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舌切り雀と自他境界 その3

舌切り雀のお土産、小さいつづらと大きいつづらとは、なんだったのか?

再度、舌切り雀に戻る前に「フレーム問題」です。人工知能AIがチェスで人間に勝った!ニュースがありましたね。アッタマいい!このAIに、人生相談の回答者ができるかどうか?これが「フレーム問題」の一つのイメージ。人工知能とか難しそう!ってなった人、大丈夫。ロボットの研究してますって聞くと、

1・外からリモコンで操作する鉄人28号

2・中に乗り込むガンダム

3・自分の意思と感情を持ち、自分で考えて、行動を選択できる鉄腕アトム

3パターンしか想像できない私。このレベルしかわかってない私の話なので、たかが知れてますって。自分で自分を作ろう!とする時、アトムはどうやって作ったんだろう?とイメージしてみる話です。ちょうど、この絵本の感じ。


そして、本当に「僕のニセモノ」作っちゃった先生が日本にいます。人間そっくりのロボット作ることで「人間とは」を研究なさってる石黒教授。マツコロイドは有名ですね。興味があったら「ジェミノイド」で検索!教授の講演動画はすごく面白いですよー。


それでは本日の本題、「フレーム問題」とは?

「人工知能における重要な難問の一つで、有限の情報処理能力しかないロボットには、現実に起こりうる問題全てに対処することができないことを示すものである。」

はいはい、まずここで引っかかる私。「有限の情報処理能力しかない、ロボット」って、まるで人間には無限の情報処理能力があるみたいじゃないか!なのですよ。人間だって処理能力には限りがあるでしょ?

そして、フレーム問題の例として出されてるロボット!

1号機は洞窟からバッテリーと時限爆弾の両方を一緒に運び出しちゃって、チュドーン!(考えが足りなかった)

2号機は(考えが足りなかった)を生かして、何が危険かな?これやったらこうなっちゃう可能性は?等々考えてたら時間切れでチュドーン!(考え過ぎた)

3号機は(考え過ぎた)を生かして、考えないでいいものは捨てなくちゃ!やったら、考えないでいいものリストが巨大になり過ぎて、洞窟にも入れないでフリーズ!!バッテリーにも辿り着けなくて、フリーズからの機能停止。

もうねぇ、息子みたいで涙なしでは読めなかったですよ、チュドーン!そして自分も同じだ!って気がついた。処理能力には限りがあるんだよねぇ。

だけど、自分はどうやって「フレーム問題」をクリアしてるんだ?ってもなった。もしも私がこの指令を出されたら、いくつか確認する。「洞窟内なら爆発してもいいの?」「時限爆弾と距離を取れればいいのね?」「なら、爆弾は洞窟内に置いて、バッテリーだけ持ってこよう」「時間制限は?」それからの、よし、行ける!行くぞ!だな。確認ポイントを絞れちゃってるわけ。壁の色は関係ないから最初から無視できちゃってる。3号機みたいに考えないでいいものの洗い出しなんかやらない。これが「人間のフレーム機能」なのかもしれないな、って思った。

フレームとは「枠」なんだね。「この範囲」と決めちゃう、この範囲を「切り取る」こと、だ。言い方変えれば「ここは関係ないって無視できちゃう能力」でもある。人間のすごいとこは、ここのフレームを結構自由自在に大きくしたり小さくしたり、移動したりも出来ちゃうところなのかもしれない。処理能力には限りがあるんだってわかって、無視できちゃう範囲を自分で作っちゃえるとこもすごいんじゃないか?ここがあるから、無限の情報処理能力っぽく見えたりするんじゃなかろうか?

そしたら、チュドーン!回避のために、人間が練習したほうがいい事はこれかなぁ?って少し見えた気がしたんだね。「フレームを意識する事」だ!!

チェスのAIには、人生相談は無理だろう、だって、チェスってフレーム内のことしか処理できないもんね。自分の処理能力を意識して、自分のフレームに気が付いたら、余計なチュドーン!は避けられる確率が上がるんじゃないかな?と考えた。

ここで、やっとやっと舌切り雀の「大きなつづら、小さなつづら」に戻るのだよ、長かったネーー!!

大きなつづらからは、お化けが出てくる。「一人の人間」の巨大なフレームで見たらちょびっとの失敗でも、ちょっとされた嫌な事で、全部ダメー!イヤー!になっちゃう。そして失敗しない完璧超人なんてこの世にはまずいない。完璧だったら、完璧過ぎて鼻につく!ってそれも欠点になっちゃうかもしれないんだから。

小さなつづらからは、宝物が出てくる。「自分は、今回、これくらい」の小さいフレームなら、自分で対処出来る範囲に収まるから。そして自分が対処できた!の喜びと自信は、次に起こる事へつながって、その積み重ねが自分を作ることだから。学ぶ、学習するって言い換えてもいいかもしれないね、ここ。


舌切り雀のお婆さんは、お爺さんに対しても雀に対してもずーっと「大きいつづら」対応だったんだな。特に雀にね!「お腹空いて、つまみ食いしちゃった」フレームじゃなくて、「自分に対して不快な行動、攻撃的な行動を取った存在」の巨大フレームで対応してる。すると自分がバケモノみたいな行動を取れちゃうんだよ。舌を切るってさ「黙れ!何も言うな!お前の中身はどうでもいい!」って行動だからね。

小さなフレーム獲得練習には、「私は、今回、この件に対して」を頭につけてみるとこから始めるのがいいと思うんだ。「あんたは!いっつもいっつも!」は大きなつづら発言。「私は、あなたの今日のトイレの使用後に腹が立った」は小さなつづら発言。トイレットペーパーがなくなったのに補充してない!に関しての話し合いに有効なのは後者だな。大きなつづら発言は関係ない場所にあったはずの爆弾を作動させちゃうかも!だからね。

舌切り雀と自他境界は、ここら辺で。

次は、境界って言うけど、それじゃぁ、どうやって「自分の輪郭」を掴めばいいの?のヒントになりそうな話をしたいなぁと思っている。

では、また。

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