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いつも

家から駅までの道のりは
いつも同じ。

景色もほとんど変わらない。

変わるといえば
雨が降っていたり通る時間が違うとき。

いつもの道。
いつもの景色。

そんな"いつも"だけれど
ただなんとなく好き。
それだけでなんだか
すこし勇気をもらえる気がする。

あなたの"いつも"はどんな景色ですか?


わたしの家は
丘をちょっと下ったあたり。

だから毎日
登って下って、
右に曲がっては登って下って。

見上げるほどの丘は
斜面が急で急で。

夜遅くまである仕事の後に
その丘を登るのは結構キツい。
たまに立ち止まって休憩もする。

それでもわたしはこの丘が好き。

好きの理由は、きっと、
ただそこに広がる景色に
いつかの物語を思い出すから。

家を出て、竹林の横を少しだけ歩く。
登り道に複雑に混ざり合う坂道にタクシーが通る。
「これは、レモンのにおいですか。」
タクシー運転手と誰かがそんな会話をしているような気がして、夏みかんが食べたくなる。

駅からの帰り道。丘を下り始めると見えるマンションと住宅の間からの無数の光。
「もう寝なさい」というお母さんが子供を寝かしつける優しい声や、疲れて帰ってきた旦那さんがご飯を食べながら奥さんに言う会社の愚痴。
それらが聞こえる気がしながらも、わたしは遠くでイヤホンをして踊りながら帰っている。

そんな懐かしいあの物語や
同じ世界に居ながらも個がある感覚。

それを感じられるのがこの丘で。

辛くて心がキュッて痛くなる時、
この懐かしさや広がる景色が
縮こまった心を少し緩めてくれる。

音楽にのって踊ってみたら
身体といっしょに心も少し軽くなる。

そんな景色を心にくれるこの丘が、
この道が、この"いつも"がわたしは好きだ。

あなたの"いつも"はどんな景色ですか?

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お久しぶりです。なみです☺︎

生活する環境が変わり、バタバタしていたらこんなにも日が経っていました。

忙しい中でも感じたことを
残すことは大事だなと思いながらも、
"忙しい"ってやっぱり漢字のごとく
"心を亡くす"んですね。

いや、正確には勝手に心が亡くなっていくというより、自分で心を見ないようにしているのかな。

なかなか言葉に起こすまでには至らず、
まぁいっかで日々通りすぎてた、、、

このままを続けたくはなかったので、
できるときにできるだけ、
ゆっくりなペースではあるけれど
自分の心を見つめてあげて
残していきたいなと、
久しぶりにカタチにしてみました。

だれかの"いつも"に少しでも
彩りが感じられますように。


なみ

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