九州沖縄ブロック代表・長崎県立長崎北高校『アルキメデス・スリッパ―』(作、長崎北高校学芸部と福田耕)

全国大会出場校唯一の演劇“班”

長崎北高校は創部1年目での出場・・・しかも演劇部ではなく、学芸部の演劇班です。部員は現在7人で、部でないので部室などはなく、会議室や空き教室を使って練習しています。

たった3人からの挑戦

学芸部“演劇班”立ち上げの仕掛け人は顧問の福田先生です。福田先生はもとは演劇とは縁がなかったそうですが、7年前に行われた長崎総文の運営をきっかけに、長崎の高校演劇名門校・創成館高校の作品を観るようになり、演劇をやりたいなという思いをたぎらせていました。ただ、勤務する長崎北高校には平成17年の地区大会に出場して以来、10年以上演劇部がない状態が続いていました。そんななか、少子化による定員数削減のあおりを受け、新聞同好会と文芸部を統合する文化系の部活再編が校内で持ち上がり、学芸部が立ち上がることになります。福田先生は「学芸だったら演劇もできるだろう」ということで学芸部内に演劇班を立ち上げ、元文芸部の生徒、英会話部の生徒、バスケ部の生徒に声をかけて3人がそろい、演劇班の挑戦がはじまりました。地区大会、県大会、九州大会では、照明を先生が担当して、立ち上げからわずか8か月にして九州大会で最優秀賞を受賞、全国大会出場を決めました。ところが、たった3人しかいない部員の1人が九州大会の後に突然退部してしまいます。全国大会危うし!、となりましたが2年生2人が加入、4月には3人の新入部員が入り、3人芝居を4人芝居にして全国に挑む予定でした。WEB総文になったため、当初使っていた洋楽の曲が権利の関係で使えなくなったので、生徒が作曲してBGMにしました。

全国大会出場で部費が3倍増

部ですらなかったので昨年度の部費はたったの3千円。それで購入したのは、赤いタオルとスリッパでした。今年度は、昨年の活動実績が高く評価されて、350%増の1万500円に大幅アップしたため、今年はバミテを買うそうです。

あらすじ

バス停で待つ2人の男子高校生を軸に、勉強や部活、趣味などについてやり取りする中で、好きなものを好きといえることの大事さ、ひいては自分が自分らしくいることの大切さに気づいていきます。バス停のやり取りの中で主人公に起こった変化の末のラストシーンは強く印象に残ります。

作品はこちらからご覧いただけます。

https://www.websoubun.com/dept/theater/page/011.html

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