じわじわくる話#79 【懇親パーティー】

会社の決起会があった。場所は高級感漂うちゃんとしたホテル。スーツを着て向かい、3時間ほど社長やら役員やらの話があった後、お待ちかねの懇親パーティーが始まった。

さすがは良さそうなホテルだけあって、豪勢なお食事の数々がバイキング形式で並んでいる。
乾杯の音頭が終わり、さて何を食べようかなあと会場を見回すと近くに握り寿司を提供してくれる特設スペースがあったのでそちらに向かった。
スタートダッシュ成功のおかげで並ぶことなくお寿司をゲット。会社の経費で食べるご飯はやはり美味しい。

懇親パーティーの過ごし方は自由なので、周りはみんな適当な場所で面識ある方と和気あいあい盛り上がっていた。
自分も繋がりはさほど多くはないものの「普段なかなか会えない方や昔お世話になった方などに挨拶しておこう」と思いながら、再び会場を見回した。と、その時。

『こっちに美味しそうなお肉ありますよ』

一緒に近くにいた後輩にお肉のお誘いを受けた。確かに見てみるととても立派で美味しそうなソーセージが並んでいた。
後輩と2人で列に並び、ソーセージを手に入れた。

初期位置に戻ってお料理を食べ、改めて挨拶周りしに行こうと会場をきょろきょろ見回した、その時。

『なんかさっきケーキ持ってる人がいたんですけど知ってます〜?あっ、あそこだ!一緒に行きましょう!』

社内研修の講義を一緒にやってた知り合いがたまたま通りかかってケーキのお誘いを受けた。強引な生意気4つ下なのでこちらに決定権はない。
一緒に向かって列に並び、ケーキを手に入れた。

ほとんどの社員総出での懇親パーティーなのに、自分は今のところちゃんと"食事"をしている。ケーキとフォークを片手に初期位置に戻り、美味しく会社の経費をいただいた。

時間も進み、会場前方の舞台上ではドキドキお楽しみ抽選会が行われていた。ご飯も抽選もそっちのけで挨拶周りを楽しんだ。

やはり持つべきものは人との繋がり。
これがあるとソーセージとケーキが手に入ります。

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