1/4(水)高飛車
三日坊主回避。
早速参りましょう!
令和五年一月四日。
晴れ。寒さ緩め。
新年最初のラヴィットの中継で富士急ハイランドへ。
3:45に迎えが来る。
早すぎる!と言いたい所だが、なにぶん我々は年末のラヴィットゴールデン特番でやらかしている。
知らない方はどうぞお構いなく。
お迎えなしでTBSに3時集合だったとしても正面玄関前で平伏して待っている所存だ。
また呼んでもらえたことへの安堵感と、もし今日しくじったらそのまま富士の樹海に飛び込もうという決意を胸にロケ車に乗る。
車内でさあ入念に本番のシュミレーションをするぞと進行台本に手をかけたその時、後部座席からおじさんの寝息が聞こえてきた。
三島が寝ている。
まだ高速にも乗っていない。
逆にかわいい。
おれも寝るわ。
目を覚ますと朝日に頬を赤らめる富士が車窓から見えた。
到着し着替えなど準備を整えディレクターと軽く打ち合わせし待機。
我々の出番はまず絶景ポイントからオープニング、中盤でFUJIYAMAスライダーという日本一長い滑り台、後半に高飛車というエグい絶叫マシンの3箇所だった。
結論から言うと高飛車はカットされた。
まずオープニング、直前で三島のマイクに不備がありめちゃくちゃバタバタする。現場の技術スタッフさんが「三島さんが生きてません!」と大声で叫ぶ事態に。三島さんの音声が生きてませんの事で、決して三島が死んでるという事ではない。
オープニングではスタジオの声が聞き取り難くやり取りが難しかった。たぶん色々弄って下さったりしたかもですがお応え出来ず申し訳なかったです。
気を取り直して次は滑り台。
すべり降りてからおもしろ4文字という難関。
いつもならやりたくないと思う所だが、しかし今日は年末の汚名を濯ぐ絶好の機会だ。
むささび、はるさめ、くるぶし、ぬかどこ、、さあどれにするかな。
手持ちカメラのセッティングをしながら思案していると急にスタッフさんが慌てて「中継来ます!」と叫びカメラが回り出した。
急遽スタジオの何かがカットになりこちらが想定より早まったとのこと。
バタバタしながら滑り台の説明もそこそこに押し出されるように滑り出した。意外と速い!怖い!
地上に降り立った僕は「むささび!」と叫びました。
滑る時にはマイクもイヤホンも外さなければならないので、この時点でスタジオ音声は聞くことができず反応も分かりませんでしたが、音声が繋がった時に川島さんの声で「見事な滑りでした」と聞こえた。
どっちの意味?
どっちの意味やったとしてもむささびは良くなかったんだという事はわかりました。
ぬかどこやったか、、
いやまだ俺たちには高飛車がある!
絶叫マシンで振り回され、降りてきてのコメントで全部取り返すんや!
そう心に誓って待機していると、向こうでスタッフさんが集まって何やら話し込んでいる。聞いてみると「高飛車カットです」と。
このまま中継は終了とのこと。
まじか、、
ある種、禊のつもりで挑んだこのロケだったのでなんとか盛り上げたいと思っていたけど、むささびでフィニッシュは無い。無さすぎる。
ちなみに三島はへらぶなでフィニッシュ。
がっくりしているとまたスタッフさんが来て「やっぱりエンディング10秒だけ中継来るみたいです!」と。
10秒!?どうする。
スタッフさんと話し合って決まった。
乗りましょう!高飛車!
中継が来た時にアナウンサーの南波さんが喋って、その後ろでコースターが発車して僕らが叫びながらそのまま消えていったらちょっと面白いかも!と全会一致で決定。
撮影機材を撤収していたため全員急いで高飛車のスタート地点に戻り中継に備え、僕らもシートに座りベルトと安全バーを下ろしていつでも行ける状態で待機。
スタジオではエンディングに向けてトークが始まった模様。
さあ来い。
10秒で決めてやる。
うわぁぁぁ!と派手に叫んで発車。
完璧にシュミレーションできている。
その時かすかに聞こえてきた、
「せーの、ラヴィット!」
番組終了。
時間が押しに押して再びこちらに中継が来ることはなかった。
静まり返る現場。
「せっかくですから行きますか」
と誰かが言った。
発車ベルが鳴り響き二人は高速で動き出したコースターの安全バーを強く握りしめた。
遠のく意識の中で富士山が綺麗だった。
これにて!
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