公認読手体験記~B級公認の部第2話

ボヤボヤしている暇もなく、ついに「公認大会」で読む機会が回ってきました。自分の地元、秋田大会が初仕事です。

しかし、B級公認読手ではABC級が入っている第一会場での読唱をすることが出来ませんので、DE級が入る第二会場の担当でした。


ここで、公認読手の区分があまり分からない方のために説明をします。
読手には、「専任読手」「A級公認読手」「B級公認読手」と3つの区分に分かれています。

専任読手:タイトル戦を含む公認大会等の読唱を務める
A級公認読手:タイトル戦を除く公認大会等の読唱を務める
B級公認読手:B級以下の選手がいる会場での公認大会等の読唱を務める

つまり、B級公認読手は、公認大会の場においてA級選手が戦う会場で読み上げることができません。読む対象に制限があるということです。
それで、DE級などの会場での読唱を担当するということになるわけです。


公認大会の要項は、大体、開催の2ヶ月くらい前に発表されます。要項には、基本的に担当する審判長と読唱委員(読手)が記載されています。
そこで、初めて自分の名前が載りました。
今まで「今回は〇〇先生が読むんだ〜」と眺めていただけの項目に、自分が載るようになったのかと思うとドキドキしました。

しかし、問題は読みです。
自分の読みは公認大会の場で通用するんだろうか。自分の音源を聞いて絶望していた所なので、大会に向けて練習しなければなりません。

また、大会に向けて気を付けなければならないことはもう一つあります。ズバリ、体調です。読手はよほどの事故がない限り交代することが出来ません。

※競技規定細則 第十四条(読み)
六 読手は、やむを得ない場合を除き、途中で交代もしくはその位置を移動する事はできない。

一試合全て読み切るまで、読唱台から離れることは出来ないので、一時間半近くの間、その場に立って読み続ける元気がなければならないのです。
そのためにも、体調管理はものすごく大事なワケですが、今までの人生の中でしっかり体調が管理されていたことが無く「その時に体調が良い状態に持っていく生活の仕方」をどうしたら良いのか、検討もつかなくて困りました。頭を絞ってとりあえず考えたのは

・喉が乾燥しないようにする
・鼻炎にならないようにする
・夜ふかしをせず早寝早起きを心がける

と、割と誰でも思い付きそうな感じのこと。
それでも気を付けないよりは気を付けるに越したことはないので、大会が近づくにつれてこれらに対する意識は大きく持つようになりました。

しかしそれでも、万が一ということはあります。それでなくても私は緊張するタイプの人間です。どんな不調が現れるか分かりません。なので緊急時の対応セットを用意しておくことにしました。
もちろんこれは個人差のあるものなので、本当に人によりけりですが

・水(500mlを2,3本)
・点鼻薬(鼻詰まり対策)
・のどぬーるスプレー(急な喉の痛み対策)
・龍角散ダイレクト(喉のケア用)
・口内炎パッチ(口内炎対策)
・正露丸糖衣A(急な腹痛対策)
・ゾーミック(片頭痛専用薬)

ほとんどお薬ですね。用法用量を正しく守って服用しましょう。

冗談みたいなことを書いていますがちゃんと本当のことです。
まず、アレルギー持ち(花粉症・ハウスダスト)なので、環境の違いで鼻炎になることはよくあるため、点鼻薬は手放せません。
喉のケアはやはり重要で、特に前泊しなければならない時などは、ホテルが乾燥していて、朝起きたら喉が痛くなっていた、なんてことが起こり得ます。
口内炎対策が必要なのは、元々口内炎を起こしやすいからです。前日にちょっとでも出来そうな雰囲気なら危ないので、即対応できるようにしたいです。
腹痛もよく起こします。緊張体質で、元々過敏性腸症候群を持っているため、体に症状が出やすいのです。特に、下ってしまうとシャレにならないので、持っておくと安心します。
片頭痛は持病です。これはもう気を付けてたらどうにかできるとかではない場合も多々あるのですが、専用薬なので、大会に限らず、常に対応できるよう、予め処方してもらっています。

健康な人はそこまでしなくても(せいぜい喉のケアくらいか)良いのでしょうが、私みたいにあまり丈夫でない人にとっては「体調を万全にして臨む」というのが何よりも大きな課題です。


読みの不安と体調の不安を抱えつつ、ついに公認大会に臨みます。公認読手というものは、体調との戦いだなと思う私でした。

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