見出し画像

スイングキッズ イデオロギーを超えるコミュニケーション


まず歴史背景から
1945年ポツダム宣言後、朝鮮半島は北緯38度線を境にアメリカ(南部)旧ソによる分割
統治下におかれていた。

朝鮮戦争1950年~1953年の休戦まで北朝鮮軍(中国、ロシア)と国連軍(アメリカetc)と
韓国軍で激しい戦っていた。

その最中で最大規模の巨済捕虜収容所。
合計170,000の捕虜のうち、20,000は中国から、150,000は北朝鮮からで混沌とした
場所が舞台。

韓国の南側。日本の対馬とかなり近くてびっくりした。もちろん日本とも深い関係がある。

次にタップダンス。
南部の移民奴隷たちの伝統的なダンス。
フラメンコ、アフリカ民族ダンス、イングランドのクロッグダンス、アイルランドのジグダンスに部分的な起源が見られる。

踊るということ、ビートに体をゆだねて感情表現すること。言葉を使わないコミュニケーション。

例えば、洋楽を聞き、英語が分らないのに心地よかったり、悲しかったり何かが伝わってくる。
その何かに惹かれ、いろんなものに置き換えれるがその憧れが重要で人を夢中にさせ人を繋げる。
自分の中に取り入れ消化し新しいスタイルを生み出し広がり、独自の文化となる。(納豆パスタみたいな感じ)モノまね、サルまねがいびつに進化し本物を超えことがあると思う。

重い歴史とそれぞれの立場でのイデオロギー(政治思想 社会思想)から抑圧された人間たちが
ダンスを通じて繋がり自由になる瞬間を描いた物語。

カン・ヒョンチョル監督のインタビューで
国と国、人と人がイデオロギーによって分裂させられ恨みあっている。

恨みの構造を利用して権力を掴もうとするいまだにいる。自分たちは犠牲になっているんだと感じそんな難しい世の中でダンスによってイデオロギーを超えられる、友だちができ、幸せを感じられるのではないかということを見せたいと書いてありました。

そんな想いを十分に感じさせてくれる作品で、映画的リズム、仕掛けが素晴らしく、歴史の重みから逃げない韓国映画。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?