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Netflixオリジナルドラマ「サイコだけど大丈夫」①

「作り話だから」とドラマや映画に入り込めず冷めがちな私がなぜここまでハマったのか、というお話です。

扱われたテーマやストーリーが良かったというのはもちろんですが、今回はその他のことについて、7個考えました。

期待以上の展開、結末

7月頭、評判など聞かずに、とりあえず見てみるか、くらいの気持ちで1話を見たところ、どうも不思議な世界観で、また、ヒロインには共感することが出来ませんでした。しかし主演の2人はとても綺麗で目を引くし、初めからハラハラするので、つまらないと感じたわけではありません。でもドラマのタイトルが変わっているし、内容に期待はしませんでした。

そして最後まで見た結果、全ての面で期待以上に良かったわけで、1話の不思議な内容や、ドラマのタイトル、ふに落ちなかったムニョンのセリフにも納得しました。(なぜ辛い思いをしてまでトラウマと向き合う必要があるのかと思っていました。)
ドラマの序盤では、脚本や内容からその良さはあまり見えてこなかったのでとても驚きました。
一般的に、ドラマの最初は視聴者を掴むために少しは共感できるように作るのが普通かなと思っていたので、これはドラマの中身に自信があったのだろうなと思いました。
つまり、予想外だったからハマったという感じなのですが、具体的に何が予想外だったのか書いていこうと思います。


高い演技力、役との一体感

おそらくこれが私をサケン(サイコだけど大丈夫 略)の沼にはまらせる大きな原因で、明らかなところだとオジョンセさん(サンテ役)。この方が本当に素晴らしかったです。他の所が気に入らなかったとしても、これだけで十分見る価値があります。
冷静にドラマを見てしまうタイプの私が、こんなにも泣かされたのは、セリフになっていないサンテの内面や、ドラマの話だけにとどまらない彼の人生がすごく伝わってきたからだと思います。そして、この素晴らしさはドラマを見た人しか実感できません。これが予想外だったことで、視聴者への大きなご褒美になっています。

キムスヒョンさん(ガンテ役)について。オジョンセさんほど凄さが分かりやすいわけではないかもしれませんが、かなりハマっていました。もうその役にしか見えませんでした。
私はガンテにもかなり泣かされて、7話から特に感情移入しました。キムスヒョンさんが流す涙は特別なのか、ガンテが泣いているだけで私も一緒に泣いていました。さらに驚いたのは、ガンテが笑顔になっていくシーンにまで、気がつくと自分が泣いていたことです(笑)
ガンテの笑顔には、切なかったり綺麗だったり可愛かったり、唯一無二というか、なおかつ、初めてこんな笑顔になれたんだなという感じもすごく伝わって胸がいっぱいになりました。
笑顔からこれだけのことが感じられるのがすごいし、良いドラマを見ているんだなと思いました。

ソイェジさん(ムニョン役)も素晴らしくて、声が素敵で、どんどん可愛く見えて、ものすごいファッションも着こなすし、演技のエネルギーが凄かったです。


音楽や映像のクオリティ

私の好みなのか音楽をとても気に入っています。独特で普遍的なサケンに合っていたし、特に2話の最後でかかるwake upはキーになっている曲で、耳に残るし魅力的でした。
サンテがムニョンにサインをもらいにいく途中のサンテから見た世界の映像、これも印象的でした。ムニョンの城のCGも凄かったです。


幸せな伏線

サケンは全体の構造がよく考えられていて、たくさんの伏線が散りばめられているし、また、同じセリフを違う意味でもう一度使ったりします。
よく出来たドラマで伏線がしっかり回収されて感心することはよくあると思うのですが、サケンの伏線は、ほぼ幸せに繋がります。あのシーンがここに繋がったのか!と思えるだけでなく、そこに毎回幸せな感動があることは珍しいのではないでしょうか。
ドラマの前半を見ていた時はこんな幸せを全く想像できなかったので、この点も予想外でした。


ドラマが伝えるメッセージ

これも大きなポイントです。勇気づけられる言葉がたくさんありました。
SNSを見ていると、皆さんそれぞれ心に響いた台詞が違っていたので、これがこのドラマのメッセージだ、と正解が決まっているわけではなく、見る人によって受け取り方は様々にできるのだと思いました。
先程の伏線の話に戻りますが、実は全ての疑問がすっきり解決したわけではなくて、そこも含めて視聴者に受け取り方を任せるということなのだと思います。私はいろいろ考えてしまって、製作側の思惑通りになりました。(笑)


細かい仕掛け、ファッションの意味

実は私は全然気づけなくて、ほとんどSNSのお陰でわかりました。(笑)
個人的にはムニョンの服装を観察するのが楽しくて、特に1話では、初めてムニョンとガンテが出会うシーン、ゴスロリにタバコに景色は綺麗な桜で、かなり印象的だったのでさすがだなと思いました。
ムニョンが感情を知っていくと服装もどんどん柔らかい感じになり、また悲しいことがあると黒い服に戻ったりしていました。また、ガンテやサンテの服装もこだわりがあると思います。ムニョンのファッションとコントラストの差がはっきりしていました。

これもどなたかのツイートで見かけましたが、手の動きに感情が込められているシーンがドラマを通してあるそうです。他にもまだまだあるのでやはり何回も見なくてはいけないですよね。また、制作側の思惑通りです(笑)


最終回(ネタバレかも)

最終的に、自分の中でサケンが1番のドラマになる決め手はここにあります。
最後はこうなるといいな、と期待していたさらに上のハッピーエンドを見せてもらえたので、満足感でいっぱいになりました。終わってしまうことが怖かったのに、ここまで見せてもらえたらもう十分だと思えるくらいでした。
こんな最終回に出会えるドラマはそうそうないと思います。現実はなかなかうまくいかないからこそ、ドラマでハッピーエンドを見れることは救いです。パワーをもらえました。


私はもともとキムスヒョンのファンだったので、キムスヒョンさんが出ているだけで十分だったのに、ドラマ自体が本当に素晴らしくて、とても幸せな2ヶ月間を過ごすことができました。サイコだけど大丈夫に感謝しています!

ItsOkaytoNotBeOkay

“大丈夫じゃなくても大丈夫”