見出し画像

2022/02/17 なにが自分に大事か

部屋が引っ越した後ばかりのような状況になる前は、
透明水彩やリキテックスのアクリル絵の具を使って主に絵を描いていた。
紙に色が染み込んでいったり、水で拡げたり、
ぼかして強弱をつけたりとか、
アクリルなら画面に凸凹を作って、そこへ引っ掛けるように絵の具をのせ
掠れ感をだしたり、
完成させる楽しみの他にも、
アナログならではの絵の具を使って描くことの楽しみがあった。

ここ数年はパネルへの水張さえもできないくらい部屋の中に荷物があって
住人の私は部屋の中に作られた道をちまちまと歩いている。

机はあっても、物が多くて、前までは少しよければ道具が広げられたのに
今はその避難場所がない。
うっかり水をこぼせば大惨事になる。

かけないことがストレスだった。
だからiPadで描くことにした。
何年経ってもあまり変わらないだろうと、自分の傾向は自分がよく知っているので
「いつか片付いたら」
なんてやってたらまったく描けないまま日々を送ることになるから。
それが一番最悪なことだと思っていて、すごく嫌で怖かった。

iPadでの描画はメインにはならないだろうと思ってたから
買っても思ったほど絵描きには使ってなかったiPad Proとminiを
一昨年くらいからYouTubeの海外の動画を参考に
デジタルペイントツールとして使い始めた。

そうするようになって、布団の中や体が辛い時横になるソファのところでも
イメージラフや下塗りは出来るようになった。
下絵の線描きやしっかりした描き込みは机に向かってやるけれど、
しんどくて横になるしかない日でも、何かしら描けるというのは
気持ちを楽にしてくれたと思う。

そのかわり部屋の中のものは動きなく鎮座してしまっている。
退かして道具を広げられるスペースをとらなくても、
私が1人座れる場所があれば色まで塗れてしまうようになったから。
絵のために片付ける必要がなくなってしまった。

機能的な部屋に戻るにはまた遠くなったけど
部屋のもののせいで何もできない、
かけない、と悶々とするよりは
心は健やかだ。

サポートで日々の制作時間が増えます。どうぞよろしくお願いします