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MINMI/四季ノ唄【編集中】

夢の話だと処理していたことがある。
それを思い出すには不安でしかなかった。
鍵をかけるしかない夢と現実の齟齬に悩んで苦しんだ。

きっかけは何処だったのだろうか。

5歳に七五三に行った時、着付けがきつくて倒れかけた。それを支えてくれたのは三人兄弟の次男。
帰りの車内でうたた寝した時、出雲大社の境内にいた。
その時、私はよく分からずに歩いていた。
感覚としては迷子。
ふと、「あ」と声を上げた。
走り寄った先は私よりも年上の少年。途中ですれ違った少年もいたけど、気にもならなかった。
「君、目きらきらしとるね。なまえおしえて」
「おかあさんに知らない人になまえおしえちゃいけないっていわれてる」
「おれ、大倉忠義。きみのおなまえは?」
「猪俣舞」
「おれ、大きくなったら舞ちゃんと結婚する」
「じゃあ、わたしは大倉忠義くんのお嫁さんになる」
そんな約束をした。
でも、このままいたらここから出られなくなると思うと不安になった。
「お父さんとお母さんどちらにいらっしゃるの?」
と目線を合わせるように尋ねられて、私は咄嗟に指を指した。
「あっちにいるの」
そのまま、夢がはじまった境内の七五三縄の所に駆け寄った。

目が覚めると、やたらと次男の年齢を強調する両親がいた。でも、気になったのは長男の年齢だった。自然とあの夢の中で会った大倉忠義だと思った。年齢を聞いた私に、母は年の差のことを口にした。
でも、私の兄だって私と9つ離れているんだから関係ないのにとほけほけ笑っていた。

#ノンホールピアスと記憶探し

【編集中】

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