ピータースのコイントスを総当たり

ピータースのコイントスというものがあるらしい↓

↑によると100人で投げると得するけど、1人で100回投げると損するそうな。
…いやいやいや、そんなのぜったいおかしいよ!
というわけで総当たりしてみる。
あ、12回までにしてね(100回投げたら10の30乗超えちゃうから)。

うん、やっぱり期待値はプラス (1.05のトス回数乗) だね。
勝ち負けで言ったら負ける確率の方が高いけど!

GIGAZINEのトス500回の例でも200回目以降はウラに片寄っており、400回目では10のマイナス15乗付近になっている。
もし、10のマイナス15乗前後だとしたらウラは214~215回出ており(*1)、ウラに片寄ることがあるなら、オモテが215回出ることもあるだろう。
…いやまあ、215回オモテが出てもマイナスなんだけどね。
100回ウラが出る間に126回以上オモテが出ないとプラスにならない(*2)。

それでも「個人の富はゼロに近づくことが保証されている」("individual wealth is guaranteed to approach zero" をグーグル翻訳)とは言えないでしょ。

そういうわけで

1人が100回投げようと、
100人が100回投げようと、
期待値は同じ1.05の100乗倍。

100人で10回ずつ投げようと、
1人で10回投げて利確/損切りして翌日また100ドルからを100日繰り返そうと、
期待値は同じ$${ 100 \times 1.05^{10} \times 100}$$ドル。

まあ、このルールで期待値がプラスなのに勝ち負けでは負け越す確率が高いと直感で気づくのは難しい(しかも1, 3, 5, 7回では五分五分というトラップ)というのは教訓かな。

(おしまい)

注釈

(*1) ウラは214~215回出ており
この時点でのウラの回数を n(自然数)とすると↓

$$
1.5^{(400 - n)} \times 0.6^n = 10^{-15}\\
\frac{1.5^{400}}{1.5^n} \times 0.6^n = 10^{-15}\\
\frac{0.6^n}{1.5^n} = \frac{10^{-15}}{1.5^{400}}\\
(\frac{2}{5})^n = \frac{10^{-15}}{1.5^{400}}\\
\log_{0.4} 0.4^n = \log_{0.4} \frac{10^{-15}}{1.5^{400}}\\
n \fallingdotseq 214.7\\
$$

(*2) 100回ウラが出る間に126回以上オモテが出ないとプラスにならない
ウラの回数 n(自然数)の x倍オモテが出て利率が 1倍になるとすると(ちょっと遠回りか?)↓

$$
1.5^{xn} \times 0.6^n = 1\\
(1.5^x)^n \times 0.6^n = 1\\
(1.5^x \times 0.6)^n = 1\\
1.5^x \times 0.6 = \sqrt[n]{1}\\
1.5^x = \frac{1}{0.6}\\
\log_{1.5} 1.5^x = \log_{1.5} \frac{1}{0.6}\\
x \fallingdotseq 1.259 851 004 565\\
$$

(以上)


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