三浦哲郎の「盆土産」がヤベェという話をしたい

チラ裏!
チラ裏って前置きしてネット上に書くのやめろよって自分で思うんだけど露出狂なんだよごめんね!本の話は本の話でブログかなんかにまとめようかなと思ってるんだけれども基本半年坊主だから続かないんだよねnoteの過去ログもそんな感じだしね…興味関心が移っていくので特定のテーマでブログができないんですよそんで今は盆土産の話がしたいんですよ、前置き長いね!

みんな~~!!「盆土産」って知ってるかーい!!!
実は俺は大人になるまで知らなかったんだけれど、これ中学の教科書に載ってるから知ってる人は知ってるのよね、メロスみたいな。メロスとヘッセと魯迅は全教科書に載ってるから基本的にみんな知ってるんだけど盆土産は載ってたり載ってなかったりするから採択教科書によりけりなんだけれども、何がやばいってこれ、人称がないんですよね…。
人称がないって表現であってる?ちょっと知識ないのでなんて言ったらいいかわからないんだけれど、一人称小説でも三人称小説でもないんですよ。
んでここから俺の適当な知識で人称についてぐちゃぐちゃ書くんですけれども、人称を使ったアレだと、例えば乙一のデビュー作が「一人称神視点」で話題になってたと思うし、二人称小説なら重松清の「きみの友だち」、藤野可織の「爪と目」(しかし「爪と目」は、「あなた」に語りかける形になっているので、私はあれを「二人称小説」とするのは違和感があるんだけれども、「あなた」で書かれててもその視点とか語り手がどこにいるかで全然意味合い違うよね。手紙風小説なら「あなた」で書くのは違和感ないと思うし、って書いてるけどどちらも最後まで読んでないです前提条件間違ってたらごめんね!あと二人称だと「80年代アメリカ女性作家短篇選 」の「小説家になる方法」(だっけ)が秀逸だったんだけれど、でもそもそもあれ翻訳小説だから原文でYOUになってるんだろうか?というのがわからない。日本語だと最高にクールな「二人称」になってたし、「あなた」はこちらに向かってくる「あなた」であったと思うし俺はそう読んだ)ってカッコ内が長くなってしまって切りどころがわかんなくなっちゃったので無理やり戻すね!あと京極夏彦作品で「三人称だと思ってて読んでたのに最後に急に一人称出てきたよこええええ!!!」っていうのあったよね、あれは叙述トリックって言うんだろうか…?ミステリ好きな人に「叙述トリックとは」って説明してもらったんだけれども忘れてしまった。違ったらごめんなさい。
で、話戻って盆土産。あれ、人称がないんだけれども、怖いのは「一読しただけじゃ人称がないことに多分ほとんどの人が気づかないし、そんなヤベー作品が教科書に載ってるし、多分学校の授業ではそこの点は触れてないんじゃない?」っていうことなんですYO!!!

しかし。重松清の「きみの友だち」は多分入試や問題集で使われてた気がするので、まあ教育教材もそのへん攻めてるっちゃ攻めてるんだよな、いや何を持って攻めてるというのかもわかんないけど。それはそれとして。

ちょっと、マジで読んでみてほしいんだけれども、あれ、視点がどこにあるんだろう、話者、語り手がどこにいるんだろうっていうの、「ぼくは」としても文章としては成り立つんだけれども、「盆土産」の「語り手」は、「ぼく」ではないというか、「ぼく」なんだけれど、絶妙に、リアルタイムの「ぼく」ではない、なんかこう、「ぼく」の背後にひっつきつつ、「ぼく」よりも年上の「語り手」が「ぼく」を代弁するような…そういう文章なんだよ……。そして「彼は」としても成り立つんだけども、「彼は」にすると、語り手と主人公の絶妙な距離感が台無しになると思うんだ…。盆土産、「えんびフライ」の描写のヤバさが話題になりがちだと思うんだけれども(当社の観測範囲による偏見)話者の…書き手の…語り手の…あの絶妙な……。

三浦作品てけっこう読んだと思うんだけれど、ほかにこういう書き方してる作品てないと思うんだよな。ちょっと、ほかに「人称のない」短編があったら教えてください。あと三浦作品以外でそういう作品あったら教えてください。読みたい。二人称小説はけっこうざくざく出てくるんだけれども人称を排した小説って聞かない…というか、盆土産がそうなんだから、「あるけど認知されてねえ」みたいなところあると思うの。

小説をね、趣味でも仕事でも書く人、で、三人称とか一人称とかで悩むタイプの人(俺です)って、そこらへんの視点で悩み始めると思うんですけれども、「盆土産」のあの距離感な…やばいよな…あの絶妙な……。

ところで俺は石牟礼道子と中上健次も大好きなんですけれども、石牟礼道子の「十六夜橋」に見られる、時空も人物もすっとばす視点、中上作品のそれ、これらは読みにくいと言われがちな印象あるんだけれども、俺は大好きなんですけれども、三浦哲郎ってすごい読みやすい大衆作家で、短編とかエッセイとかもめちゃくちゃ多いけども、そういう中に「人称がない小説」が混ざっていて……。なんだろう……なんなんだろう三浦哲郎……。

そんなわけで俺は「盆土産」やべえな、みんなもっと盆土産のヤバさ語らん?と思ってるんだけれども、いかんせん文学作品全然読んでない俺のたわごとなので別に何も新しくもなにもないことだったらごめんね!でももし俺のチラ裏戯言で「えっ、人称なかった…?!」って初めて気づいた人はぜひ読み返してくれーい!!そんでビビってくれーい!!!


2022年7月22日追記
「三浦作品でほかにないと思うんだよな…」と書いてたんですが、ありました。
「たけのこ狩り」が人称のない小説でした…!!こちらは成人男性二人が主役で、盆土産とは全然違う趣向の作品なんだけれど、技法はおんなじだったのね。三浦哲郎はとにかく短編の量が多いので、私もファンのくせに全然読み切れていないので、これはもしや、他にもたくさんあるのかもしれないな~。

久しぶりにイイネの通知を頂いたので、追記しました。イイネありがとうございます!最近さっぱり放置してるのに読んでくれてる人がいるみたいで、ありがてえことです!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?