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CL2021愛知と師匠と弟子

どうも、こんにちは。
初めましての方は、初めまして。
もちポケチャンネル*のもっちさんが設立したポケカチーム『ねこにこばん』所属の夫婦ポケカプレイヤーなのはと申します。
使用するデッキは、2019年12月から三神ザシアンを愛用しています。
リモートポケカ大会『なのは杯』の主宰をしています。


師匠と弟子

さて、突然ですが、僕にはポケカの弟子が居ます。
北海道で活動しているマリオくんという9歳の男の子です。(公式登録名ウメハラハルク)
SkypeでもDiscordでもなく、当時LINEベースで行われていた第4回なのは杯を開催した際に、TwitterのDMに一通のメッセージが届きました。

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なのは杯は、僕が自主主催しているリモートポケカ大会で、第4回なのは杯は、ポケカYouTuberもちポケチャンネル*のおふたりを呼びたいのもあって、ペア参加型のリモート大会でした。
コロナによる緊急事態宣言によりカードショップでの大会に参加できなくなったプレイヤーは数知れず、2020年3月の緊急事態宣言からリモートによるポケカ大会が盛んになってきましたよね。
マリオくんもポケカをする場所を失くしたひとりだったのです。
それから第4回なのは杯が始まり、マリオくんの予選リーグは、なのは杯の上位陣やシニアでも実績のある方々が在籍していて、マリオチームのしたっぱ役のマリパパさんは全敗…
しかし、マリオチームのリーダー役であるマリオくんがなのは杯上位陣をひとりで4人抜きし、僕も周りの参加者からもダークホースとして注目を集める存在となって行きました。
それから第4回なのは杯を終え、個別でリモートポケカをするようになりました。
直近の大会でUーKYON杯というジュニアプレイヤーしか出場できないリモート大会があると聞かされ、それからは第2回UーKYON杯で優勝する事を目標に毎晩マリオくんとのリモートポケカの特訓が始まりました。
LINEのリモート特訓部屋には、僕にポケカを始めるきっかけを作ってくれた50万円の金キラ三神ザシアンを使う幼馴染のZEROさん、富山出身で北海道の大学に在学しているなのは杯の実況者Primarina.幽鬼さん、広島出身でポケカカップルのりょーさんとういさん(後に結婚し、シティリーグで優勝&ベスト4入賞)が居ました。
僕は、子供が居る事と、なのは杯の運営で夜は忙しく直接リモートが出来ない為、4人が交代しながらマリオくんとリモート対戦をして頂きました。
僕はイヤホンをしながら夜は子守をし、時には嫁にも協力してもらい、マリオくんのプレイを聴いたり観たりの毎日。
手つき、盤面の整理、ハキハキとした言葉遣い、シャッフルの仕方、デッキへの理解度、それに適したプレイングとプランニング、毎日変化するマリオくんの体感を軸に構築の提案と改良、ポケカ対戦に於ける基礎という基礎を重点的に教え、細かい所も毎晩しつこく指摘し、何かある度にマリパパさんにメモを取らせて復習と反省の日々。
マリオくんは手が小さく、「マリオの手ではファローシャッフルは出来ないです」とマリパパさんに言われた事もありました。
しかし、「マリオくんより身体が大きいジュニアはファローシャッフルは出来ると思います。出来ないじゃない、やるんです」と、プレイマットの上にデッキを立てる事で横入れが可能となり、今ではファローシャッフルもお手の物。
マリオくんは「わかりました」の一言で注意された事を吸収し、一歩一歩確実に強くなって行きました。
その頃、マルヤクデVmaxがマリオくんのお気に入りで、小学生でも扱えて、且つ事故率が低いブルー型マルヤクデVmaxデッキをマリオくんと作り上げました。
時に、手札を見せ合いながらリモートポケカ対戦をしました。

マリオ「マルヤクデに基本炎エネルギーを手張りします」

なのは「…はい」

マリオ「溶接工を使って、基本炎エネルギーを2枚マルヤクデに付けて、デッキから3枚ドローします」

なのは「…ストップ!」

マリオ「…!!」

なのは「その手札のヒート炎エネルギーはどうしたの?」

マリオ「今、溶接工で引きました」

なのは「そしたら、手張りするの早かったんじゃない?このままターンを返すなら、ヒート炎エネルギーを手張りした方が絶対にいいはず」

マリパパ「確かに…」

なのは「そういうミスするならヒート炎エネルギーは抜く。いつでも出来る手張りは最後にやる。ボルケニオンの後1フレアスターターもマルヤクデの後1ねつほうしゃの択も同じ。わかった?」

マリオ「わかりました!次からは気をつけます!」

だいぶ高圧的ですが、この手張りの話は今でも印象強く覚えています。(もう少し優しく教えてあげて…)

マリオくんは、リモート対戦して頂いた方々から良く「筋が綺麗」等、褒められたりするんですが、この時期に会得されたんだと思います。

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完全後攻型ブルーマルヤクデが完成しました。
ヒート炎エネルギーや大きなおまもり等のタイミングに寄ってミスが発生しそうなカードは全抜き。
当時の彼は、後1フレアスターター成功率100%を誇っており、「事故らなかったらマリオくんは誰にも負けない」と、常に言い聞かせていた気がします。
UーKYON杯主催者のうきょんさんに許可を得て、Skypeの試合を観戦させて頂く事になり、マリオくんの試合だけ立ち会う事になりました。
一回戦の相手が初代UーKYON杯の優勝者なゆたくんという、関西でもトップクラスの実績を持つピカゼクの使い手。
大人もビックリするくらいのプレイの上手さと思考速度、手つき、発言の鋭さ…
ジュニアの上位陣はこんなにレベルが高いのか!?と僕自身がビックリしたのを覚えています。
内容は、後攻を取られてしまいズタボロな結果に…
そこから立ち回り、予選通過、決勝トナメに進出。
そして、決勝戦。
運命に導かれるように前回王者なゆたくんと再び激突する事に。
初戦でボコボコにしたマリオくんが決勝戦に上がってきて、なゆたくんも驚いたはず…
後攻を取って、マリオくんが勝ち、初優勝。
閉会式に僕も呼ばれて、今まで特訓してきた姿を知っていたので、その努力が実った事が嬉しくて嬉しくて、その場で泣いてしまいました。(あはは…)
その晩、マリオくんから「教えてくれてありがとうございました」を告げられて、ここで関係は終わりかと思っていましたが…

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電話が終わった後、マリパパさんからのLINE…
いや、師匠って…笑
恥ずかしい面もありましたが、我が子のように可愛いマリオくんを引っ張ってあげたいなと思いました。

それから、第5回なのは杯は100人以上の方が集まり、抽選落ちでお休み。(当選確率5分の1)

マルヤクデをずっと握ってきましたが、CL2020横浜を2週間後に控え、始まった第3回UーKYON杯でまさかの予選落ち。
全ての試合を観戦していましたが、ピカチュウVmaxに対し、エレキパワー込みでパワー負け。
最終戦の三神ザシアン戦では、後1フレアスターターが初めて失敗し、手札にはエネルギーもなく、ボス、溶接工しかないという未だかつて経験した事のない大事故による大敗。
震えた「ありがとうございました」の裏側には画面には映らないマリオくんの泣き顔が浮かびました。
嫁と観ていたので、今でもふたりして覚えています。
泣き崩れてしまい、電話も出来ず、UーKYON杯の決勝戦は観戦していたようですが…
「復活するまで時間がかかりそうです」とマリパパさんから通知。
その日の夕方、マリオくんからの電話。

「師匠、僕に三神ザシアンを教えてください」

???

CL横浜まで残り12日しかなく「今からじゃ無理。マルヤクデを煮詰め直そう」と言い返したと思います…

「マルヤクデはもう崩しました!CL横浜は師匠と同じ三神ザシアンで出るってもう決めました!だから僕に三神ザシアンを教えてください!たくさん練習します!」

彼の決意はとても固かった。
マリパパさん曰く、決めた事は真っ直ぐに突き進む性格だそうです。


無理じゃないだろ。
これはもう全力全開でやるしかないだろ。
だって、マリオくんの師匠なんだろ!?

俺がマリオくんに三神ザシアンを教えるんだ…!


その日の夜から今使っている僕の三神ザシアンのレシピを渡し、学校から帰ってきては、夜リモートできる時間になるまで、ひたすら一人回し。
当時、三神ザシアンの経験値が0のマリオくんの一人回しの回数は1日100回は超えていたと思います。
毎晩によるリモート部屋での厳しい特訓。
もうとにかく時間がない。
僕も仕事の時間や睡眠の時間を削り、マリオくんの為だけに三神ザシアンの基礎となるnoteを書いて、時間がある時に読んで貰っていました。
マリオくんと同じレシピで休憩時間を使って僕も毎日一人回し。
地元の大会で結果を残しては、マリオくんにその構築や対面との体感を報告。
マリパパさんに三神ザシアンのレポートを作成して貰って、マリオくんがどんなデッキと対面して、どんな回し方をしたのか、今までの資料はLINEの保存期間が切れて貼り付けできませんが、直近の北海道の自主大会やマリオくんが参加しているリモート大会も含め、CL愛知決戦の日までの約7ヶ月間、このような形式のレポートを提出して貰って、マリオくんの事を見守り続けて居ました。

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そして、2020年10月3日。
カントー地方にある某カードショップ。
CL横浜の前日に飛行機に乗って来たマリオくんに初めて会いました。
小さくて素直で可愛くてシャイボーイ。

そして、その細く小さな腕から繰り出される力強いプレイングはこの時から健在していた…?

この日、行われた公認ジムバトルは、

優勝…もっちさん
準優勝…ばんさん
3位…なのは
4位…マリオくん

と、面白い結果に。
マリオくんに負けた常連の方々も「強すぎる」と苦笑い。
しかしながら、ふたりして、もちポケチャンネル*のおふたりに準決勝で負けてしまいました!笑

この際だからと盛大に集まりたいと思い、リーダーのもっちさんにお願いをして、もっちさん、ばんさん、チームメンバーのらびしゃん達も呼んで、チームねこにこばん大集合しました。
とても素敵な写真が撮れました。

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そして、ザマゼンタのプレイマットに皆の想いとサインを残し、マリオくんのCL優勝を願って、横浜へと送り出しました。

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初めて参加したCL2020横浜は、予選29位となり、ベスト32入賞という結果に。
予選の最終戦は、宿敵のなゆたくんでした。
マリパパさんも、なゆなゆさんも、僕もマッチングアプリを見てビックリしました。
本人達は、顔も名前もわからないまま戦ってる。
散々リモート大会で激突したふたりがリアルでも激突するなんて…
そんな熱い展開に大人達も胸熱でした。
結果は、マリオくんの勝ち。

その日の夕方、横浜に居るマリオくんから電話。

「師匠…たくさん教えてくれたのに結果残せなくてごめんなさい」

9歳とは思えぬ発言。
しかし、マリオくんはマリオくんで色んな人に支えられてるのを感じていたのでしょう。

「大丈夫だよ。ベスト32でも凄いよ。また練習しようね」

「師匠、僕は本当にポケカチャンピオンになれますか?」

グサッと何かが胸に刺さる感じがした。
大型大会で優勝する事の難しさは知ってる。
どんなに努力を積み重ねたって、一瞬の運の巡り合わせが邪魔をして、いくつもの人がその頂きには届かず落ちていくもの。

でも…

「マリオくん次第だよ。だから練習しよう!もう二度と誰にも負けない為に」

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三神3枚とエネルギースピナー2投はマリオくんのオリジナルです。

それからマリオくんは、最低限のマナーを守って地元の公認大会にも積極的に出場するようになり、リモート大会も参加できるものは全て参加するようになりました。

初めてのシティリーグ シーズン1はベスト4入賞。
しかし、ライバルのなゆたくんが関西のシティリーグで優勝した事により、国内プレイヤーズランキング1位に君臨。
7位だったマリオくんは更に闘志を燃やしていました。

11月になり、104人規模で開催する事になった第6回なのは杯が始まる。
マリオくんは種切れにより開始2分で小ズガに敗北。

12月になり、僕自身のシティリーグの期間になるも、リモート大会の運営が忙しく、三神ザシアンを調整する時間が僕にはありませんでした。
そんな僕の為に、僕の三神ザシアンのレシピを受け取ったマリオくんは、僕の代わりに陰ながら調整をしてくれていました。
そのお陰もあって、僕は予選4ー1で決勝トナメに進出し、力及ばずでしたが、64人規模でベスト8に入賞する事ができました。
マリオくんの体感と調整を信じて良かった。
第6回なのは杯に参加していたアルモンドさんに「なのはさん、運営で忙しいのにトナメあがれたの凄いですね」と言われたのを覚えています。
実は、マリオくんが支えていてくれたんです。
本当に最高の弟子なんです…

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それから1月に入り、世間が再び緊急事態宣言ムードに突入。
北海道ではジュニアのシティリーグは無く、他の地域まで飛行機で飛ばなくてはなりません。
そして、迎えた、1月の9日、10日、11日。
一部区域が緊急事態宣言の対象となり、マリオくんは出場中止。
CSPが入らないマリオくんは、プレイヤーズランキングが45位まで下がり、日本代表圏内から遠ざかってしまいました。
いつ復活するのかわからないポケカ公式大会。
今年はもうダメなのか…?
マリオくんは、悔しい気持ちを堪え、「また来年頑張ります!」と決意表明。
マリオくんはチャンピオンになる事を諦めてはいません。

そして、ジュニア限定のリモート大会、第5回UーKYON杯が開催されました。
中には、既に日本代表の権利を持っているジュニアも参加していて、かなりハイレベルなリモート大会が予想されました。
例に寄って、うきょんさんから許可を貰い、一回戦からマリオくんの試合に付き添いました。
どのジュニアの子も個性溢れる構築と力強いプレイで大人の僕も熱くなりました。
とても勉強になりました。

結果は、予選1位通過で決勝トナメ進出。

準決勝でなゆたくんとまさかの三神ザシアン対決。

決勝戦で日本代表の近藤くんを倒し、優勝…!

この大会を終えて、マリオくんは、ポケカに対する勝ち癖、ムラなく勝ち切る力、逆転させない力が付き始めてきたなと僕は強く感じました。

三神ザシアンの練度がカンストしているといいますか…
絶対王者の貫禄というか完全無敵というか…

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そして、2月に開催された144人規模の第7回なのは杯では、今話題のポケカ専門店株式会社ナンバー1のカズキ社長を含め、数々の有名人や強豪達が凌ぎを削り合う中、マリオくんはベスト32である4回戦の配信卓に駒を進めました。
対戦相手は、招待選手になっている同じ北海道出身のポケカYouTuberしんおーちゃんねるの八坂さん。
マリオくんは、三神ザシアン。
八坂さんは、ビクティニFTB。
互いに盤面を作り、マリオくんが放ったマリィから流れが悪くなり、そのまま動く事が出来ず敗北…

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https://twitter.com/nanoha_yp/status/1367444608767062019?s=21

YouTube LIVEによる実況解説配信なので、もし良かったら御視聴お願いします。
なのは杯で検索すれば出てくるかも…?

実況は、でんこう杯主宰のユーキャンさん。
解説は、TCGBar Oasisのリンプロです。

その翌日から、マリオくんは「試したい事がある」と言葉を残して、札幌で行われた自主大会へ向かいました。

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マリオくん、怒涛の快進撃。
札幌で行われた大人の方も参加する自主大会に於いて、土日連続での優勝。
マリオくんと同じ北海道で活動しているごぼさんという方のフウロ型三神ザシアンと、リンプロがTwitterに投稿していたフウロ型三神ザシアンを参考にして、マリオくんだけのオリジナルフウロ型三神ザシアンを作り上げた。

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それから、CL2020愛知でベスト8に入賞し現WCS2022日本代表のきみどりさんを始めとした札幌チームとの合同練習会にも積極的に参加。
そこで出会った方々と質の高い練習を繰り返し、プレイヤーとしても、人としても、成長して行きます。

小規模開催のリモート大会プチなのは杯では大人相手でも常に上位に入賞する実力。
UーKYON杯、でんこう杯、ジコチュー杯、MTリーグ、ごぼ杯、愚民杯、スリッ杯、シンオウ杯、ガチ恵庭杯、ユウグレ杯、そして、きみどり練習会…

僕の知らない場所で、ポケモンカードを通じ、たくさんの方々と出会い、アドバイスを貰い、一つ、また一つと強くなってくマリオくん。

マリオくんの三神ザシアンは、その全ての思いと経験が詰め込まれているのかな…

愛知の緊急事態宣言が解除され、CL2021愛知の開催が公式から告知された。

マリオくんは、CL愛知優勝を目標に、全力全開でポケカの練習に力を注ぎます。


そして、迎えた2021年3月27日。
マリオくんと同じホテルを予約しました。
僕ら夫婦がチェックインをしていたら、エレベーターからマリオくんが出て来ました。
久々の再会です。
ちょっと背が伸びたかな?

その後、マリオくんと三神ザシアンのミラー戦をやりました。
結果は、1勝1敗でした。
その堂々とした力強いプレイスタイルは、経験と自信から成るもの。
もう教える事は何もない。
構築もマリオくんが選んだ60枚なら大丈夫。

その夜、きみどりさん達と合流し、調整、調整…


そして、2021年3月28日当日。
待ちに待ったCL愛知、決戦の日です。

CL2021愛知ジュニアリーグは243名で予選スタートしたそうです。

マリオくんは、なんと予選を1位で通過。
会場外へと帰ってきたマリオくんは、ちょっぴり逞しく見えました。
僕は、既に目がうるうるしていましたが…笑

受付のところで写真を1枚撮りました。

予選1位…
マリオくんは誰もが憧れる頂きに最も近い場所に居ます。

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少し休憩を挟んで本戦へ。
スリーブが傷付いてたので予備に替えて欲しいと、事件が発生。
マリパパさんのデッキを解体して、スリーブを全て取り替える事になったそうです。
本当にドタバタしました。笑

選手と保護者の方々は会場を移動して対戦がスタート。
僕からは選手達の試合状況は全くわかりませんが、負けたジュニアの子は保護者席の方へ片付けて帰って来ていたので、1番の卓から動かないマリオくんは、そのまま決勝戦へ進出しました。

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「マリオくん、勝ってくれ…!!!」

神に祈りながら見守っていると、ジャッジが駆け寄り何かを話している様子…

トラブルか?

…試合が終わったのか?

その時、マリオくんが笑顔で右腕を上げました。

「「マリオくんが勝った!!!」」

その瞬間、何よりも誰よりも早く涙が出ました。

僕が優勝した訳じゃないし、僕はマリオくんの親でもないですが、マスクの縁がグショグショになるくらい涙が溢れて止まりませんでした。

マリパパさんとうきょんさんが僕に何かを話しかけてきましたが、もう涙が止まらなくて何も喋れません。

「なのはさんが師匠だったから、マリオくんはここまで来れたんですよ」

「なのはさん!お弟子さん、優勝おめでとうございます!」

ジュニアの親御さん達が話しかけてくる度に涙が溢れ出る。
みんなUーKYON杯で知り合った親御さん達です。
今まで積み重ねてきた何かが一気に溢れ出した感じでした。

それから表彰式を迎え、ポニータ石井さんを含む、たくさんの方々に写真を撮られ、世界大会についての説明を受けて、やっとマリオくんと合流する事が出来ました。


「マリオくん、おめでとう!やったね!」

もう「マリオくん」じゃなくて「マリオさん」なのかもしれない。

この日、マリオくんの事はたくさん褒めました。

いつも怒ってばかりだったから…


ホテルへの帰り道、僕らの高ぶった気持ちとは真逆にまさかの暴風雨。
マリオくん、マリパパさん、僕、嫁の4人でズブ濡れになりながらホテルまで歩いて帰りました。

マリオくんの傘は何度も逆開きして壊れましたが、なんとか優勝盾と三神ザシアンデッキは死守。

僕とマリパパさんは何もないのでズブ濡れです。

マリオ「ねぇ、パパ、4位以内に入ったらポケモン入れ替えの金レア買ってくれるんだよね?」

こんな暴風雨の中、突然、甘え声のマリオくんにビックリ。

マリパパ「あー入れ替えね、覚えてるよ」(あっさり)

マリオ「約束だよ!」

マリパパ「(師匠、ポケモン入れ替えのURって4万くらいしますよね…?)」

なのは「(ですね…マリオくん金レア好きですね)」

マリパパ「(ママと相談してみます…)」

マリパパ「ZEROさんUR譲ってくれないかなぁ」ボソッ

なのは「あはは…」



マリオくんは優勝できてニコニコ笑顔。
マリパパさんは下を向いて歩いていました。

マリパパさんやマリオママさんが「マリオは師匠と出会ってから変わりました」と言ってくれたけど、ポケカを始めて、ポケカを通して、マリオくん自身が自然に変わって行ったんだと思います。

マリオくんを引っ張り出したのは確かに僕なのかもしれないけど、幼馴染のZEROさんが「遊戯王辞めてポケカ始めるわ」って言わなかったら、僕は今でも遊戯王を続けていたと思う。

大きな声では言えないけれど、コロナ禍にならなかったらマリオくんとは知り合う事もなかったと思うし、リモートポケカの環境になって、なのは杯を開催したのもたまたまであって、これが何の巡り合わせなのかわからないけど、僕とマリオくんが出会えたこの奇跡に今では本当に感謝しています。

正直、マリパパさんも凄いです。

「マリオがポケカチャンピオンを目指すと決めたなら、私は行ける所まで付き添います」と、この言葉に僕も背中を押されていたのも事実。

あのTwitterのDMが無かったら、関わる事も無かったはず。

愛する子の為に飛行機に乗り、横浜へ、愛知へ。

僕は自分の子がマリオくんと同じ年齢になった時、マリパパさんと同じ行動が出来るのだろうか。

僕は人生は毎日が勉強…だと思っているけど、マリオくんに出会ってからの7ヶ月間、毎日が本当に充実していて楽しかったです。

マリオくんはとても成長したけど、僕も成長していると思いたい。

僕は、きっと1割くらいしか貢献してなかったと思うけど、マリオくんが努力して、チャンピオンになる過程を身近な場所で見れて本当に良かった。

一緒に走り抜けてきたこの三神ザシアンは二人を繋ぐ最強のデッキだと思う。

マリオくん、CL愛知、優勝おめでとう。


WCS2022日本代表、ホントにおめでとう。


次は、PJCS2021で日本一のジュニアになろう。


これから世界へ羽ばたくあなたの活躍を見守らせてください。

Congratulations‼︎
You are the best champion‼︎

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追伸

上記にあるイチゲキウーラオスVmaxを背景にした写真は、僕自身のマスターリーグのドロップ後、一度対戦会場の外へ出たにも関わらず再び対戦会場へ入場し、撮影したものとなります。

ドロップ後は、観戦禁止で直ちに会場外まで出なくてはならないルールとなっています。

この件に関しては、軽率な行動だったと深く反省しております。

申し訳ありませんでした。

以後、気を付けます。


それと、多くの方から意見を頂きまして、投げ銭方式に変更しました。

僕には1円も要りませんので、頑張ったマリオくんにポケモンカードをプレゼントしようと考えています。


ここまで、ご愛読ありがとうございました。

これからもウメハラハルクを応援よろしくお願いします。

2021年3月30日 なのは

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