見出し画像

猟に連れて行ってもらった。まさに目の前に走ってきて。見事に撃たれて、絶命して。

川から引き上げる。彼女はお腹に子どもを孕んでいて。

次の日、吊るしあげて。私よりはるかに重いその重みをまさに感じながら。

皮を剥ぎ、解体していく。

30分でしはるところを、私は3時間以上かかって。

ずっと冷水を使うから手の感覚も足の感覚もなくなる。

続いてロース、太もも、前足とそれぞれ精肉にしていく。
ここでも私の手は傷だらけになる。

まさに一頭の雌鹿が生きているところから、お肉にして店頭に並ぶまでを経験した。

できるだけたくさんお肉として食べれるように。毛がつかないように。
丁寧に丁寧に。

ただ目の前のその作業をできるだけ丁寧におこなうこと。

一日を終えて疲労困憊での中。
バンドエイドだらけの手をみて、とても嬉しいと感じた。

夕暮れの中のひかりはとても美しいと思う。

2016.01.10

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?