
少し整ったHUDを作ってみる
Holdem ManagerやPokerTrackerにはHUD(Heads-up display)機能が備わっています。これは自分や同卓したプレイヤーの過去のハンド履歴からスタッツ(参加率や3bet率など)を表示でき、プレイヤー読みに役立ちます。
適当に表示スタッツを設定するだけでもHUDとしては有効ですが、数字の羅列だけでは使いにくかったり、慣れるまで時間がかかります。そこに簡単な整形をするだけで視認性が上がり、より使いやすくすることができます。
僕が使用しているHUDは次のようなスタッツ配置となっています。スタッツを整列し、各値のタイトルも入れることで見やすく、満足しています。
今回は視認性を重視したHUDの作成方法を書くことにします。最後にHUDの設定ファイルも置いておきます。
ベースはHoldem Manager3のHUDですが、PokerTrackerのHUDエディターもほぼ同じUIなので参考になるかと思います。
※HUDを綺麗に作るだけで満足してもポーカーは強くなりません。HUDの使い方を理解している中級者以上向けです。
1. HUD要素の整列
HM3のHUDエディター中央部では区切り文字やスタッツ要素(以下要素)の配置方法について設定できます。
・"Separator"は各要素の間に指定した文字記号を入れてくれますが、表示させたくない部分の指定はできません。後述の格子表記にするとHUD全体が肥大する要因にもなりますので、格子表記においてはoff推奨です。
・エディターでは要素が格子状に表示されていますが、デフォルトの表示では要素は詰めて表示されてしまいます。(下記画像参照)
"Arrange in Grid"にチェックを入れると、HUDの要素を格子状に整列できます。これでより直感的な要素配置が可能となります。
・"Background"のバーでHUD背景の透過度を設定できます。Clearに近いほど透明になります。HUDの配置の仕方にもよりますが、プレイヤーのハンドにHUDが重なるとshow-down時にカードが見づらいことがあるので、適当な透過度を設定すると良いでしょう。
2. 表示要素の指定
格子状の配置に出来たら、表示する要素を設定しましょう。
右の+ボタン→"Add Statistic"からスタッツを選択できます。列が横に長くなったら"Add New Line"で列を追加しましょう。
・"Add Text"でスタッツのタイトルも一緒に追加できます。
スタッツのタイトルは"Prefix"からも似たように設定が可能ですが、格子表記では各要素の文字長に応じて要素幅が変更されるため、要素によって無駄に広い余白が生まれたりします。"Add Text"にした方が編集は容易です。
・"Add Horizonal Separator Line"で要素列の区切り線を追加できます。
プリフロップで使うスタッツとポストフロップで使うスタッツを分けたりするのに便利です。
3. 要素のプロパティ設定
エディター右上では要素のプロパティと値に応じた文字色設定ができます。
プロパティについて
・Font
フォントサイズはHUDの大きさにも関わるので、自身の視力と相談してください。自分はサイズ7pt&太字表記にしています。
・Foreground
通常の文字色を指定します。
・Decimals
表示させる値の小数点以下の長さを指定します。例えば12.34と表示させたければ2を指定します。0なら整数値となります。
・Position
ここで指定したポジションのデータのみを参照したスタッツを表示します。例えばVPIPでButton(BTN)を指定した場合は、BTN時のVPIPが表示されます。
・Alignment
格子表示にしているときにのみ有効な設定です。Center(中央揃え)にしておくとより綺麗になるでしょう。
要素をクリックしてCtrl+Aを押すことで全ての要素を選択できます。ここでプロパティを設定すると全要素に適用されます。フォントサイズなどは最後にまとめて指定するのが楽です。
Color Rangeについて
スタッツ値が指定した値以下/以上である場合に文字色を変化させることができます。
"Color Ranges"タブをクリックし、"Add"より設定を追加します。
上記画像では、値が15未満の場合は水色表記となり、20以上の場合は黄色表記となります。15-20の間ではForegroundで指定された値となります。
自分は各スタッツに対して水色は硬いorパッシブな値、黄色はルーズorアグレッシブな値となるようなレンジ設定をしています。
注意点として、Color Rangeは2種類しか設定できません。3種類以上のレンジを設定すると常にForegroundの色で表示されてしまいます。
解決。1スタッツに付き色はforegroundを含む3色までしか設定出来ず、color rangeの範囲外は全てforground色で表示されるらしい。https://t.co/k7SQM22LVr
— ナノ@Poker (@nanonium_poker) January 25, 2020
解説は以上となります。
最後に今回取り上げたHUDの設定ファイルを上げておきます。 ※10/13更新
殆どのスタッツにはcolor rangeも設定してあります。
参考資料:
★Reg分析まとめ★
— Lillian (@Lily0727K) March 2, 2019
200NLzと500NLzで合計100ハンド以上の履歴があるRegのスタッツをまとめました。
それぞれ上がわたしの、下がReg全体のスタッツです。
どの項目もだいたい同じだけど、RegのFold to River CBetはかなり低いです。
Turnでcallすると、Riverもcallする傾向があるのかもしれません。 pic.twitter.com/CWVMwTy397
※HM3専用です。"Import Profile"より導入できます。
※各スタッツの簡単な説明。
・1行目
H:ハンド数
VP:VPIP(Voluntarily Put money In Pot)
PFR:PreFlop Raise
AF:Aggression
・2行目
RFI:Raise First In率(Limp・ColdCallを含まない。)
左順に EP(UTG) / MP / CO / BTN[※1] / SB[※2] / BB[※3]
※1 r: raise c: cold call
※2 r: raise L: limp
※3 r: raise vs SB f: fold vs SB open
・3行目
3B:3bet
F3B:Fold vs 3bet(タイトルのみ)
I :プレイヤーがIPのとき3betに対するFold率
O:プレイヤーがOOPのとき3betに対するFold率
4B:4bet
f:fold vs 4bet
5B:5bet
・4行目
WT:WTSD(Went To Showdown)
W$:W$SD(Won Money At Showdown)
WS:WWSF(Won When Saw Flop)
SQU:Squeeze(Cold Callerがいる状態での3bet)
・5行目(縦軸はFlop/Turn/River)
CB:Continuation Bet
FCB:Fold vs CB
RCB:Raise vs CB
PRB:Bet vs Missed CB (ポジションを問わない)
XF:Check Fold
XR:Check Raise
FXR:Fold vs XR
DL+:Delayed CB
DNK:Donk Bet
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