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【時計の多い家🕰️】

わたしの実家の農家は
とにかく時計が多い家だった。

つまり
「常に時間を意識して過ごせ」
という厳しいルールの中、
生活をしていた。

ノロノロと歩くことも、
学校が休みの日に遅くまで寝ていることも許されない。
幼少期の頃から、常に忙しさに追われた。

中学生くらいの記憶では、
10分おきには時計を見ていたと思う。

時間を計算する癖が自然に身についてしまったので、
「数分後には(これが終わったら)次にこの行動をする」
というイメージが、
いつも頭の中を駆け巡る。

だからダラダラと自分の話をすることもできなかったし、
人の長話を聞くことも今だに苦手なのだ。
気づいたら時間を気にしてしまう。

実家を早くに追い出された私は、
一人暮らしをしてからも
時計に縛られた生活をしていた。
一人暮らしなのに、
家の中に時計は5個くらいはあったと思うし、
やはり小さい頃から染みついた
分刻みのスケジュールから抜け出せなかった。

大人になってから、
友だちの家に行ったときに
家の中に時計があちこちにはないことに気づくと、
なぜか不安になってしまったことが何度もある。

でも
「時計ってどこにありますか?」
と聞くのも、
なんだかすごくおかしな気がして
心が忙しなかった。

「農家は時間勝負」
「忙しくて当たり前」
そんな私の中の’’普通’’が
私自身を苦しめてきた。

「時間の余裕は心の余裕」
だと、心から思う。

時間に縛られず自分を癒そう。
自分を癒せる農業をつくろう。