見出し画像

結婚前と後の話

今から25年ほど前に夫とネットの「友達募集」掲示板で出会いました。
私は恋人を作る目的ではなく「パソコンに詳しい人」と友達になりたかったのです。当時、Windowsが世に浸透しつつあって仕事のためにパソコンのスキルアップをしたいためでした。

しかし。男性からくるわくるわメッセージの山。
その中で最後までやり取りが続いて、一番気が合ったのが夫でした。恋愛感情などは全くなかったのですが、あるきっかけで夫とデートをすることに。そこで、私は恋に落ちてしまいました。見た目がどストライクでした。

それから1年ほど遠距離恋愛を経て結婚に至ったわけです。
27歳で結婚したので、結婚生活に甘いものは最初から求めていませんでした。しかし、両親が不仲だったのをずっと見てきていたせいか”私は結婚したらいつまでも仲良い夫婦でいたい”という気持ちが強かった。

夫と付き合っている時は、とても精神が安定していました。恋愛に傾き過ぎずかつ仕事も友達付き合いもバランスが良くて、自分ではすごいいい恋愛をしていると当時は思っていました。

それまでの私は好きな男性ができると、恋愛に傾きすぎてしまっていたのですが付き合っている時の夫は私にいつも安心を与えてくれる人で、不安を感じたことがなかったからです。

遠距離でかつ多忙だった夫と付き合うことになった時に最初にお願いしたのが「もし、仕事でデートがキャンセルになっても”忙しいから”の一言で済まさないでほしい。”~だから忙しい”と教えてほしい。そして、代替え日を設定してほしい。そしたら、急にキャンセルになっても何も言わない」と私が一番安心する手段を伝えました。その次に「お互いに価値観の違いがはあって当たり前だから、話し合って解決していこう。喧嘩したり意見の食い違いなどあっても、話合えば解決できると思う」と伝えました。

その時、夫は話を聞いているだけで何も言いませんでした。これは了承してくれていると当時は思っていたのです。
幸か不幸か付き合っている時は急なデートのキャンセルもなかったし、喧嘩することも言い合いになることもなかったため”私たちはほんとに気があうんだ。一緒にいて楽しいしきっと結婚生活もうまくいく”と当時の私は信じて疑わなかったです。
何より夫と付き合って一番うれしかったのは、普通にしている私を好きでいてくれたことでした。飾らない自分を全て受け入れてくれる人がいるってすごく嬉しいことだったので、幸せを感じることが多かったあの頃です。
好きとか愛してるとかそういう言葉がなくても、夫の愛を信じることができていました。

しかし。

結婚後の夫は付き合っている時の夫とは違う顔を少しずつ見せるようになりました。付き合っている時は何も言わなかったのに、結婚して一緒に住むようになってすぐに「方言をやめて標準語で話してほしい。〇〇弁を聞いているとイライラする」って言われた時に衝撃は今でも忘れられません。なぜなら、付き合っている時は私は〇〇弁でずっと話をしていたのに、何も言わなかったけど、実はイライラしていたんだってわかったからです。
その後も何かあると「仕事だから」と言って逃げられてしまい話し合いすらならない生活が続くことになります。

それでも、付き合っていた時の幸福感が忘れられないのでしょうね。またあの頃に戻れるはずって20年近く信じてました。
子供のために仲良し夫婦でいたいって頑張っていたけど、一番は私が夫の本来の姿を受け入れることができなくって、いつまでも私にとって王子様だったころの夫ばかり追い求めていたのかもしれません。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?