こんにちは。菜のはな書房です。
間が空いてしまいましたが《活字のごはん》、第4弾です。
日本語で書かれた小説でいちばん食べものにこだわりが強いと思われる作家、小川洋子先生の作品から、「パン工場のジャムパン」を紹介したいと思います!
このジャムパンが登場するのは、短編集「まぶた」(新潮社)所収の「中国野菜の育て方」です。
あらすじは以下の通り。
《夫と二人で暮らす女性は、ある日カレンダーに謎の印を見つける。夫に尋ねてもわからないと答えられる。印のついた日、不思議な野菜売りのおばあさんから苗を購入する。パン工場の裏手にある畑で野菜を作っていると聞き、訪ねてみるが…。》
パン工場を訪ねると、埋立地で畑はないと告げられます。
おばあさんを探すことは叶わず、しかし工場のおじさんはジャムパンを分けてくれました。
このジャムパンの描写だけで朝ごはん代わりになりそうです。リアルの朝ごはんはちゃんと食べた方がいいですが。
絵で描いた「おいしそうなパン」も、もしかすると本物のパンすらも敵わないような「パン工場のジャムパン」、ゆっくり読んで味わってみてください。
次回もお楽しみに!