黒田夏子とTONOと性別とあとちょっと英語不自由ですねみたいなそういうなにか

チラ裏~~~~!!!
この間テレビで「家の外壁にものすごい量の文字を書いてる人」ってーのがやってたけど、「ようするにSNSですね…!!!?」って思った俺です。メモだけど日記だけどなんかこう人に読んでもらいたいみたいなのあるよねネットがあればネットに書くけどそうでなければ掲示板だったりノートだったりあるいは外壁に書くよねーーー!!!というのでSNS依存症の俺はものすごく共感してしまったのですけれどもSNSユーザーのほとんどはあの外壁にメモ書く人とそんな変わらん気がした今日このごろでしたそんで本題。

TONOさんの「砂の下の夢」読んだんですよていうかこれ以降完全にネタバレだから未読の人間は読んだらダメですよ当たり前だけれどもそんで砂の下の夢なんですけど登場人物、主役2人(3人)の性別が不明なまま話が進むんだけれどこれ「隠してるのが伏線で、きっとそのうち明らかになるんだろうな……」って思ってたら明らかにならないで終わったのでびっくりしちゃったんですよそんで後書きには作者も性別決めてないし「性別決めなくてもお話て書けるんですね」とか書いてるの。やばい。なにそれ。大好き。ただこれ欧州の言葉?印欧語族?何?に翻訳するのは無理なのかしら?とか思ったのね。だって動物にもheとかsheとかつけなきゃならんじゃん?不便~~~~!!!よく絵本なんかを英語→日本語に翻訳してる英語話者の方なんかが、日本語だと性別のないキャラクター(桃太郎のお供のキジサルイヌの性別とかどうでもいいわけですよ)ですらhe/sheになるから意味が変わっちゃうっていうのがあって、「えー、そんなもんitでいーじゃーん????」と持ってしまうけど独語圏の人にes(it)はダメですって言われた。いいじゃん、冒険しようぜ言語ォ!!??
で、話戻って、TONOさんの漫画の後書き読んで「それってなんて黒田夏子…!!」って思ったのです俺は。大好きなんですよ黒田夏子。芥川賞取ってるし知ってる人は知ってると思うけれどあの受賞作、キャラの性別不詳なんですよねそんでわざとそうしてるんですよね蓮實重彦がインタビューで聞いてた気がするでもあれアマゾンレビューとか見ると「父と娘」って書いてる人めちゃくちゃ多いんですよね実際そう読む人が多い書き方だとは思うけれども決定的なことは書いてないんだよねそして日本語なので「彼/彼女」なんて言葉使わなくても小説書けちゃう~~~~ビバジャパニーズ~~~。この人の他の作品、「感受体のおどり」にしてもそうで、あれもキャラの性別わからないんだけれども、こっちは正直「無意識のうちに当てはめて読んでしまう(abさんごを父と娘だと読んだように)」ということも難しいのでもう俺は「全員女だろう」と思って読んでいるいやそれだと子供できなくなるので俺の読み方もカオスなんだけれども自分が女なので全員女だと思って読むのは自然なことでしょう、というのは極端な話なんだけれども、青折とか走井とかは男性っぽいなと思うので相対的に主人公が女性なのかなと思うんだけれどもそうやって読むことを月白が拒むわけですよ月白が女なら男なのかっていう冒頭の…待ってこれ記憶で書いてるからセリフ違うかもしんないでもそういうことですよ、はあ、好き。
黒田さんは「小説だからできること」だよなー、これに絵があったら…とか思ってたけれども、漫画でもできてしまうのね、TONOさんのはあの中性的なイラストだからできることなのよね…。とはいえ俺が子供の頃読んだ漫画はけっこう男女入れかえものだったり男だと思われてる女性だったりの話多かったな、あれはあれでブームだったのかしら。
とはいえ。「そこ(性別)書かないんかーい!決めてないんかーい!!」というのが通用してしまうのは、TONOさんの作風ゆえだよなあ……って、最近になってカルバニア→チキタ→アデライトと読み勧めての今なので、すげえニワカの感想です。mixiとか見ると昔からのファンや同人作品も持ってますみたいな人ものすごくいるもんね、たぶんTONOさんを知ったのはチキタ・グーグーの連載中だったはずなのに、なんでこんなに読むまでに年数たってしまったのか…。紙本手に入らなくなってんじゃん…。再販してよ…なんでよ…あとなんでチキタ・グーグー、キンドルやレンタやDMMにあるのにHONTOにないのよ…。HONTOで揃えようとしてたのにバラバラになっちゃったじゃん…。電子書籍事情ほんと意味わかんないんですけど…。誰か出版社の中の人でも電子書籍の中の人でもいいから教えて下さい…。

日本語のさー、好きなところってさー、主語が省略できることと人称の性別がぐしゃぐしゃでもOKっていうことなんだよなー。一方で一人称表現多すぎてキエエエエエってなるのはなるんだけれどさー。俺の故郷は農家なのでじーさんの妹なんかは一人称「おれ」だし、落語の師匠なんかは「あたし」だし、そういうゆるいの、いいよね。それに対して英語めんどくさいよねー。英語だけじゃないんだろうけれども。なんかね、作家、誰だっけ、英語圏の、思想家?作家?忘れちゃった、有名な人で、女性で、インタビュー集を本屋で見かけて立ち読みしたんだけれども、「書いてるときはあなたは男ですか、女ですか」みたいな会話してて、なにそれーっていう。そんで、小説の中で性別をゼロにはできないみたいなこと書いてて、うわー英語超不便ーって思っちゃったのねー。
でも、私よく知らないんですけど、仏語なんかも中央で言葉とりまとめるまでは主語省略するの当たり前だったみたいな話を津島佑子のエッセイでちらっと読んだ気がするんですけれどももしそうなら仏語のhe/she(仏語でなんというか知らん)もお上というかお国というかが定めたというかルール化したものなのでは?みたいに思ったんだけれど言語よくわからないので気が向いたら調べたいですね。日本語の標準語が人工的なものだというみたいな話よね。東京下町の「あたし」という男とか、俺の地元のばあさんたちが「おれ」というのが、まるでないものになってるみたいな話よね。ていうか俺が読んだ英語からの翻訳本は二人称小説だったから、性別とかなくなってた気がするんだけれど別に英語でも書き方次第でどうにでもなるよね三人称単数使わない小説って可能じゃないのかねそういうことじゃないのかねよくわかんないや。黒田夏子の小説を翻訳したときに、hisとかherとか使われたらもう黒田夏子小説の面白さが半減してしまうしTONO作品にしてもそうだよなー、日本語は日本語で敬語だったりなんだったりと不自由なところが多すぎてイライラモヤモヤするんだけれども、文学やフィクションにおいて性別ぶっこわせるのは好きですし前書いた「盆土産」のように語り手を行方不明にできてしまう主語の省略は好きですわ。ようつべで「ぞうは鼻が長い」という言葉の主語はという問題出てきておもしろーいと思ってたけれども、英語できない俺からすると英語やそれに類する言語の謎の「it」もカオスだよ!指示代名詞の使い方も微妙にちがうしさー!ドイツ語、「そっち」と「ここ」がどっちも「da」だったりしない?俺の気のせい?独語話者の友達の日本語聞いてても、「それ/これ」というべきところを「あれ」と言ってることがよくあって、あれはこそあど言葉の線引が日本語と違うのかしらと思ってるんだけれども「間違ってるよ」と指摘するのもアレだし俺もドイツ語できないしでそのままになっている。はー、読むものが偏りすぎてるので小説で「彼」とか「彼女」とか言うてると中上健次かよってなっちゃう。初期の。
なんかツイッタの翻訳ネタでバズってるのよく見るけど、性別分けない言語って他にも普通にたくさんあるんでしょ?三人称に性別のない言語ってけっこうあるんでしょ?ていうか、欧州言語って手話にも三人称の性別あるんだろうか。そういや調べたことなかったな、ググってみよ。
さーて、吐き出してすっきりしたので仕事にもーどろ。

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