週末の終わりに

 恋人と公園でデートした。週末のせいあってか色々な家族がいた。「あの夫妻はなかなか若い」とか「きっとマンションが同じ子達が集まって遊んでいるのだ」とか「あの幼子たちが実は世界の終末を知っていたら」とかありもしない妄想を膨らまし続けた。なかなか白熱したことを覚えている。ふと、傾いてきた日を見て、”幸せ”なんて感情になった。名前のない感情ばかりで苦しんでいたのに、思い浮かんできたのは『幸せ』なんて言葉だった。

何についての感情だったのかはわからない。けれど、”幸せ”、だった。紛れもなく土曜日の公園で、私たちふたりは幸せだった。言葉にしなくとも共有している感じすらした。同じ気持ちだったら良いなと思った。でも、全然違う気持ちでいてもそれはそれでふたりだったのかもしれない。

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