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2 6孔笛を吹く

当工房で製作する笛はほとんどが6孔笛です。
笛の表側に6個の指孔があいています。7音音階笛としては必要最小限の指孔数です。2オクターブ目は1オクターブ目と同じ運指でオーバーブロー(吹き越し、強めに吹く)すると出ます。とても運指が簡単で早く上手に吹ける笛です。
ヨーロッパでは木管楽器の基本は右手中央の指3本と左手中央の指3本が押え指とされていて、指孔数は6孔が基本となっています。6孔笛には、16世紀のルネサンスフルートやファイフ、17世紀のフラジョレット、現代では、ティンホイッスル、アイリッシュフルート、篠笛(6孔式)、ケーナ(裏穴を除く)等があります。
構造や管種(管の長さ)が違っていても、押えた指を下から開けていけばどの笛もドレミファソラシと鳴ります。この運指を覚えておけばどの笛ででも楽譜を見て楽曲が吹けます。しかし音高は楽譜通りには鳴っていません。C管以外は全体的にC管より高かったり低かったりします。実音では鳴っていません。実音でなくてもこれで一人で充分に楽しめるという人もいるでしょうし、いや実音で鳴らしたいし、合奏もしたいという人もいるでしょう。こんなプリミティブな構造の笛でも実音で鳴らしたり合奏したりできるのでしょうか。
できます。その方法と楽しみ方をこれから順次述べていこうと思います。

今、手にしているのがオリジナル横笛のG管だとします。
笛を持って、全部閉じた指孔を順番に下から開けていくと
ドレミファソラシとG(ト)調のドレミ音階が鳴ります。
(吹き方のテクニックについて教則本等をみていただくとして)
ここでは、キレイな音が出ていると想像してください。
これを楽譜を使って説明すると、

下段⚫のC(ハ)調を見てドレミファソラシドと吹くと
上段⚪のG(ト)調がソラシドレミファ#ソと鳴り、
それもドレミファソラシドと聴こえたということです。
G管の笛というのは、C管の笛より常に3音半高いので、
鳴るドレミもすべて3音半高く鳴るのです。
ここまですんなりと理解できた人は次の文は飛ばして、
その次へ行ってください。
ちょっと待って、なんだか少しわかりにくいなぁと思った人は
このまま読み進めてください。
音の高さを表すのにドレミを使いますが、
このドレミには絶対的な音高を示すドレミと
相対的な音の位置を示すドレミがあることに注意する必要があります。
楽譜や移調等という言葉を聞いて我々音楽素人が逃げ出したくなるのは
このドレミの混同が大きな原因の一つであると思います。
もう一つ音楽理論を嫌いにするのはドレミの並び方が一定の間隔ではなく、
1音・1音・半音・1音・1音・1音・半音と並んでいることです。
このことで音を上げ下げする♯や♭の記号が乱れ飛んで、我々は混沌たる楽譜の世界に引きずり込まれてしまいます。逆にこの二つのことを常に頭に入れておけば、時々混乱はしますが混沌に落ちることはないと思われます。
次に進む前に、五線譜の初歩を今一度見ておきたいと思います。


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