機怪獣ダレトンの可能性

《機怪獣きかいじゅうダレトン/Darton the Mechanical Monstrosity》

効果モンスター
星1/闇属性/機械族/攻   ?/守   0
(1):1ターンに1度、自分メインフェイズに発動できる。
このカードの元々の攻撃力は相手ターン終了時まで、
フィールドのモンスターの、攻撃力と
元々の攻撃力の差分を合計した数値になる。

2021年10月16日登場。
フィールド全体の変動している攻撃力の合計値が自身の攻撃力になる、なんだか夢がいっぱいになるモンスター。
しかしそんな夢を感じさせる効果とは裏腹に、非常に使いにくい点が多いモンスターでもあります。
まずは彼の抱える問題点を挙げていきましょう。

問題点①効果発動までの高いハードル
このカードの全ての問題点、これだよ!
変動値が攻撃力になる、というのは一見シンプルですが、ステータスが変化した他のモンスターが必要というのはよく考えてみると難しい条件になります。
というのも…このカード+他のモンスター+ステータス変動カードというお膳立てをした上で、その変動値がバカデカくなければいけません!
相手モンスターを弱体化しても良いため、迷い風や巨神封じの矢、禁じられた一滴などでステータスを下げるのも有効ですが、相手の盤面に左右される不安定さが付き纏います。
相手モンスターに依存しないよう自分のモンスターを数千と強化しようとすると、それだけ強化出来るならそのままそいつらで殴ればいいというダレトンの存在意義に関わる問題にぶち当たります。
また、攻撃力が?なためフィールドに連れてくるのが非常に難儀であり、なんとかギアギガントXとプラチナガジェットのコンビで連れ出しフィールドに出してもステータスを弄る手段がなければ攻撃力は0という潔さ。


問題点②ステータス上昇が起動効果
このカードは攻撃力が?のモンスターには珍しく、起動効果でステータスを決定します。これは一度効果を発動すれば以降は盤面の影響を受けないメリットとも取れますが、ダイーザやサンダイオンなど効果の発動を伴わないモンスターが出来ていた、バロネス等の無効効果持ちの高打点を殴り倒せるという動きが出来ないという事でもあります。
自分のターンにしかステータスを上げられないため、相手の攻撃宣言に合わせて攻撃力を変動させ迎撃…という動きは出来ません。
また、参照する場所がフィールドである都合上チェーンしてステータスが変化したモンスターを除去されると不発になってしまう不安定さもあります。

このように機怪獣ダレトンは
大幅なステータス変化が必要だが、上昇値を上げようと強化していくとそもそもダレトンが不要になり、相手の弱体化に寄せると盤面に左右され効果の発動が不安定になる
という、非常に繊細なモンスターである事が分かります。しかしこの機怪獣ダレトンにしか出来ない確かな可能性を持ち合わせていますし、男の子はロマン砲が好きなもの。
なんとかダレトン特有の強みを探してみると…

強み①浪漫がある
これだけで3積みする理由になりますね!
リミッター解除対応のため、凄まじい値を見られます。8000以上のダメージに何の意味があるのか、それは知りたくない 何も言いたくない─────

強み②起動効果かつ、元々の攻撃力が変化する
弱点に思われたステータス上昇に効果の発動が必要というダレトンの特徴ですが、任意のタイミングまで攻撃力0でいられるため機械複製術に対応します。

《機械複製術きかいふくせいじゅつ/Machine Duplication》

通常魔法
(1):自分フィールドの攻撃力500以下の機械族モンスター
1体を対象として発動できる。
デッキからその表側表示モンスターの同名モンスターを
2体まで特殊召喚する。

これによりダレトンを3体並べ、ダレトンの上昇値を次のダレトンが倍々にして4倍に…という事は出来ません。(ダレトンのステータス上昇は、変化分の合計がダレトンの元々の攻撃力になる(⁇⁇⁇⁇)効果であるため、ダレトンの攻撃力は変化していないものと判定され3体のステータスは全員同じになります。しかし状況次第ではワンショットキルを狙えますし、バカデカいダレトン3体を並ぶのはそれだけで満足出来ますね(思考停止))
一見何のメリットも無いように思われますが、元々の攻撃力を規格外に出来るというのは非常に珍しい効果になります。元々の攻撃力…レベル5以下…ハッ!!
キャッスル・ゲート/Castle Gate》 

効果モンスター
星6/地属性/岩石族/攻   0/守2400
(1):このカードは戦闘では破壊されない。
(2):1ターンに1度、このカードがフィールドに攻撃表示で
存在する場合、自分フィールドのレベル5以下の
モンスター1体をリリースして発動できる。
リリースしたモンスターの元々の攻撃力分のダメージを
相手に与える。

いや、無理ですね(冷静)

《巨大化きょだいか/Megamorph》 

装備魔法
(1):自分のLPが相手より少ない場合、
装備モンスターの攻撃力は元々の攻撃力の倍になる。
自分のLPが相手より多い場合、
装備モンスターの攻撃力は元々の攻撃力の半分になる。

こちらはダレトンの効果と非常にマッチしており、『元々の攻撃力を倍』にするためダレトンに装備すれば合計した攻撃力を更に倍にできます。また、味方に装備すればダレトンの効果も合わせて合計ダメージを稼ぐことも可能ですね。
相手に装備すれば弱体化も狙え、なかなか器用に使えるカードと言えます。
他の装備カードでは団結の力や魔導師の力も高相性となります。機械族なのでリミッター解除も良好であり、魔法カードが多めになるためサモンプリーストを入れれば終末の騎士からダレトンを墓地に落とし刻不知のデュガレスをエクシーズ、デュガレスは味方1体の攻撃力を倍に出来るため若干のシナジーが期待できます。
また、ブンボーグシリーズは機械族でリミッター解除と機械複製術を共用でき、ブンボーグを並べる事で爆発的にステータスを強化出来るため一見愛称抜群に見えますが………しかし強化がブンボーグカードの枚数をカウントしていたり、フィールドのブンボーグの攻撃力を合計して殴りかかれるブンボーグ009という完全に役割がかぶった存在がおり、若干居心地の悪さがありますね。あとルール改定とハリファイバー禁止でブンボーグ自体が要経過観察状態にあります。

③相手の弱体化にも対応
ステータス変化は弱体化でもいいため、烙印融合から神炎竜ルベリオンを経由してデスピアン・クエリティスを融合召喚すれば、相手モンスター全員を攻撃力0にしダレトンに加算することが出来ます。
手札に烙印融合とダレトンがあればよく、相手の盤面が合計5500以上あればクエリティスと攻撃することでワンショットキルが狙えます。

《神炎竜しんえんりゅうルベリオン/Lubellion the Searing Dragon》

融合・効果モンスター
星8/光属性/ドラゴン族/攻2500/守3000
闇属性モンスター+「アルバスの落胤」
このカード名の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードが融合召喚に成功した場合、手札を1枚捨てて発動できる。
自分のフィールド・墓地のモンスター及び除外されている自分のモンスターの中から、
「神炎竜ルベリオン」を除くレベル8以下の融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを持ち主のデッキに戻し、
その融合モンスター1体をEXデッキから融合召喚する。
このターン、このカードは攻撃できず、自分は融合モンスターしかEXデッキから特殊召喚できない。


《デスピアン・クエリティス/Despian Quaeritis》 

融合・効果モンスター
星8/光属性/悪魔族/攻2500/守2500
「デスピア」モンスター+光・闇属性モンスター
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分・相手のメインフェイズに発動できる。
レベル8以上の融合モンスターを除く、フィールドの全てのモンスターの攻撃力はターン終了時まで0になる。
(2):表側表示のこのカードが相手の効果でフィールドから離れた場合に発動できる。
デッキから「デスピア」モンスターまたは「アルバスの落胤」1体を選び、手札に加えるか特殊召喚する。

しかし次回の制限改定から烙印融合は制限カードとなっており、サーチが可能とはいえ1枚の烙印融合とダレトンを引き込まないと腐ってしまいます。
また烙印デスピアのパーツは機械族とのシナジーが薄く、ステータスを変更する効果もクエリティス以外は持っていないためあまり浪漫を感じる打点になれません。これじゃ満足出来ねえよ………
しかし2枚からダレトンが相手モンスターの攻撃力合計値になれるのは間違いありません。兎にも角にも活躍出来るのは朗報であり、なんだかやれそうな気がして来ましたね。
しかし、そろそろあのモンスターと向き合わなければなりません。

《アーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン/Arc Rebellion Xyz Dragon》 

エクシーズ・効果モンスター
ランク5/闇属性/ドラゴン族/攻3000/守2500
レベル5モンスター×3
このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):X召喚したこのカードは効果では破壊されない。
(2):このカードのX素材を1つ取り除いて発動できる。
このカードの攻撃力は、このカード以外のフィールドの
モンスターの元々の攻撃力の合計分アップする。
このカードが闇属性XモンスターをX素材としている場合、
さらにこのカード以外のフィールドの全ての
表側表示モンスターの効果は無効化される。
この効果の発動後、ターン終了時まで自分は
このカードでしか攻撃宣言できない。

この化け物です。

レベル5×3のエクシーズとありますが、レイダーズ・ナイトの効果で上に重ねて召喚可能なため実質的な素材は闇属性レベル4×2。
そのテキストを読むと、どうやら敵味方全ての元々の攻撃力を自身の打点3000に上乗せして殴りかかることが可能(効果では破壊されない)(他のモンスター効果無効)と主張しており、ダレトンの弱みであるステータス変化の一手間も不要、破壊耐性持ち、全体スキルドレインと欲しいものを全て手にしていることが解ります。
つまりサモプリ終末の騎士からデュガレスなどとしている暇があるなら、サモプリ終末でレイダーズを出しアークリベリオンで殴れば御膳立ても盤面操作も不要な上に攻撃力も高いという、ダレトンに無いものを全て持ったバケモノが立ちはだかります。

ダレトンが攻撃力をなんとか高めようと味方を強化したり敵を弱体化したりと苦節している横で、闇レベル4×2から軽々と1万を超えていくアークリベリオンには涙を禁じ得ません。

ここまでの事を総括すると──
①味方を強化させるなら、そのまま殴っても勝ててしまいダレトンの存在意義が薄い(更に、味方の強化しながらダレトンの召喚権を残しておく必要がある)。
②しかし敵を弱体化させるとなると、始動札が限られており攻撃力が不安定になってしまう。
③ダレトンよりあらゆる面で優れたアークリベリオンの存在。

ということになります。
ここから逆にダレトン固有の強みを見出そうとすると、味方全体を大幅に強化するがそのカードだけではダメージが稼げず、アークリベリオンと差別化も可能になるカードが必要であることが分かります。
そんな夢のようなカードがあるのでしょうか───?

《No.ナンバーズ35 ラベノス・タランチュラ/Number 35: Ravenous Tarantula》 

エクシーズ・効果モンスター
ランク10/闇属性/昆虫族/攻   0/守   0
レベル10モンスター×2
(1):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、
自分フィールドのモンスターの攻撃力・守備力は、自分と相手の
LPの差の数値分アップする。
(2):X素材を持っているこのカードがモンスターゾーンに
存在する限り、相手がモンスターを特殊召喚する度に
相手に600ダメージを与える。
(3):1ターンに1度、このカードのX素材を1つ取り除いて
発動できる。このカードの攻撃力以下の攻撃力を持つ
相手フィールドのモンスターを全て破壊する。

ありました。

No.35 ラベノス・タランチュラは、自分と相手のライフ差分味方を全体強化する破格のステータス補正が可能ですが、自分のライフを減らして攻撃力を高めた場合相手を殴るたびライフ差がなくなってしまい、強化値がどんどん小さくなってしまうクセのあるカードです。
レベル10×2というバカデカい素材要求から、そもそも列車デッキくらいでしか召喚が不可能で、先行を渡された時にヤケクソでNo.77ザ・セブン・シンズを召喚するため一瞬だけ召喚されすぐ下敷きになっていた謎の蜘蛛です。
しかしこのラベノスタランチュラ、ダレトンの攻撃力をライフ差×自分モンスターの数+ライフ差という凄まじい値にしてくれる存在です。
ライフ差が1000であってもダレトンは3000になり、1体増えれば+1000、ライフ差が開けば更に倍、仮に自フィールドが5体でライフ差2000ならダレトンの攻撃力12000と、モンスターが増えると加速度的に攻撃力が加算されていきます。
ライフ差が減ると上昇値が小さくなってしまうのが難点でしたが、ダレトンは起動効果で固定化するため一度発動してしまえば(そのターンの間は)ライフ差を気にする必要はありませんし、規格外の攻撃力を維持出来ます。
これはモンスターの元々の攻撃力を参照するアークリベリオンでは不可能な芸当であり、ダレトンにしか出来ない化け物火力になります。
更に、ダレトンは元のステータスが0として扱われるトークンと非常に愛称が良く…

《罪鍵つみかぎの法ほう-シン・キー・ロウ/Corrupted Keys》 

通常罠
自分フィールド上のエクシーズモンスター1体を選択して発動できる。
「アンブラル・ミラージュ・トークン」
(悪魔族・闇・星1・攻?/守0)3体を特殊召喚する。
このトークンの攻撃力は選択したモンスターの攻撃力と同じになる。
このトークンは直接攻撃できず、アドバンス召喚以外のためにはリリースできない。
選択したモンスターがフィールド上から離れた時、
この効果で特殊召喚したトークンを全て破壊する。

この謎の罠カードと組ませれば、ラベノスタランチュラの現ステータスをコピーしたトークンに更にラベノスのステータス補正が入るため、ラベノス、トークン3体、ダレトンの盤面かつライフ差が4000の時、ダレトンの攻撃力は36000になります。

この時ライフが相手より下ならば、巨大化を装備すれば更に倍、リミッター解除で倍と、夢しか広がりません。
トークンが直接攻撃出来ない欠点もダレトンがフォローしており、決闘者が4.5人消し飛ぶ火力は非常に魅力的です!
しかしラベノスタランチュラをどうやって出すんだ…?

《分裂ぶんれつするマザー・スパイダー》 

効果モンスター
星5/闇属性/昆虫族/攻   0/守2300
このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分フィールドにモンスターが存在しない場合、このカードは手札から特殊召喚できる。
(2):このカードをリリースして発動できる。
手札・デッキから「ベビー・スパイダー」を3体まで特殊召喚する。
この効果で特殊召喚したモンスターはレベルが5になり、
X召喚の素材とする場合、闇属性モンスターのX召喚にしか使用できない。
この効果の発動後、ターン終了時まで自分はXモンスターしかEXデッキから特殊召喚できない。

《ベビー・スパイダー》 

効果モンスター
星3/闇属性/昆虫族/攻   0/守   0
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分フィールドの闇属性モンスター1体をリリースして発動できる。
自分フィールドの全ての「ベビー・スパイダー」のレベルは、
この効果を発動するためにリリースしたモンスターそのレベル分だけ上がる。
(2):LPを半分払い、墓地のこのカードを除外し、
自分フィールドの闇属性XモンスターのX素材を1つ取り除き、
自分の墓地の闇属性モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを特殊召喚する。

ありました。

まさかの2023年新弾、ラベノスタランチュラ強化。
ライフを半分払うことで召喚権を残しつつラベノスタランチュラとセブンシンズを場に出せる上、ベビースパイダーの蘇生対象は闇属性なら良いためダレトンにも対応します。マザースパイダーとダレトンの手札から、攻撃力8000のNo.77ザ・セブン・シンズと4000のラベノスタランチュラ、16000のダレトンが立つのはまさに圧巻、総火力28000というカードゲームを間違えた火力を振り回せます。
仮にダレトンが手札になくても、ダレトンを墓地に落とす手段さえあればマザースパイダーからベビースパイダー展開、ラベノスタランチュラの素材を使いダレトンを蘇生すれば12000打点の化け物になれます。

(……ただし、ダレトンがおらずマザースパイダーのみでも、ラベノスタランチュラが効果で攻撃力4000以下を除去した上で8000打点のセブンシンズが殴れば綺麗にワンショットになる上、効果破壊耐性がいたとしても1体ならラベノスで戦闘破壊してセブンシンズでトドメをさせるため、相手フィールドに複数体モンスターが残った時や4000打点を超えるモンスターを出されている時に限り有効になります…)

ですが何物も消し飛ばせる超火力は非常に魅力的なので、何かしらのルートでダレトン先行ワンキルしたいですね。

早くマスターデュエルにマザー/ベビースパイダー来ないかなあ………

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