推しとステージの話


はじめに。

大型アップデートから半年間、悩んで悩んでようやく心が固まったので筆を取りました。

ずっと誰にも話せなかった気持ちをここに記録させてください。誤字脱字、おかしな表現等あるかと思いますがどうかそっとしておいてくださると嬉しいです。

起承転結が何も無い、本当に自己満足で書いた文章です。また、イベントやメインストーリーのネタバレも含みますので、閲覧される際はその点ご理解の程よろしくお願いいたします。



私は大神晃牙くんが好きだ。好きになったきっかけを話すと長くなるので割愛するが、アプリをインストールしてからの約五年間、ずっと彼のことを応援してきた。

毎日必ずログインして、ライブやコラボカフェにも足を運んで、グッズ代や課金のために毎日働いた。「二次元なのに」と言われることもあったけれど、好きな人のためだったら本当に何でも出来る気がした。あんスタがあったから辛いことも乗り越えられて、あんスタという共通の趣味があったから仲良くなれた友達もいる。あんスタは、大神晃牙はまさに私の人生だった。


そんな中迎えた新章公開。

Trickstarと共に奔走した日々とはまた違って、新人アイドルの立場から見るあんスタの世界はとても新鮮だった。時間が動き出すということに不安はあったものの、これからどんな新しい一面が見られるのだろうという期待も大きかった。

しかしその期待とは裏腹に、私の推しは突然ステージから蹴り落とされた。


「俺様は全力で歌うためにアイドルやってんだ!」

これはあんさんぶるスターズ!時代のスカウトにおいて、晃牙の☆5演出時に登場する台詞である。

歌うために憧れの人を必死で追いかけて追い付いて、やっと掴んだ夢のステージから落とされた晃牙くんは、あの時、何を思ったのだろうか。

UNDEADを楽しみに待っていたファンの目の前であんな卑劣な行為をされて、本当に「プライドは傷付いたけど」で済んだのだろうか。

これはただの戯言だが、ステージから落ちた後に続く「独りじゃ舞台に上がれない」という台詞を深読みしてしまって胸がいっぱいになった。

とにかく苦しかった。相手はほとんど情報が無い新キャラクターだったけれど、心の底から憎いと思った。そしてそんなふうに大好きなアプリの、まだ良いところすら知らないキャラクターに対して「憎い」と思ってしまう自分が嫌だった。

何よりあんスタの世界で、このような暴力を目の当たりにするとは微塵も思わなかった。二次元に普通を求めるべきではないのかもしれないが、この時ばかりは法律という言葉が頭を過ぎってしまった。

このストーリーを読んでからしばらく、私はあまりのショックにまともにご飯を食べられず、毎日泣いた。マイルームにいる推しを見るのが辛くてアプリを開くこともできなかった。今でも思い出す度に涙が出てきて、胸が痛くなる。

それでも何か目的があったのかもしれない、と思いなんとかメインストーリーを最後まで読んだ。結論としてあの行為はあくまでパフォーマンスであり、推しは怪我ひとつしていなかったことが分かった。しかし、推し以外にも傷付けられていくユニットやアイドルを見るのは本当に辛かった。

さらに追い打ちをかけるように「『過激で背徳的』はすっかり『Crazy:B』のものだ」という台詞を目にした。私はいたずら好きなこの子も大好きで、人の痛みが分かるからこそこんな冗談は言わないと思っていた。しかもそれに対しての返答は

「『UNDEAD』にもその肩書きが煩わしいみたいだったし」

私はふと「あ、だめだ」と思った。この時崩れてしまった"なにか"はきっともう元に戻らない、そんな気がした。

実際にUNDEADのメンバーが言っていたわけではない。でもだからこそ、これがUNDEADの本心なのではないだろうか。

私の好きな『過激で背徳的』なあのユニットは何だったのか。

五年間(彼らにとっては一年間だが)、ずっと私たちの気持ちを押し付けてしまっているだけだったのかな。

「ファンに支えられて」

「ファンと一緒に」

そんな言葉もぜんぶ私たちが言わせてしまっていたのかな。

晃牙くんのつくったUNDEADは、誰のために存在しているの?

どこまでが"本当のUNDEAD"で、どこからが私の"理想のUNDEAD"だったのか、考えれば考えるほど感情がぐちゃぐちゃになって、泣きたいのか笑いたいのか怒りたいのか分からなくなった。

推しがステージから落とされたあの日から、UNDEADを見失ってしまったあの日から、

私は推しを追いかけることが怖くなってしまったのだ。


そのあとUNDEADのすれ違いや晃牙くんの悩みを取り上げたストーリーが公開されたのは知っているし、実際に私もイベントを走ってスカウトを回した。

けれどあの時のショックがどうしても頭から離れなくて、一瞬でもそんな風に思わせてしまったことが申し訳なくて、該当ストーリーを読めないまま今日まで来てしまった。


ある俳優さんが言っていた。

「推しを推すことが義務になってしまったら、それはもう推しではないよ」

と。

実際に"推し"と呼ばれる立場にいる人からの言葉はとても説得力があった。

私は、もう晃牙くんを"推し"とは呼べなくなってしまった。


正直一連の騒動以外にも大型アップデートに関して言いたいことはたくさんあるが、私は今までアプリゲームやその他の二次元という世界について、常に「公式がなければ存在しない」というスタンスで生きてきた。もちろん違う考えの人もいると思うが、とにかく私の中では「公式が絶対」なのだ。

本当はどのキャラクターにも同じように声援を送りたい。しかし他のどのコンテンツよりも深く長く追いかけて来たあんスタにおいて、私は良くも悪くも一人のプレイヤーではなく、大神晃牙というアイドルのファンになってしまったのだ。

好きな人が傷付けられたことが悲しくて、見方を変えれば「成長」とも呼べる彼らの変化にすらついていけない自分にも嫌気がさした。


今は当時より随分冷静になって、相手にも相手なりの考えがあったのだということは理解している。『Crazy:B』には『Crazy:B』の良いところがあるのも頭では分かっている。

しかし"一人の大神晃牙ファン"としての私は、晃牙くんと相手がこの先同じ壇上に立つことがあったら、きっと怖くてステージを見ることができないだろう。何よりそんな気持ちで客席に居るのは、アイドルたちにも、ファンの人たちにも申し訳ない。

だからひとまず、私はこれから公式が展開していくであろう"大神晃牙の人生"に着いて行くのは辞めることにした。

ただ、晃牙くんのことが好きだという気持ちはとてもじゃないけれど捨てられないので、しばらく蓋をして心の隅で温めておこうと思う。

そしてこの先私がもっと大人になって、もしもまた"大神晃牙の人生"と交差することができたのなら、その時は今まで以上に全力で彼を応援したい。



さいごに。

晃牙くん、五年間好きでいさせてくれてありがとう。

大きなミスをして凹んだ時も、人間関係が上手くいかなくて悩んでいた時も、晃牙くんの歌に、言葉に、いつも励まされていました。

初めてステージ上で歌って踊るあなたを見た日のこと、一生忘れません。

これからもキラキラ輝く、眩しいアイドルでいてください。


本当に大好きでした。

またどこかで会う日まで、さようなら。