廃⽌」の決定は⼤多数の⽣徒の思いとかけ離れたものであることを再確認した。

文科省は教育委員会制度の意義において、教育行政の執行には個人的な価値判断から中立性を確保することが必要だと謳っています。知事マニフェストにおける「楠隼校を共学にするとともに全寮制を廃止します」という記載は知事の個人的な価値判断が込められていて、そもそもマニフェストになじまないものではなかったかと考えますが、知事の見解をお示しください。
知事はこれまでトップリーダー教室やシリーズ宇宙学といった教育の内容にこそ、楠隼校の特色があると答弁されてこられました。
そこで、シリーズ宇宙学とトップリーダー教室にさかれる 1 年間の授業時数と予算額をお示しください。以上で1回目の質問といたします。
 
塩田知事答弁
楠隼校の共学化等についてマニフェストに掲げたことについてでございます。私は楠隼校の共学化等について、同校のトップリーダー教室やシリーズ宇宙学、農業漁業民泊体験など特色ある魅力的な、ここでしか受けられない教育を女子生徒や通学を希望する生徒にも受けられるようにしたいと考え、前提に掲げたところであります。
一方、このことは教育行政の執行機関である教育委員会において、純粋に教育行政の観点からどうあるべきか検討すべきものであります。
このため、私は就任後、楠隼校の共学化等について教育委員会に問題提起をし、これを受け、県教委の取組みでは、令和2年度以降、生徒や保護者の皆様。関係者などのご意見をお伺いするとともに、共学化等に向けた課題を整理し、今後の進め方やスケジュールについて検討し、令和5年5月に方針を決定されたところであると承知しています。
 
地頭所教育長答弁
(中略) 楠隼校のシリーズ宇宙学やトップリーダー教室については、探究心や科学する心を育む教育を行うことにより、21世紀を生き抜く創造的知性を深め、世界を見通すリーダーの育成を目的として実施しているものであり、県内外から入学する生徒にとって魅力ある学校となるよう、本県の特性を活かした特色ある教育活動として実施してきているところです。
シリーズ宇宙学については、中学 1 年生から高校 1 年生までを対象として、各学年年間35時間程度を実施しています。
そのうち、中学生は各学年3~4回の計10回程度、高校生は6回程度、JAXA等職員による講座を実施しています。
トップリーダー教室については、全生徒を対象に年3回、計6時間程度の授業時数で経営ビジネス、政治経済、スポーツ等の分野において第一線で活躍されている方々を講師として招き、社会人としての資質、能力や企業、社会等を取り巻く環境などについての講話を通して自己実現に向けての意欲やリーダーとしての資質の向上を図っています。
なお、シリーズ宇宙学やトップリーダー教室を実施するための予算は、令和5年度は報奨費、旅費等で約 445万円を計上しているところです。
 
郷原議員再質問
自席から知事に質問いたしたいと思います。
ただいまトップリーダー教室シリーズ宇宙学といった教育の内容にこそ、楠隼校の特色があるとこれまで知事は答弁されてこられました。
けれども、シリーズ宇宙学については年間35時間。
トップリーダー教室に費やされる1年間の授業時数は6時間 2つ合わせても年間40時間程度だったということが判明いたしました。
年間1200時間とも1,300時間とも言われる授業時間数のわずか40時間程度ですが、そもそもトップリーダー教室やシリーズ宇宙学がこの程度の授業時数であることは知事は認識されていたのか、見解をお示しください。
 
塩田知事再答弁
シリーズ宇宙学あるいはトップリーダー教室というのが特色ある教育として私は考えております。
そういった中で、全体としての基礎的な学力の学習の時間というものも当然必要なわけでありますから、これらがそういった一定の割合にとどまるということは認識をしておりますし、これは一つの例示であり、先ほど申し上げたような地域のフィールドワーク的な学習も含めて楠隼校におけるこういった特色ある教育というものがあるというふうに私は考えております。
 
郷原議員再々質問
それでは知事にもう1点質問いたします。
出水市にある野田女子高校は県下のみならず、西日本の県立で唯一の女子校です。
野田女子校では生活文化科、食物科、衛生・看護課など特色ある学科を設置し、楠隼校に負けない魅力ある学校であり、野田女子高の特色ある教育を受けたい男子生徒がいると思います。
女子生徒に思いを寄せて楠隼校を男女共学にするのであれば、同じ論理で男子生徒に思いを寄せて、野田女子高校も男女共学にしなければ、知事の発言には整合性が取れないと思いますが、野田女子高校共学科に向けた知事の見解をお示しください。
 
塩田知事答弁
楠隼校においてはトップリーダーを育成するという観点から、こういった学校ができており、そういった特色ある教育というのはここの楠隼校でしか受けられないというふうに、私は考え、そういったことであれば、女子あるいは寮に入れない・あるいは入らないという地域の子どもたちにも教育を受けさせるべきではないかというふうに考えたところであります。
その際には、野田女子校のことまで私があまりよく存じ上げませんでしたので、仮にそういった点があるのであれば、そういったことも含めて今後検討をするということはあり得ることではないかと思っております。
 
郷原議員
それぞれご答弁いただきました。もとより教育行政は公立・私立相携えて教育の質の向上につなげていかねばなりません。魅力ある県立高校づくりプロジェクトが小手先のプロジェクトであれば、私学振興にますます拍車がかかるものと思います。
魅力ある県立高校づくりプロジェクトに本気で取り組んでいくとともに激変する社会情勢に取り残されることなく、柔軟にかつダイナミックで不断の教育改革を期待いたします。
教育委員会の意義についてご答弁いただきました。
かつて本県は教育県鹿児島と尊敬の念を込めて呼ばれ、地域はもとより日本世界を支える先輩方を多数輩出しまぎれもなく、公立高校がその礎を築いてきたものだと思います。
しかし、今回の楠隼校での決定のように、生徒や保護者の思いがないがしろにされて、知事の思いだけで教育委員会の内部の検討だけで、アリバイ作りのアンケート調査のもと、説明会場でも同じフレーズの繰り返しに終始して、トップダウンにより学校の運営方針が決定されていくのであれば、私学志向の相対的高まりと呼応して公立校の存在感はますます縮小していくのだと思います。
知事も教育委員会にも母校に誰よりも思いをはせる。生徒や保護者の意向も受け止めた政策決定を行ってきたのか、楠隼校の学校の根幹を揺るがす変更と政策決定のあり方について再度振り返りをしていただき、今後の教育行政を司っていただきますよう強く要望いたします。
 
※鹿児島県議会動画配信に基づく速記録 文責 楠隼中高一貫教育校の未来を考える会

郷原議員は当会提供資料も参考に
①知事マニフェスト項目の正当性
②知事が楠隼校最大の特色とする宇宙学・トップリーダー教室の楠隼校における数量的意義
③知事の県立女子校に対する考え
を質問されました

①については知事は 「楠隼校の共学化等について教育委員会に問題提起」との新たな説明をもちいています
一方で本議会自民党議員からの代表質問への答弁で自らが実施した項目として「楠隼校の共学化」をあげられています
一般的には知事からの問題提起=指示 となるものと考えられます

③についての知事答弁の際 議場にどよめきと失笑が起こったように感じました
令和3年6月鹿児島県ホームページ 知事へのたより欄で教育委員会高校教育課が回答しています http://www.pref.kagoshima.jp/aa02/chiji/tayori/r02/202106.html#a6

知事がご存じないのであれば、担当課が勝手に回答したのでしょうか
同種の質問 ㉛鹿児島県教育委員会への再質問書 への回答を12月5日までに教育委員会へ当会より求めておりましたが、回答に時間を有するとのことでありました

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