人のスマホは見ないほうがいいと学んだのち、扇風機が炎上した話

その日は就職活動の面接のため暑い中スーツを着て田舎の自宅から、特急料金を支払って出掛けた土曜日だった。

集団面接の内容は散々。私なりに喋らない人に話を振ったり、意見も述べたり頑張ったつもりだったが、おそらく面接官が求めている物ではないだろうなという空気を感じてしまった。

実際結果は不合格。悲しいけど納得した。

そんな日に自宅に帰ると父親用に頼んでいた格安SIMが届いていた。親の携帯関係の手続きなどは小さい頃から私がやってきた。毎回の流れとして、父からSIMの入れ替えを依頼され引き受けた。

「うーん、うまく行かない」

接触不良なのかSIMはちゃんと入れているのに読み込まない。

色々動かすうちに間違えて新着メールを押してしまったんだ。あの時。

母親の名前でやり取りしているが、家族でのやり取りはLINEが中心のなな宮家。親密なやり取りといい、察してしまった。




こいつ母親と同じ名前の相手と不倫してるんですけど。

そう言えば最近週末よく出掛けてるよなと思った。父親の行動にあまり関心がなかったが、言われてみたら可笑しい、おかしい。

正直父親のこと真面目に考えたことがなかった。地味な人でそのまま定年迎えて死んでくんだろうなと思っていた。

病気ガチな自分を養ってくれて文句なんてなにも無かったが、自分の知らない親の一面かつ母親と同じ名前は衝撃だった。

その後SIM入れ替えは上手く行きスマホを返したが、人のスマホなんて見るもんじゃないなとか、色々な事を考えながらぐるぐる回る脳内。

面接疲れもあり眠りについたが

バチッ

という音で起こされた深夜2時。

眠い目を擦ると付けていた扇風機が青い光を放っていた。

冗談抜きで私はこのまま死んでしまうんじゃないかと考えた。

幸いにも扇風機の断線と近くのカーペットなどが燃えただけで燃え広がらずに済んだが、一日であまりにも色々なことが有りすぎて混乱してしまった。

割と色んな経験してきたつもりだけど、一日で盛り沢山すぎてどうしていいのか、分からなくなってしまった。

親に頼らず立派な大人にならないといけないし、いつ死んでも後悔しないように生きていきたいと強く強くなりたいと感じた土曜日。

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