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Moonridersの"カメラ=万年筆"配信ライブのこと

昨日で終わってしまったMoonridersの無観客ライブ配信のアーカイブ、もう見れないと思うと悲しいです。
コロナの時代にMoonridersの逆襲、どんな時もユーモアを忘れなかった遠いご先祖様たちを大笑いさせた落語の神様のように、愛こそすべてとアバン  ギャルドの鐘を鳴した。そんな歴史的なライブ、素晴らしい演出、素晴らしい映像、すべてが素晴らしかったです。

今回、無観客の配信ライブをするので、いっしょに歌ってねと言われて、とても嬉しかったのです。
それでは、”幕間と悲しきセクレタリー”を歌いたいです。”と言ったら、今回は”カメラ=万年筆”40周年の再現ライブなのでと、”幕間とLolita yayaと欲望”ということになりました。
“幕間”は40年前のある日、鈴木慶一さんと電話で話していた時に、” 今日、いい曲ができたの。聞いてね。”と口ずさんだ歌を、"ちょっと待って"と慶一さんは電話から聞こえる私の声を録音しました。その録音した音源にピアノを弾いて、それがレコードになりました。”幕間”はそんなふうに生まれました。
そして、今回のライブで初めて”幕間”を歌うことになり、二番の歌詞も書き足しました。
そして、慶一さんのリクエストで、ライブの中で何か詩の朗読をとのことで、新しい詩を書きました。それが、”幕間”の前に朗読した詩です。
“あなたの天国”という詩です。
あの素晴らしいライブを観てくださったみなさんに”幕間”と”あなたの天国”を読んでいただけたらうれしいです。


”Lolita Ya Ya”も”欲望”も、40年前のように歌ってということで、さて40年前の私はどんな感じだろうと思いましたが、意外と何も変わっていなくて、あの頃のままのニューウエーブ声で、あの不思議な歌い方で歌えました。あの頃にタイムトリップしながら今の自分が歌う感覚はとても面白かったです。

歳を取り、変わったものと、変わらないものがありますが、幾つのときの自分にもなれるのだなと思いました。肉体はそうもいかないけれど、声はもっと自由なのだと思います。そして、音楽は時を超えて限りなく自由なのだと思いました。そんな自由を共有できる素晴らしいMoonridersと一緒に歌えて、本当にしあわせです。そして、新たなMoonridersの旅、楽しみでなりません。これからさらに月が美しい季節となりますね。

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「あなたの天国」

声を亡くした私が
あなたのために歌うのは
命がけの恋の歌
風が吹き荒れる
悲しみの街に
暗い時代の足音が響く
若者たちの鉄のブーツ
希望という騙し絵を踏みつける
緑深き森の影を引きずって
見知らぬ国まで辿り着く
息絶える兵士の上に
冷たい雨が降り
ラジオから流れる バラ色のデカダンス
死してなお
その耳は聴こえるでしょう
悪魔のような私
天使のような私
美しい若者に囁く
“あなたの天国まで 連れて行って”

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「幕間」


1. 暗い時代のラジオから
流れてきた
バラ色のデカダンス
私たちを踊らせてくれた
彼女は囁いた
Let’s dance decadence

2.暗い時代のラジオには
溢れていた
バラ色のデカダンス
愛は幻
酔いしれましょう
彼女は微笑んだ
Let’s dance decadence

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