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【蓮ノ空感想文】花咲こうとする一輪との出逢い

 出会いというのはいつだって神様の悪戯だ、なんて誰かが昔——遥か遠い過去に言っていたことを思い出した。当時は、何の話か分からずただその言葉の意味も考えずにいた。 

 あれから時が経って、気付けば社会の歯車のひとととなった毎日を過ごしている。なんとなく目の前の仕事を片付けて、なんとなく好きなことをして、生きる。

 生きるだけえらいのかもしれないが、少し物足りなさを覚えている自分がいた。何か、生活がガラリと変わるような、一緒に時を刻んでいけるようなそんな出来事を。

 出会いはいつだって突然舞い降りるものだ。

 神様が悪戯するみたい降ってきた——全16ユニットが出演するという甲子園の開催。「甲子園」と聞いて最初に思い浮かべたのは、高校野球だ。
 ……ユニット同志で野球対決でもするのだろうか。否。スクールアイドルである限り、歌とダンスのぶつかり合いということになるであろう。

 海辺の街を生きる9人の少女たちを追いかけてきた人間だが、夢の甲子園を楽しむなら、他のユニットも知っておいて損はないどころか、知っておいたほうが16倍楽しめるだろう。

 出会いというのはいつだって神様の悪戯だ。

 けれども時にそれは、神様に遊ばれるのではなく、自分自身で掴み取る瞬間がごく稀にある。幾千回もの出会いをしていく中で、ほんの数回あるかないか。
 その数回の出会いが、人生の分岐点になることもある。

 これは、そんな花咲こうとする一輪との出会いから、これまでの日々を綴った物語。

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はじめに


 皆さん、お久しぶりです!
 noteでの投稿は、実に4年ぶりらしく時が経ってしまったことをひしひしと感じております。
 今回は、2つの企画に対してアプローチさせていただく記事となります。

 まずひとつ目はこちらの企画。

 公式さんから出されましたこちらの「#蓮ノ空感想文」と題しまして私が「蓮ノ空」を知ったきっかけや、「蓮ノ空」への想いを語っていきたいと思います。

 そしてふたつ目がこちらの企画。

 レタスじろー(@lettucejirosan)さんと協同で企画している蓮ノ空2ndライブのカウントダウン企画「Blooming with YOU」でのトップバッターとして想いを咲かせたいと思います。

 こちらの企画は、ハッシュタグをつけてどなたでも参加することができます。皆様のご参加、お待ちしております!

 さて、ここからは私が蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブと歩んできた軌跡を描いていこうと思います。

小さな蕾


 蕾を見つけたのは、ふと空を見上げた時でした。
 そう、ユニット甲子園という快晴の空の下で開催される熱いイベントが発表されたタイミングでした。

 第2のラブライブ!フェスとでも言わんばかりのお祭りに、オタクの血が騒ぎます。そんな催事を「これでもか!」と楽しみたい、みんなで盛り上がりたい!という想いが強くなった私は、約3か月間に渡る企画「ユニット推し座談会」というものを企画します。

 こちらの企画は3月9日、10日に開催されます「LoveLive! Series Presents ユニット甲子園 2024」へ向けて盛り上がろう!というものです。11月から3月まで約4ヶ月間、全16ユニットについて語り尽くしてやろうじゃないか!という面白おかしい座談会を開きました。

 それぞれのユニットの推しの方々の目線からゆるゆると30分程度語っていただき、質疑応答等交えながら、みんなでワイワイと盛り上がる企画になっており、多くの方と一緒に駆け抜け、無事完走することができました。

 改めて、一緒によーい!ドン!!で走ってくださった皆様、ありがとうございました!

 ここで、私はこの記事を読んでいる皆様にお伝えしなければならないことがございます。それは、私自身がずっと蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブに触れることを避けてきたことです。

 理由としましては……「沼に落ちてしまうから」です。

 え、そんな理由で?と思われるかもしれませんが、シンプルに自分のキャパが追い付かないかもしれない、と危惧していたからです。

 蓮の花は泥水のような池の中から真直ぐに茎を伸ばし、その先に華麗な花を咲かせます。泥から出てきても泥に汚れることはありません。
  このことから蓮の花は清らかさの象徴と考えられ、仏教では神聖な花とされてきました。 

 そんな蓮の花のように、神聖な作品として、これは触れてしまっては泥沼になってしまう、と心を強くもっていました。過去に何度も様々な友人から「蓮はいいぞ」「蓮はいいぞ」と周囲を固められる度に、「いや……怖いもん」という言い訳にもならない言い訳をして逃げてきました。

 蓮ノ空のこと好き好きクラブのみなさんからすれば、こんなオタク良いわけがないと思うのですが、改めてここできちんと伝えておかなければ、と心機一転する気持ちで次へと進めない気がしました。

 企画を開催するに辺り「知らない」というのは個人的にはとても悲しいな、と思うと同時にその「大好き」という熱が伝播することは難しいと考えています。 

 まずそもそも蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブって何だろう?という所から始まりました。 

石川県金沢市から奥まった場所で、蓮の花の咲く湖の傍らにある私立蓮ノ空女学院。
創立100年を越えるこの高校では、古くから引き継がれた伝統がいまも息づいている。
変わらないものと変わっていくもの、
旅立つものと遺されるもの。
その中で煌めく青春を生きる6人の少女たち。
限りある時間の中で、精一杯に花咲こうともがく。
これは、そんな彼女たちの「みんなで叶える物語」スクールアイドルプロジェクト――

「蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブ」公式サイト(Link!Like!ラブライブ!) (lovelive-anime.jp)

 石川県金沢市と聞くと、鼓問が有名で、駅がとても綺麗な場所という認識でした。そこが舞台となり、長い伝統を誇る「蓮ノ空女学院」ですが、私はここでリアルタイム「スクールカレンダー」というワードが引っ掛かります。

 なんでも1年365日、入学から卒業までの限られた時間のなかで、 彼女たちと喜び、悲しみを共にし、同じ青春を過ごすことができるプロジェクトだというのです。その時点で期待しかありません。

 まずは蓮ノ空のストーリーから触れてみよう、と思ったのですが既に11月も中旬。1話でさえも大ボリュームという噂を聞き、とにかく何か触れてみようとYoutubeで検索してみました。

「ほう、これが噂に聞くスリーズブーケですか」

 そもそも3ユニットある中で私が唯一知っていたのがスリーズブーケでした。ある夏に、オタク友達に「眩耀夜行」を聴かされ、その曲のもつストーリー性や、楽曲の音色、力強くも儚い歌声に魅了されたのです。

 だからこそ、そのスリーズブーケが結成されることになったこのストーリーを視聴することを決めました。

 入学して早々に脱走を決める花帆ちゃん。知らない世界を魅せる梢センパイ。そんな二人の揺れ動く感情や、花咲こうとする行動、そして何よりもその瞬間を生きる彼女たちの姿にいつの間にか目が離せなくなる自分がいました。

 気付けば「長いストーリー?かかってこいや!!半年分、見てやるぜ!!」という勢いのまま再生ボタンを「ぽちっ」としました。

綻び始めた蕾

 自由という青春を謳歌するため蓮ノ空女学院へ入学してきた花帆ちゃん。
 ですが、思い描いた華の高校生活とは違い、戸惑う姿を知らぬ間に自分の生活と重ねていました。

 新しい世界に飛び出したくて、楽しいことがしたくて……そんなモヤモヤした気持ちは、まるで一面真っ白な雪のような冷たさがあったのかもしれません。そんな心に寄り添う梢センパイの優しさに触れます。

 梢センパイの家系は、音楽一家であり、様々なミライの可能性をもっていたはず。そんな中で選んだスクールアイドルは、親に反対されていたそうです。
 その話に対して花帆ちゃんは、疑問を投げかけます。そこで答えた梢センパイの言葉が、当時の私には深く突き刺さったのです。

活動記録第1話 『花咲きたい!』より

「ちゃんと親と話し合ってね。自分のやりたいことを、正直に伝えたの。全部を理解してもらえたとは思わないけれど、でも、好きな気持ちは伝わったはずだから。」

活動記録第1話 『花咲きたい!』より

自分のやりたいことを、正直に。

 それは簡単のように見えて、実は一番難しいことなんじゃないか、と私は思うのです。失敗したら、と負の感情の方が先行してしまって、いつの間にか周りの視線や体裁を考えてしまうようになります。

 それは、社会に出れば当然必要となる「常識」というものです。

 だからこそ、常識から外れることに臆病になるし、勇気を一歩、せーの!と踏み出すことに対しても怖いと思うようになると思います。そんな人を、お子さんを沢山見てきました。

 その一歩を踏み出させてくれるのは、家族であり、仲間であり、相方であり、センパイです。花帆ちゃんにとってそれは梢センパイであり、花咲きたい!という彼女の願いに寄り添い、導いていく姿に私は惹かれたのです。 
 ここで初めて私にとっての推しという存在が、乙宗梢というセンパイになったのです。

 冬の寒さに凍えていた花帆ちゃんの心に春が訪れた瞬間でもあり、私自身の生活に春風が吹きました。どんどんとストーリーを追うごとに、笑いあり、涙あり……涙が枯れるほど泣いた活動記録もありましたが、6人それぞれの性格や心境に深くのめり込んでいきました。
 そして、ようやく最新話の視聴を終えました。

──追いついたよ。

蕾、花開いて

 ストーリーを見始めて2日。2日あれば充分でした。
 一夜にして、蓮ノ空のこと好き好きクラブの一員として加入しました。

 新入生となった私が次に見つけたのは、彼女たち6人と同じように生きる6人のキャストの皆さんでした。

 キャストさんがはっちゃけすぎている、様々な企画に沿ってトークしたり、挑戦したりしている番組「せーので!はすのそら!」通称「せーはす!」を視聴し始めます。

 毎週金曜日の癒しの時間でもある当番組を視聴していき、とある動画に辿り着きます。それが、「#10料理力チェック!スリーズブーケ編」でした。

  きっとこれを読んでくださっている方は、その動画を視聴していると思いますが、改めて共有させていただきます。

 何が、と言われるとキリがないのですが、二人の絆の強さであったり、花宮さん……キャストでも花宮初奈さんを推させていただいているのですが、その手さばきであったり、メンバー同士で軽口を言い合える仲の良さであったり。

 番組を通じて蓮ノ空の魅力を更に知ることができるだけでなく、段々打ち解け合っていくメンバーとの距離感を味わえることが更にリアルタイム「スクールカレンダー」という特徴を際立たせているのかな、と思います。 

 実際にこの企画の影響力は大きく、キャストさんが訪れた場所に足を運び、同じように景色を撮り、食事をし、運動をする人が多く見受けられます。

 キャストさんのサインも飾っていたり、そこに実在し息をするメンバーを感じられるのも、せーはす!のおかげでしょうか。その「聖地」というものに魅了されて、実際にせーはす!のとある企画を実施したのですが、それはまた別の記事にてご紹介したいと思います。

 それから何を思ったのか……「ラブライブ!蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブ 1st Live Tour ~RUN!CAN!FUN!~」の愛知公演に弾丸で行きました。

 この記事は、あまりにもノリと勢いで綴っているので支離滅裂なのですが、蓮沼に落ちて二週間の出来事でした。飛び入りでの参加を決めたのですが、微塵も後悔はありません。

 心の底から参加してよかった、とそう強く思えるライブでした。楽曲にすべて触れたわけでも、これまでのライブを見たわけでも、セトリを知っているわけでもありません。

 ですが、そのリアルタイムで生み出されていく景色に、自分のただなんとなく……という生活が変わっていったのは間違いありません

蓮ノ空との出会いが、私の人生に花を咲かせてくれました。

 毎日がキラキラしていて、花帆ちゃんの言葉が今は少しだけ分かったような気がします。

活動記録第1話 『花咲きたい!』より

「好きってその気持ちだけで、どこだって花咲けるはずなんだ!」

活動記録第1話 『花咲きたい!』より

 自分の置かれた環境を卑下するのではなく、その環境でどう咲くか。そのことを教えてくれた彼女たちと出会えて、同じように時を刻み、想いを重ねていけることをとても嬉しく思います。

 これからの彼女たちの予想外のミライを一緒に見に行きたいと強く感じました。

咲き誇る大輪の花

 11月から始まった私と蓮ノ空との奇跡のような軌跡を綴ってきましたが、「ラブライブ!蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブ2nd Live Tour ~Blooming with 〇〇〇」の開催まで残り10日となりました。

 今でも思い返すことがあります。

 あの時、蓮ノ空と出会っていなかったら、どんなミライになっていたのだろうと。今の生活は、変わっていたのだろうと。

 それはあくまでも、「もし」「たら」「れば」の話です。

 この瞬間、こうして言葉を紡いでいるこの時間も彼女たちは息をしている。そこから目を離すなんて勿体ない、と思いませんか?

 私は、そう思うからこそ自分の「好きだ!」という気持ちを大切にしています。その気持ちだけで、今も咲こうともがき続けています。

 もしこの記事を見て、「私も、僕も……花咲きたい!」という想いを抱えていてるそこの”あなた”。

 その想い、信じてあげませんか?
 どこにだってあるそのヒカリを掴んで、一歩「せーので!」踏み出しませんか?

   私は、一緒に消えないその夢を見たいです。

 一人じゃないから、私もこの世界で花咲こうとする蕾を見つけることができました。

  それは、蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブのメンバーのおかげであり、蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブに携わる関係者のみなさんのおかげであり、出会ってくださった蓮ノ空のこと好き好きクラブのみなさんのおかげです。

 この場をお借りして改めて伝えさせてください。

 私と蓮ノ空を出会わせてくれて、ありがとうございます!

 そして、蓮ノ空のことを追い掛け始めて気付いたことがあります。それは、自分から飛び込んだ世界は面白いくらい好きになるってことです。

 誰かに勧められて……というのは少しあるかもしれませんが、最後の一歩を踏み出すのは、私自身。

  今回、その一歩というのがユニット甲子園であり、座談会が足跡となり、私のこれまでとこれからを結ぶ軌跡となりました。

 小さな蕾から、大輪の花が咲くまで、そう遠くはない気がします。

 いつか私の見たことのない、知らない、”あなた”の、”あなた”だけの花を咲かせることを願っています。

花咲くまであと10日——Blooming with YOU——

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