公認読手体験記~B級公認の部第1話

未公認の部の記事以降少し時間が空いてしまいましたが、B級公認読手時代のことについて書き綴っていきたいと思います。


2016年11月の講習会で、無事B級公認読手に合格した私。委嘱状も届き、ホントに公認読手の道を踏み出したんだという実感が湧きました。私の県は他に公認読手がいないので、初の公認読手になれたんだという誇らしい気持ちもちょっぴり持っていたりしました。

しかし中には心無いことをいう人もいます。
「B級公認なんて誰でもなれる」
「公認読手とは言っても、あの人の読みはイマイチ取りづらいんだよね」
確かに私は「上手な」読手ではないかもしれないし、上手に聞こえる努力はしたいと思っています。でも読手だって人間です、言い方や言葉の内容によっては傷ついたりもします。
もちろん、100人の選手がいて100人に好かれる読みなんていうのは難しいことだろうと思いますが、それでも「さすがは公認読手だね」と言われる読みが常に出来るようでありたい。でも、それはなかなか思う通りにはいきませんでした。

思うような読みが出来るようになるには、努力する他ありません。
だから「どうして・どんな風に取りづらかったのか」ということについては勇気をもってヒアリングするようにしました。

中には「上級者(有段者)の前で読む経験をあまりしていないから、実戦的な読みに聞こえない」ということをいう人もいました。
とはいえ、当時の自分の会にはそれほど上級者(特にB級以上)がおらず、他会との交流も限りがあり「A級・B級の人を対象にした読み」の機会などほとんど得られませんでしたし、そういう環境だと分かっていて言われたことに対し、悔しい気持ちになったりもしました。

でも、そう言われてから「上級者にとって聞きやすい、取りやすいと思う読みってどんな読みだろう」と割と真剣に考えるようになった気がします。

批判を批判と取るかどうかは個人の捉え方なのかもしれませんが、悪意を持って相手を貶めようとして言っているわけではないのであれば、その言葉の中の一番重要な意見を吸い上げてみて、それが本当に必要なものなのかどうか考えることは大事なことだと思います。
そこで、まず「実戦的とはどういうことか」ということについて悩んでいた所、専任読手の先生から

「自分の読みで取ってみなさい」

というアドバイスを頂きました。
しかし自分が読んでいる時は自分が取れないので、どうしようかな~と考えた結果「自分の音源を作ってみればいいじゃない」という結論に至りました。
元々、パソコン関係のことを扱うのは得意な方なので、環境を作り早速録音してみた所・・・

最高に心が折れました。

何でしょう、自分の音源がこんなにペラい声に聞こえるなんて・・・
自分の発声力、こんなもんだったんだろうかと結構マジメに絶望したのですが、それでも自分の声に向き合わなければいつまでも前には進めないので、メンタルがボッキボキに骨折した状態になりながらも音源を作成。
ありあけ・わすらもち用のデータに変換し、自分の読みで自分がランダムに読んでくれるという、よく分からない環境が出来上がりました。

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試運転ということで会の子と共に取りを試してみた所、私自身はまったく取れませんでした。
まずは自分の声が聞こえてくる気持ち悪さと、気になる自分の発音のダメな所・余韻の切れ方などが気になってしまい、手が出ません。会の子は私の読みを何度も聞いているので、少しくらいの不具合はあまり気にしておらずバンバン取っていましたが、自分的には耐え難いレベルの読みだということを実感しました。

「このままではいけない」ということを改めて自覚し、読手としての技術向上について真剣に考え始めた私でしたが、公認読手にのんびり構えている暇は無い!
ついに「公認大会」の予定が入ることになるのですが・・・それは次回のお話しにて。

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