見出し画像

魂のゆくえ ポールシュレイダー

画像1

魂のゆくえ

イラク戦争に息子行かせ戦死し、妻と別れ孤独なプロテスタントの牧師トラー。メアリーという若い奥さんとその旦那マイケルとの出会い、相談を受ける。彼女は妊娠するがマイケルは子供はいらないと考えており、マイケルを説得して欲しいという内容。

子供がいらない理由は地球温暖化、悲惨な時代に生まれ滅びゆく地球で生きることは可愛そうだからいらない、という理由。

また神の教えをとく牧師なのに何もしないのですか?と問いかけられる。彼らの相談を受けているうにち彼がこのエコテロリストであることを知ります。数日後、彼は妻子を置いて自殺してしまう。

数日後メアリーとの神秘体験を授かる。地球の叫びを感じる。
地球温暖化、異常気象の問題の深刻さ、腐敗した教会とそれに繋がるアメリカの政治さらに自分の所属する教会が、環境汚染の原因を作る大企業から巨額の支援を受けていることを知る…そして胃ガンとの闘い、余命が、、
彼の思想、価値観は大きく変わった。

この教会の祭典が開かれる時に教会を爆破してメガチャーチの役人、公害企業の役職を巻き込むある計画を仕掛けようとするが、、、、

という流れのお話。

ポールシュレイダーはオランダ改革派なプロテスタントの家で17才まで映画を見たことがなかった。聖職者になるように継承される家庭、教会の束縛。それから逃げるように新しい宗教として映画をとらえる。聖なる映画という著書で、人が何か信じたり心動かされる時など一瞬の奇跡を表現することが映画には可能で、その一瞬の奇跡を写すための自由がないカメラワークから解放される時、映画自体が神秘体験を体験させ、カメラワークが宗教的な奇跡を起こすと論じられている。

アメリカのキリスト教
アメリカのキリスト教の福音派全体の25%いて4人に一人は福音派。
レーガン大統領が福音派のために政治をすると約束されていたそれか長い時代続いてる。
その共和党の立場から大企業よりになっていてその大企業というのは石油産業であって党で「地球の温暖化はない」と言っている。ほかにも共和党の求めるものは人工中絶の完全違法化、同性婚の違法化などトランプ大統領は大企業、福音派と取引し今までの流れをひっくり返そうとしている。
愛国主義と教会が結びつき、本来のキリスト教と関係がなくなっている。

この二つのキーワードが学のない自分を深みに連れてってくれました。

映画の内容に戻ると自由がないカメラワークと孤独と無力さの負の連鎖が続き、お寿司屋さんで最後の晩餐をとりクライマックスに向かう。

ポールシュレイダーが作る映画の主人公は孤独で自分を追い込みコントロールできなくなって壊れていく、計画に失敗しトラーは自殺しようとした時、天使が現れ超越した経験を体験し唐突に終わる。長い孤独を経験しないと存在に気づけなく、人と人の関係性の中でしか見つけられないく、最後にこの瞬間に苦悩から救われる愛を見つけたと解釈しました。
こんなことを考えさせられる映画はポールシュレイダーが唱える超越的な映画はこのことだと。震えました。

本来の人々を癒し導く宗教は機能しなくなりアートこそが人々を癒している。今かつて宗教がしていたことの役割をしているのはクリエイターなんだと。

残されたメアリー置いて、マイケルには逃げて欲しくなかった。何回も滅亡と誕生を繰り返しいつかは滅ぶだろうけど21世期の人類の進化を見せつけ、次の生命に繋げたいと思って欲しかった。

孤独と苦悩に押しつぶされながらもギリギリなんだけども、愛を見つけれると信じ、癒しを導くものを作りたいと恥ずかしながら壮大なことを考えてしまいました。怒りに狂ったポールシュレイダーのタクシードライバー現代版アップデート。

画像2

このポスターめっちゃくちゃかっこいいです。
品質保証のA24。

#A24

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?