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プロセカが音ゲーとしてはクソである件について。(実例解説付き)

はじめに

本記事は「難しくてフルコン出来ない!」などの幼稚な話をするものではありません。「製作者は他の音ゲーやったことある?」レベルの、根源的な怒りの話です。これはこれで幼稚かも知れませんが。
表題の通り、プロセカを広義ソシャゲとして評価するのではなく、音ゲー要素をフィーチャーした際に見えてくる点を全編おおよそ批判的に扱っております。


初めまして、名も無きボカロリスナーです。
皆さんはプロセカを楽しんでいますか?
ストーリーや3DMV、書き下ろし曲にガチャイラスト等々、人それぞれの楽しみがあると思います。
ただ、念頭に置いて頂きたいのは「プロセカはリズムゲーム、音ゲーである」ということ。RAGEのような全国大会まで催されているわけで、カジュアルプレイヤーはもとより、上級者まで楽しめる譜面が揃っている方が望ましいと言えるでしょう。
……なのに、

MASTER譜面が大体カスなのはどうかと思いませんか?

そんなことはない?本気でそう思っていますか?
他の音ゲー(DIVAを除く)遊んだことありますか?
※私は昔AC DIVAを激唱EXパフェる程度には遊んでいました。あれはあれで楽しかった※

実例として1つ、直近で追加された妄想感傷代償連盟のMASTER譜面を、プロセカ運営母体の片割れであるSEGAが開発し、全国のゲームセンターで絶賛稼働中のアーケード音ゲー「チュウニズム」に収録された同曲MASTER譜面と比較しながら見ていきましょう。

検証(使用曲:妄想感傷代償連盟)


開幕は良い

ギターの音を拾った24分4連が開幕で降って来るのは非常に良いです。
プロセカには脳死でボーカルのメロを追うDIVAからの悪習があるので、そこから外れたことをするだけで好感度が上がりますね。
ただしここのフレーズを本来の尺から半分にカットしたのはマイナス点。
チュウニズムはちゃんとカットせずにやってて好き。


意味ない非交互譜面は鬱雑い

プロセカ側参考動画0:10~

 「いやいや」
「まさか」

Aメロ、「いやいやまさか」のパート。
左右の手で交互に叩くと「か」で破綻します。

その後に続く「きみの濃度」の配置は四本指で捌くと綺麗に収まる四段の階段譜面なのでまだ良い……いや良いかはともかく理解は出来るのですが、
前述「まさか」は三段のため綺麗な指捌きにならず、それが特に意味もなく差し込まれているという点で不快。
チュウニズム側参考動画0:13~を見るとわかりますが、完全交互で捌ける配置となっているのです。
神は細部に宿る。


何の音取ったんだこれ

プロセカ側参考動画0:19~

「浸ってたいよ 泥沼の夢に 身勝手だって言われてもペロリ」

「夢に」と「身勝手」の間を空けずに繋いだ謎の1ノーツは何???


ボーカルが入っていなくてもそこは音楽だ

プロセカ側参考動画0:26~
開幕もそうなんだけどボーカル無しで2回繰り返すフレーズを1回で終わらせるカット編集本当にやめろ。
譜面自体も微妙で、曲調と歌メロを考えた時に少なくともAメロにおいて楽器を追っている場合はボーカルを追っている時よりも控え目な譜面になる方が好ましい、と感じています。
チュウニズム側参考動画0:31~ と比較して頂きたいのですが、
チュウニは左手のX軸がほぼ動かず、手を上下に表拍で動かすことで「刻む」役割を担わせています。ゆったりと揺れて音に浸る感覚、良い。
一方でプロセカは……何なんだろう、無駄に忙しなく左右に跳ね回っている……。


悪いとは言わないが好きじゃないパート

プロセカ側参考動画0:34〜

「叶えたい」
「この想い」

「かな『え』たい」「この『お』もい」の二重かぎ括弧部分(画像の赤ペンで囲ったノーツ)だけが、このフレーズの中でタップ的には同時でなく単押しとなっている。
これは非交互譜面がどうこう、よりもっと感覚的な部分になるのですが……一言で表すと「美しくない」に尽きます。音や歌詞からも妥当性が無い。
ビジュアル的には整っていて美しいんですが、実際に譜面を叩くプレイヤーの感性からはかけ離れているように思われます。これは本曲の次に追加された微塵も楽しくない絶望の文字譜面を開幕から出してくるリモコンのMASTER譜面もそんな感じですし、実プレー時の楽しさではなく見た目の美しさに重きを置くがゆえに生じる問題と言えるでしょう。
これならば、青で囲った部分のノーツどちらかを削って単同→単同の16分2連2セットで構成した方がプレイヤーとしてはより楽しく感じられます。

初見時からずっと違和感のあるパートで、にも関わらずそれを言語化出来ずにいたので今回の検証は良いきっかけでした。

ちなみに、そのすぐ後に来る「甘え過ぎ太る心回り」の螺旋階段ですが、
これは画像の通り2連ずつで区切って処理することで〆の4連階段まで運指がハマるので、個人的な好みはさておき設計思想としては理解出来るものとなっています。


何の音取ったんだこれ②

プロセカ側参考動画0:39~

「 "ファット想い→スリム"を掲げよう」

手前のこれマジで何?????
このノーツの存在により、続く「出逢った頃と同じ様に成ろう」とノーツのリズムが同一になっているんですが、いやそこは合わせなくていいじゃん。
合わせない方が裏拍から入るボーカルを強く印象付けられるじゃん。


スライドノーツをあまり不用意にぐにゃぐにゃさせないで

プロセカ側参考動画0:47~

「だけど『大丈夫』なんて恋はどこにもないの」

プロセカのスライドノーツの問題点として、絶望的にワンパターンなことが挙げられます。
ONESELFのMASTER終盤にある直角スライドみたいな、それをやることに(音や歌詞の)意味・妥当性があるのは凄く好き。
画像みたいな、のび太の目みたいなぐにゃっとしたスライドを延々とやらせるのは嫌い。そしてこれが大多数を占めるのがプロセカの本当に良くないところ。Hand in HandのMASTERとか絶許モノだぞあれ。
個人的には、スライドが左端から右端に動くとともにタップが右端から左端に行くような、手をクロスさせる配置を採用しないのは何故なのだろうか、と思う。
クロス状態でそのままノーツ処理させたら面白いし、譜面の幅は大きく広がるのにな……いや頻発されても困るけど……。


サビにGOサイン出した譜面製作者の名前を公表しろ

プロセカ側参考動画0:54~

何で16分3連になったんですか……?

もう多くは語れない。語る必要が無い。
チュウニズム側参考動画1:04~ を見て欲しいんですが、
こういうので良いじゃん。
プロセカの譜面はグルーヴ感が足りないと常々感じているのですが、チュウニズムと比較することでそれがより顕著になりますね。どうにかしてくれ。もしかして譜面にSEGA側のスタッフは関与していないのか?

ちなみに、怒気に満ちた小見出しになってしまいましたが譜面製作者の名前が出るのは現代音ゲーにおいては割とポピュラーなので実装して欲しいです。プレイヤーとしては初見の譜面に対して「〇〇さんの作品か……!」と(良くも悪くも)身構える瞬間というのは楽しいので。


何故!!間奏を!!!消し飛ばした!!!!

プロセカ側参考動画1:12~
チュウニズム側参考動画1:22~

プロセカくん、どうして音ゲー的に美味しいこの間奏のシンセをごっそりカットしたの……?????
これ以上言えることが無い。何故……?????
あとついでに言うと間奏の螺旋は楽しくないです……。


ああ我ら意味もなくスライドを曲げるな高校

プロセカ側参考動画1:12~

「行き場のない愚者のメロディー」

ここ、ただ接続難にするだけの配置でスライドがくの字に折れることに音・歌詞の妥当性が無いから本当に嫌い。

ラスサビ後半を採用しない理由は無いだろおい

プロセカ側参考動画1:46~

「愛や厭」じゃねえが????
ラスサビは「終わりなき愛の隨に」で落ちて、
「さあ」で爆発するやつじゃん!!!!
そこを綺麗にカットしてアウトロは正気じゃないぞ!?!?

チュウニズム側参考動画1:48~ ですが、チュウニは逆にラスサビ前半をカットしています。それはそれで口惜しいところはあるんですが、こっちの方がまだ許せる。許せる理由としては大きく2つあって、1つは間奏などのメロをなるべく切っていないこと(つまり尺の都合。プロセカ側は明らかに尺の余裕がある)、もう1つはラスサビ後半が曲中で最大の盛り上がりであること。


アウトロ自体は非常に良い

プロセカ側参考動画1:46~
上の小見出しと同じパートを今度は肯定的に語りますが、
直前までの流れを全部無視して見ると譜面は良い。
「愛や厭」の5連とか、リズムはボーカル通りでわかりやすく、配置も叩きやすいけど視覚的に一瞬ギクっとさせる感じのやつ凄く好きです。

↑画像2枚の、「ララララ…」の場所でタンタンタタンタタンって叩くのも個人的には百点満点。開幕とここは本当に楽しい。

頼むからフェードアウトするならそこで余韻に浸らせてくれ

プロセカ側参考動画2:12~
チュウニズム側参考動画2:22~

フェードアウトする中で変わらずノーツ叩かされるとこう、タップ音だけが強く耳に響いて情緒とか余韻とかそういうものが台無しなんですよね。プロセカのスライドノーツうるさいし。
チュウニズムで2019年に出来てたことがどうしてプロセカで2022年に出来なくなるんだ、SEGAよ。
前述のグルーヴ感もそうなんだけど、ここの余韻もそうで……譜面製作者は音楽、好きですか……?みたいな感想が芽生えてしまう。



Twitter検索で出てきた譜面への感想

検索ワードは「妄想感傷代償連盟 神譜面」および「妄想感傷代償連盟 クソ譜面」です。公式クライアントで最新ツイートの検索で出てきたツイートの中から、明確にプロセカの譜面の話だとわかるものを全部スクショしています(アイコン・名前・IDにモザイク処理済)ので、私の方で恣意的にスクショしなかったツイートはありません。漏れがあれば教えてください。

愛や厭だけ評価してる人と愛や厭以外全部を評価してる人がいるのめちゃくちゃ面白い。
で、譜面評価はどちらが優勢かと言うと割と互角ですね。強いて言えばクソ譜面寄りの感想の方が多いですが、圧倒的な差は無いです。
なので我こそが正義!などと声高に叫びはしませんが(最初からそんなつもりは無い)、最悪掃き溜めインターネットの権化たるTwitterにおいても「嫌い」を表明すること、表明する人を見ることを忌避する人が多いのは留意すべき点でしょう。もしかすると私の周辺に穏やかな人が多いだけかも知れませんが。
更に言えば、#プロセカ公式ご意見箱 のタグも書き方がキツいと採用出来ないと公式でツイートされていました。生放送の治安を考えるとそれは大正解なんですが、直接的で否定的なワードを用いずにクソ譜面どうにかしろって言うのは京都人じゃなきゃ無理だろ。


おわりに

ボロクソ書きましたが、大前提として私はVOCALOIDを愛しており、
そして10年前にやろうとしてもおそらく出来なかったであろう、人間とVOCALOIDの物語を紡いでいるプロセカというコンテンツも大切に思っています
が、音ゲーとして売り出している以上はこちらも音ゲーとして評価せざるを得ない。
今回、私がこうして文章に書き起こす前に友人に心情を吐露した際、「本質的にはソシャゲだし」「音ゲー要素だけで勝負のアーケードゲームと比較するのは……」とも言われました。言ってることが理解できないわけではないんですが、私は音ゲーとしての楽しさで勝負して欲しい。
また、Deemoやプロセカ等の物語性があるスマホ音ゲーが好きな友人がそれらの良さを人に語る時、「ストーリーが良い」、次いで「曲が良い」といった語り口なんです。音ゲーの話をしてるのに音ゲー部分の楽しさが出てこないんです。出てこないってことは、つまり音ゲーがストーリーを進めるための作業に過ぎず、音ゲー要素そのものに何の感情も芽生えていないんです。
良いのは「プロセカ」というコンテンツであり、「音ゲー」ではない。
こんな悔しいことがあるかよ。


以上です。
なるべく丁寧な物言いを心掛けましたが、自分の気持ちに素直になるとどうしても語気が荒くなってしまった部分があります。
ですが、どうか、匿名暴言厨の戯言と聞き流すのではなく、貴方がゲームの楽しさって何だろう、という根底に立ち返るきっかけにして頂きたい。
結論はどちらでも良いんです。勿論、個人的には確かにプロセカの譜面って不十分かも……と言ってもらえる方が嬉しいですが。
何より大事なのは、今おそらく大多数の人(私を含めてです。反省)が何も言わないでいる、プロセカの音ゲー部分についての感想ツイートが増えることです。意見・感想が多いコンテンツは、改善する価値があると見なされます。声を上げていきましょう。


追伸(ニコニコでボカロ曲を聴け)

先月ニコニコ動画で開催されたボカロ文化の祭り、ボカコレ。
そこで投稿されたボカロ曲4,000曲から厳選したマイリストが↑こちら↑です。
ぜひ聴いてください。

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