読者の義務。作者へのお礼。
わたしは幼い頃から本に触れる機会が多かった。
割と内気で、おまけに転勤族だったわたしは
小学校にあがると休み時間は兎に角
読書に明け暮れる日々を送っていた。
親戚のおばさんは
本の虫と呼ぶのに相応しい方で
わたしが幼稚園の頃から
おばさんが亡くなった高校三年生の春頃まで
わたしに本を贈ってくれた。
おばさんが贈ってくれる本は大抵
児童文学の指定図書や
大きな賞を受賞したもので、
わたしが自分で本屋さんで手に取るものは
必然的に、色とりどりのポップに囲まれ
平積みされているものではなく
店の奥に、しかも一冊ずつしか置いていないような
棚差しされた本だった。
そういった本はまわりの知名度が低く
わたしが読んでいる所を見た友人がわかるのは
表紙とタイトルだけであり、
内容やその他読者からの評価などは知り得ない。
そして、わたしに聞く。
なに読んでるの?面白い?どんなの?
さて、ここからが本題です。
前置きが長くなりましたが
もう一度言います。ここからが本番です。
折角自分の好きなものに関心を
持ってもらえたわけです。
自分が読み終えた本が如何に、素晴らしいか
素敵なのかを簡潔に伝えなくてはなりません。
本好きの方ならわたしの気持ちを
わかってくれると思いますが
(読書は苦手!という方は
ご自分の趣味に置き換えてお読みください。)
自分はそれが大好きなのですから
簡潔に、とはいっても
伝えたいことは山ほどあり
何が一番言いたいか、なんてことは
その場では整理がつきません。
そしてその一番言いたいこと、が必ずしも
一番伝えるべきこと、ではないのですから
薦める、というのは難しいものです。
結果、よほど頭の賢い方以外は
説明をうまくこなすことができないでしょう。
その本の良さを
まわりに広めることが出来ないのです。
これでは散々、愉しませてもらった本の
産みの親に面目がたちません。
そこで!
こんなことを習慣づけるのはいかがでしょうか。
本を読み終えたら
三行程度の紹介文を書くのです。
お気に入りのノート。ポストイット。
机の上に出しっぱなしのトランプの余白。
本の最後のページ。
どこでもいいのです。
それならあなたの、その本への想いに
一番近いものを相手に届けることが
出来るのではないでしょうか。
そして、作者への最大の感謝になるのでは
ないでしょうか。
以上、わたしの思う、
『読者の義務。作者へのお礼』
と、提案、
でした。