爆竹が鳴る夜に(スペイン生活エッセイ)
レストランでの仕事を終えた私は、いつも通り「Bicing」という公共の共有レンタサイクルで帰宅をするはずだった。
深夜12時は回っていたし、その時間帯にバルセロナの街に歩いているのは少し危ない。何より疲れて早く寝たいと思った。
店から5分ほどのところにある、いつもの自転車置き場に行くも、自転車が全くない。
あら、どうしたのかしら、と次に近い自転車置き場に行っても故障した自転車があるだけだった。
「あら〜、なにかあるのかしら」
その日は土曜日の夜で、スペイン人たちは飲みに