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1 七曜工房の笛~その3(素材)

当工房では、加工し易く、耐久性と強度のある竹と木を使います。
竹は、女竹と真竹。木は広葉樹も針葉樹も使います。サクラ系、ブナ、カエデ系、ヒノキ等です。サクラ材は、建築では敷居に使われたりして硬材の仲間に入れられますが、笛では軽軟な方です。ヒノキは軽軟で割裂性もあって、笛としての加工はかえって難しいのですが、和の雰囲気を出したい時に
使ったりします。素材の違いにより音色に差が出るように思われますが、バイオリンが本体の木の振動が音色に直接影響するのとはちがい、笛は
管の中の空気柱の振動により音が出るため、竹であろうと木であろうと、また木の種類が何であろうと違いはないとされています。
音色は、素材よりも管内の平滑性が大きく影響します。
管内に塗りを加えないケーナはかすれた枯淡な響きがしますが、しっかり漆が塗りこめられて平滑になった管内面を持った尺八は倍音を多く持つ、艶のある豊かな音色が出ます。
とは言っても、経験からすれば管厚の薄い女竹を使って作った横笛は、強く吹くと管が振動するのが感じられ、音色は強い竹の響きがします。
木の種類によって、音色の違いが分かると言う人もいますので、笛というのは、特にこういった手作りの笛は、一本一本が違う音色を持っているのだと思います。聴き分けられるかどうかは、その人次第かもしれません。



1 七曜工房の笛

2 素材



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