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3 五線譜と絶対ドレミ・相対ドレミ


五線譜

五線譜は音の高さを表す図であり、並んだ線は、一定間隔ではあっても、 そこに置かれた音符の音の高さは一定間隔では並んでいません。 ドレミファソラシドの音階は、それぞれの音の間隔は、 ド-1音-レー1音-ミー半音ーファー1音-ソー1音ーラー1音-シー半音ードです。数学的には、一定間隔の線が並ぶとそれぞれの間隔は特別な明記がない限り一定ですが、ここでは一定ではありません。ミとファ、シとドの間は常に半音なのです。
次に音の名前ですが、音の高さを示す名は、音名であり、イロハやABCを使いドレミは使わない。ドレミは相対的な音の並びを示す音階を表す時に使い、階名という。と言うルールがあるのです。
ところが実際には、ドレミは音名にも階名にも使われるため、混同が起きて、話がややこしくなるのです。ここで、改めて言葉の定義をハッキリとしておく必要があります。
違う考え方として、ドレミを使わずに数字を使うといった方法(数字譜)等もありますが、なじみあるドレミという言葉を捨てる必要はなく、うまく使えば充分に理解できると思います。
ドレミが音名のハニホやCDEのように、絶対高さと一致する場合は、絶対ドレミ、絶対高さと一致しないが相対的にはドレミと並んだ場合は相対ドレミと呼ぶことにします。

ここに表示した五線譜は5本線の左側にト音記号がついたものです。
音部記号もこの他にもいくつかあって、五線譜をわかりにくくしているのですが、ここではこの見慣れたト音記号譜を金科玉条としてください。
5本線の上から4番目の線にト音記号の渦巻きの中心があって、この線がト音(G音、絶対ソ)を示す譜です。そこから、ファミレドと下へ降りて行けば5本線より下の短い線上に音符があって、これが絶対ド音になります。
下段⚫(黒)音符のドレミ音階は絶対音を示したドレミ音階なので絶対ドレミであり音名になります。同時に相対的なドレミ音階でもあるので、階名にもなります。上段の⚪(白)音符の音階は、絶対ドレミで言えば、ソラシドレミファ#ソですが、⚫(黒)音符の音階より少し高めのドレミファソラシドときこえ、これは相対ドレミということです。このあたりで、先述した横笛G管の話と似通ってきました。

―閑話ー

インディアンフルートと尺八
インディアンフルートは北米ネイティブアメリカンによって伝えられたペンタトニック(5音音階)のたて笛です。指孔は前面に5つ~6つあって、相対ドレミで、ラドレミソラやラドレミファソラと鳴ります。ラドレミソラは世界中に広がる5音音階です。日本にもあります。
日本施法は都節音階、律音階、民謡音階、沖縄音階の4つがありますが、この中の民謡音階がそうです。ドミ♭ファソシ♭ドです。これは、ド・1,5音・ミ♭・1音・ファ・1音・ソ・1,5音・シ♭・1音・ドの間隔で並び、ラ・1,5音・ド・1音・レ・1音・ミ・1,5音・ソ・1音・ラと同じ並び方です。インディアンフルートの音階は日本の民謡音階と同じなのです。
このインディアンフルートと同じ音階の並びを持つ笛が日本にもあります。尺八です。尺八の標準管の一尺八寸管は絶対ドレミでレファソラドレと並んでいます。これも間隔を調べると、1,5音・1音・1音・1,5音・1音と並び、やはり民謡音階やインディアンフルートと同じです。音高はちがいますが、相対的には同じ間隔で並んでいます。インディアンフルートは標準サイズは筒音がFやF#が多いようですが、低音管が欲しくてD管を作ったことがあります。F管と同じように指孔をあけていくと管が長い分指孔間隔が広がって指押えが難しくなったので、前面5孔の一番上の穴を裏へまわそうとしたことがありましたが、この時「あっ、これは尺八だ」と思いました。表4孔。裏1孔はまさに尺八でした。最終的には指孔の大きさを工夫して何とか前面5孔で収めました。笛は世界中でつながっています。





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