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【聖闘士星矢】に隠されている本質の世界観

◇主人公は天馬座(ペガサス)◇

このアニメでは青銅聖闘士(ブロンズセイント)の星矢が主人公ですが、ここで注目したいのは星矢自身のことではなく、ペガサスについてです。

ペガサスは羽のついた白馬のことですが、馬って本来は自由と美の象徴だったのではないでしょうか?

現代では、馬といえば競馬に利用されていたり、私の住んでいる熊本では馬肉として食用にされていたりします。

このようにすることで、明治以降の自由を奪った管理社会と、美や芸術に没頭できない風潮と習慣を造りあげてきたのではないか?

最近になってそう考えるようになりました。

あと、気になったのは皇居にある楠木正成像

これってもしかして、人間のほうは後から付け足したものなのでは?と感じていました。

よく見ると色味も含めて馬のほうはとても精巧で美しいのに、人間のほうは何だか無骨で醜くい印象です。

天馬が物語る意味とは

◉羽→自由
◉白馬→美

これらを社会に投影した象徴なのでは?

と思えてなりません。


◇黄金聖闘士と占星術◇

このアニメでは聖闘士の中でも最強の黄金聖闘士(ゴールドセイント)が12人登場します。

その12人は西洋占星術で使われている12星座でキャラクター設定されています。

それぞれ星の特徴がよくわかる個性を持っているのですが、作品の中で最もわかりやすのが『聖域十二宮編』。

作中では主人公の星矢率いる青銅聖闘士と黄金聖闘士の抗争で、黄金聖闘士12人と一人ずつ対決していくのですが、

黄金聖闘士は大きく6つのタイプに分けられます。

①終始敵対する者
②最初から星矢たちをサポートする者
③星矢たちの真意を知り途中から味方になる者
④自分の命と引き換えに星矢たちのレベルを引き上げる者
⑤既に亡くなっている者
⑥実はラスボスだった者

これら6つのタイプについて説明していきます。


①終始敵対する黄金聖闘士

◉蟹座(キャンサーのデスマスク)
名前のとおり悪役の設定で、最後は身に纏っている黄金聖衣に見捨てられるほど悪に染まっていたキャラです。

占星術では、蟹座は家庭や母性を象徴する星です。

本来であれば12星座の中でも最も包容力があり優しさ溢れる性質ですが、それが行きすぎると相手を自分の殻に閉じ込めるような束縛や支配力を行使してしまいます。

現代の結婚制度や家族制を含めて、人間社会の不調和をデスマスクというキャラクターで訴えかけているように思えます。

これからは蟹座本来の優しさと包容力で調和のとれた世界を取り戻せることを願っています。

魚座(ピスケスのアフロディーテ)
魚座は美を象徴する星座です。
アフロディーテ自身も、聖闘士の中で自分が最も美しいと主張するナルシストです(笑)

しかし『美』とは客観的見方をされるからこそ価値が生まれてくるものであり、いくら自分で美しいと思っていても、他から見て美しくなければ意味がありません。

アフロディーテはその過剰な自己評価と相まって、力こそ正義であり弱い者(醜い者)は強い者(美しい者)に従うのが当然だという思考の持ち主でした。

現代で言えば、金(カネ)こそ力であり権力である、みたいなとても唯物的な思想ですよね。

また、占星術的に見ると、魚座は水の星座です。

水は周囲の環境に影響されやすく、自分の本心や真我よりも環境による影響を特に受けやすい性質があります。

魚座の人は周りに流されて、本来の自分を見失わないように、という教訓がアフロディーテのキャラクターに隠されているのではないでしょうか。


②最初から星矢たちをサポートする黄金聖闘士

◉牡羊座(アリエスのムウ)
ムウは聖闘士が纏う聖衣(クロス)を修復することができる職人でもあります。

黄金聖闘士との闘いでは、黄金聖闘士12宮殿をひとつずつ突破しなければなりませんが、最初に入るのが牡羊座の宮殿。

しかし、ムウは星矢たちの真意と抗争の全貌を最初から理解しており、闘うどころか星矢たちのキズついた聖衣を修復し、これからの闘いのサポートをしてあげます。

牡羊座は12星座の中で一番先頭に立つ星座です。

占星術的に見ると、火の性質であり誰よりも先頭を切って進む、楽しく無邪気な性質が特徴の星なんです。

この物語でも、誰よりも物事を理解し今起きている不調和を解消しようとする星矢たちのサポートを率先して行ったキャラクターです。

ムウって名前も平和的で意味深ですね。


◉天秤座(ライブラの童虎)
童虎は星矢の仲間である紫龍の師という設定です。

この時代では既に老体で闘いには参加しませんが、牡羊座のムウ同様に全貌を理解していて、終始星矢たちを影ながら応援します。

占星術で見ても天秤座はバランスを図り調和を好む性質です。

同じ聖闘士同士なのだから、本当は敵も味方もない。そんな姿勢が天秤座らしさを象徴していますね。


③途中から味方になる黄金聖闘士

◉牡牛座(タウラスのアルデバラン)
アルデバランは牡牛座らしい大きな体格とは裏腹に、とても温厚で誠実な人格の持ち主。

占星術では土の性質で、地道な平和主義で争いを好まないタイプです。ですが一旦怒りに触れると猛牛のごとく相手に立ち向かいます。

まさに占星術と同じ性質のキャラクターですね。

作中では、最初は敵認定していた星矢たちをその剛腕で蹴散らしますが、闘いの中で星矢たちの真意を理解し、最後には彼らにエール送って自分の宮殿を通ることを許しました。

◉獅子座(レオのアイオリア)
アイオリアは黄金聖闘士の中でもリーダー的な存在。

しかし感情が激しいため、ラスボスのキャラにその感情を乗っ取られて悪用されてしまう。

理性を完全に失ったアイオリアは、ラスボスの魔の手で星矢をズタズタにするが、トドメの一撃を放ったところを星矢の仲間が割って入り身代わりとなった。

仲間の死をもって正気を取り戻したアイオリアは、潔く星矢たちを先に進ませる。

作中の流れのように獅子座はとても激しい感情を持ち合わせています。

占星術でも火のエレメントです。

その激しい感情を自制し、俯瞰的に物事を捉えて行動できるか、真のリーダーとして役割りを果たせるかを物語っていますね。

◉乙女座(バルゴのシャカ)
シャカは黄金聖闘士の中でも、最も神に近いとされた最強の黄金聖闘士です。

シャカは名が示す通り、まるで仏陀のように状況を俯瞰的に捉えます。

聖闘士としては格下の星矢たちに対しても侮ることなく冷静に相手を見つめることで、最後は彼らに悪意がないことを認め自分の宮殿を通しました。

占星術的に見ても、乙女座は知性に優れていて分析力や奉仕に営んだ性質を持っています。

またエレメントも土なので、自分の能力を目に見える形にするのも得意と言えます。

聖闘士の中でも最強クラスであるということは、現代においても乙女座の能力がそれだけ重要な役割を持っているのだと感じます。

◉蠍座(スコーピオンのミロ)
ミロは正義感と内なる情熱を持つ聖闘士です。

表に出る派手さはありませんが、必殺技である真紅の衝撃『スカーレットニードル』は蠍の毒のごとく相手の体を内側から麻痺させていきます。

ミロと対決した星矢の仲間の氷河はスカーレットニードルを全身に受けますが、それに耐え抜いた精神力と正義感を認め宮殿を通しました。

ミロは続編のストーリーでも、闘いで生き延びた数少ない一人であり、どの星座よりも生命力や粘り強さを象徴する星であると思います。

また内面から滲み出るようなステキな魅力を持つ星座でもありますね。


④自分の命と引き換えに星矢たちのレベルを引き上げる黄金聖闘士

◉山羊座(カプリコーンのシュラ)
シュラは正義感と教皇への忠誠心が強く、作中では星矢の仲間である紫龍と対決する。

強さでは紫龍を圧倒するシュラだが、命と引き換えに相討ちに持ち込んだ紫龍の意図と正義感を最後の瞬間に感じとった。

このままでは二人とも技の影響で燃え尽きてしまうと悟ったシュラは、自分の黄金聖衣を紫龍に着せ右腕に必殺技である『エクスカリバー』を託した。

山羊座は占星術で見ると、思慮深く責任感の強い性質があります。

それでいて野心的なところもあり、エレメントが土なので目に見える形にすることが得意な面があります。

自分も山羊座ですが、シュラのように自分の持っている能力や経験を次世代へ引き継げるような生き方をしたいですね。

◉水瓶座(アクエリアスのカミュ)
カミュは氷河の師匠であり、作中では自分の宮殿で最後に氷河と対決することになる。

氷河はカミュと対決する以前まで、自己の最強技である『オーロラエクスキューション』を習得していなかった。

このままでは氷河は先に進んでも他の黄金聖闘士に勝つことはできないと悟ったカミュは、師弟対決に持ち込み氷河の内在している力を引き出す。

最後には氷河にオーロラエクスキューションを習得させるが、自らその技を受けて息絶えた。

占星術で水瓶座は自分のためよりも他者のために奉仕する星座です。

また風のエレメントと天王星の革新的な力は、風の時代といわれるこれからにピッタリ当てはまります。

作中でのカミュの名セリフで『常にクールでいろ』と氷河に伝えた場面がありました。

このセリフには、人に頼らず自らの力で独自性を発揮しろ、という意味が込められていると感じます。

一言でいえば自立心であり、これからの時代に求められている最強のアイテムだと思います。


⑤既に亡くなっている黄金聖闘士

◉射手座(サジタリアスのアイオロス)
アイオロスは獅子座のアイオリアの実兄であり、次期教皇になるはずだったキャラクター。

人格者であったアイオロスはラスボスと共に当時の教皇に呼び出され、教皇から次の教皇になることを命じられる。

それに嫉妬したラスボスは、教皇を暗殺し自分が教皇になりすまし、アイオロスを逆賊として追い出され命を落としてしまう。

しかしアイオロスは死しても、その後の若い聖闘士たちに大きな影響力を与える存在でした。

占星術さ的に見ると、射手座の持ち味は『自由』。

民を自分の支配下に置き、管理統制を目論んでいたラスボスとは真逆に、みんなが自由に自分の高潔な理想や哲学の追求に没頭できることを望んでいたのだろうと妄想します(笑)

エレメントも火の男性星座なので、射手座はこれからのリーダー的存在だと感じています。


⑥実はラスボスだった聖闘士

◉双子座(ジェミニのサガ)
サガは双子座の名のおとり、生まれつき一人で二つの人格を持つ。

一つは純粋な正義感溢れる人格だが、もう一つの顔は純粋な悪の塊。

その二重人格を教皇に見破られていた為に、次期教皇に選ばれなかった。

そして教皇を暗殺後に自らが教皇となり、星矢たち青銅聖闘士との抗争に発展させた張本人がサガである。

またサガの聖闘士としての実力は黄金聖闘士の中でも最強クラスであり、もし正義の方の人格だけであれば教皇に相応しい人物であった。

占星術的な観点でも、双子座は思考力、知性、客観的な性質と柔軟さとが合わさった性質を持ちます。

エレメントも風の性質なので、今からの時代には能力を活かした外向きの情報発信などは最適だと思います。

もしかしたら、サガのように『善悪』という両極を体験することで中庸を目指せ(=中庸を理解する)というメッセージなのかもしれませんね。

そもそも本当に俯瞰的視点で物事を捉えれば、そこに良いも悪いも無く、逆に良いも悪い体験することで人生ってより豊かに感じていくものだと思います。

両極を知らなければ、中間のポイントなんてわかりっこないですからね。

ブログを書いている中で、これがラスボスに秘められたメッセージなのかと感じました。


最後まで読んで頂きありがとうございました。


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