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【選択科目のすゝめ】〜履修方法・超ユニークな授業内容など〜

今日は日記から少し脱線し、成功大学華語中心における選択科目の種類や履修方法、ちょっと変わった授業内容について紹介しようと思う。
(前回↓↓)

選択科目の種類は?いくつ取るの?

前回の記事で少し書いたが、成功大学華語中心の正式課程では、小班(中国語の通常グループ授業)のほかに、選択科目を5時間分履修する必要がある。大体の科目は小班と同じく2時間なので、少なくとも3科目は履修することが求められるというわけだ。

さらに注意ポイント。
選択科目は文法や新聞読解、映画分析、社会問題討論などの「言語系選択科目」と太極拳、歌などの「文化系選択科目」に分かれているが、3時間分(2科目以上)は言語系選択科目で埋める必要がある。私の場合、

  • 1ターム目のF班
    「言語系3科目(閩南語/導覽/影片)

  • 2ターム目のG班
    「言語系3科目(各行各業/注音字母/熱門話題)文化系1科目(書法)」

  • 3ターム目のH班
    「言語系2科目(繪本分析/語法)・文化系1科目(書法)」

と、こんな感じ。まあ要するに、選択科目は3つ以上取りましょう、その中で言語系科目を2つは取りましょうねという話。ちなみに、言語系を4つ以上取りたい場合は、追加で授業料を払う必要があったと記憶している。(※あくまで私が留学していた2022-2023の話。)

なりきりガイドにCM作り?!ユニークな授業をチラ見せ

さてここで、私にとって印象深かったかつ、中々変わった選択授業たちを一部紹介していこうと思う。

1. 華語影史文本欣賞(映画の分析)

広い講義室で先生が台湾映画(主にショートフィルム)を上映し、それについて意見を出し合ったり、分析したりする授業。

かなり衝撃的というかシュールな映画を何本か見せてもらったが、1年半経った今でも鮮明に覚えているのがこの作品「海馬洗頭」
ネタバレしたくないので、とにかく一度見てほしい。所要時間5分程度。(中国語がわからない人も是非)

映画のほかにも台湾のCMをいくつか紹介してくれ、「どのCMが一番購買意欲をそそられるか」「逆に不快か」などを話し合った。

今でも覚えている強烈CMがこちらの2本。まずは野菜ジュース「波蜜」

そしてこちら、家電のCMもなかなかシュール。

普段の授業内容だけでもかなり面白いが、極めつけは期末課題。
なんと、「CMを撮る」「なんでもいいからショート動画を作る」のどちらかを選ばなければならないのである。

人によっては苦行だと思うが、私はむしろこういう課題大好き。
といっても大した編集技術もないためなかなか苦労したが、最終的にまとめた動画がコチラ。

都会からきた主人公が最初は台南で苦労するも、徐々に街に馴染んでいくというシナリオである(笑)。

結構ヘビーな授業ではあったが、もともと映像作品が大好きな私にとっては本当に面白かった。オススメ。

2. 華語導覽解說(ガイドツアー)

一言でいえば「ガイドツアーになりきる(?)」授業で、珍しいことに基本屋外での実施だった。

初回~2、3週目では、台南公園で先生がガイドの手本を見せてくれたり、成功大学キャンパス内にある博物館で本物のガイドさんの話を聞いたりし、ガイドの基礎なるものを学ぶ。

とにかく歩き回れるので楽しい。

そのあとはいよいよ実践授業。成功大学内にある作品や成功大学のキャンパス内にちりばめられた銅像・彫刻・美術品等を自由に選び、その歴史や見どころをクラスメートたちに紹介する。

私が選んだのは、成功大学の正門前にある、かの有名なこの像。作品名は「詩人」である。

成功大学の顏ともいえる「詩人」。

胴体が丸々すっぽ抜けたオッサンが思案顔しているヘンな像だなあなどと失礼なことを思っていたが、この「詩人」、どうも色々歴史があるらしい。

私の当時のレポートによると、「詩人」の原作といえる作品を作ったのは蒲添生という人で、タイトルは「文豪魯迅」。原作はその名の通り、あの魯迅をモデルにして作ったもので、「文豪魯迅」に関しては、胴体もちゃんとあったらしい。

この「文豪魯迅」が世界大戦の時に失われてしまい、戦後に蒲添生が復元したのが「静思」。魯迅の名がタイトルから抜け落ち、しかも(ここがややこしいのだが)復元の時にモデルにしたのは魯迅ではなく、蒲添生の親戚だったようだ。
当時は蒋介石の国民党政権下だったことから、国民党に批判的だった魯迅を大々的に作品にするのは危険だった。そこで、タイトルから魯迅の名を外し、モデルも親戚にすり替えたとのこと。

胴体アリver.

そして1980年代になり、この作品がフランスの展覧会に出されると、この作品の名前が「詩人」へと再び変化する。(さらにややこしいのが)蒲添生の死後、彼の子供が「詩人」の頭部と腕を切り取った複製品(いわば詩人2)を作り、それが現在成功大学に設置されているということだ。

まとめれば、
「"文豪魯迅"(胴体アリ、魯迅モデル)」→戦争で消える→復元されて改名→「"静思"(胴体アリ、但し蒲添生の親戚モデル)」→フランスの展覧会に出されて"静思"から改名→「"詩人"(胴体アリ)」→蒲添生の死後、子どもによって複製「"詩人2"(頭と腕だけ)」→成功大学へ。

いや、まとまっているのか…??フクザツすぎ!!ということは、あのオッサンは結局魯迅なのか、蒲添生の親戚なのか??
私が中国語で調べたものであるから全部合っているか分からないし、何か確固たる真実を知っている人がいれば教えてほしい。

ひとまず、これをみんなの前で、しかも中国語で説明したあの時の自分に拍手!!(笑)
クラスメートとの仲も深まり、本当に楽しい選択授業だった。

成功大学華語中心の選択科目がアツい!

このほかにも、台湾特有の「注音字母」が学べる授業、絵本の内容を考察する授業、今ホットな社会問題を討論する授業など、とにかく面白く学びある選択科目が多い。

ただ、初級~中級から始める人は履修しなければならない選択科目が決まっており、上記に書いたような応用クラスはそもそも選べないことがある。

私の場合、中上級のF班から始めたため、そうした制約は少なかった。(上級のG班からしか取れないような授業も一部にはある)

ただ、2022年9月~2023年6月の3ターム分いて思ったのは、どんどん選択科目の選択肢がなくなってくるということ…。
基本的に授業内容はタームが変わっても一緒なので、反復履修はできない。
ということで、中上級くらいから始める場合、飽きずに選択科目を選べるのはギリギリ3タームまで、といったところか。

実際に私もH班だった最終タームでは取りたい科目がほとんどなく、本当に面白いと思った授業はF班、G班に履修した選択科目たちだった。

長々と書いてしまったが、とにかく成功大学華語中心の選択科目は良い。
激アツ。これだけ書いて、今回は筆をおこうと思う。

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