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『ハック思考』須藤憲一

『限られた時間で最高の成果を上げたい方、最短最速で成長したい方、必見の1冊。』

「新型コロナウイルスの流行など不確実性の増す社会経済」、「AIをはじめとした新技術の到来で仕事そのものがなくなる危機」、「超高齢化社会による労働人口の減少」など、私たちは前代未聞かつ攻略困難なゲームに挑んでいる。このような危機的状況において大切なのは、いかに時間当たりの成果を高めるかだ。

そこで重要なのが「ハック」である。ハックとは、1つの経験からなるべく大きな成果を得られるように、転換効率を劇的に高めること。

1.成果をハックする方法 

著者はこれまで一貫して、「世界を違った目で見つめよう」と努力してきた。世の中の常識とは異なる目で世界を見てみると、世の中の人が信じている因果関係とは異なる因果を見つけられることがある。これはまさに絶好のチャンスだ。その因果関係のスキマを狙ってハックすれば、大きな成果を得られるからである。

つまり世界をハックする方法とは、次の2つのステップからなる。

(1)世界を違った角度から見つめ、他人が気付いていない規則性や法則に気付く

(2)その規則性や法則を構成するシステムのスキマに介入する

著者はこの方法を活用して起業。現在は世界の名だたる企業のデジタル戦略について、ともに考えるパートナーとして活躍している。

2.人と違う規則性や法則を見つける

ハックを行ううえで大切なのは、既存のルール(規則性や法則)を知ることである。ルールがないものはハックできないからだ。そのルールを知る最初の一歩が「世界を疑うこと」であり、それには「観察」「考察」「推察」「洞察」が大事になってくる。

夏休みの宿題であった、朝顔の観察日記を思い出してみてほしい。そこには、以下のように4つの行為が登場していた。

(1)「観察」:変化を見つける→昨日はつぼみだった朝顔が今朝咲いた

(2)「考察」:観察から規則性や法則を導き出す→花とは朝に咲くものだろうか

(3)「推察」:考察によって導き出した規則性や法則の転用先を探し出す→朝に咲かない花もある。

ぜ、朝顔は朝に咲くのだろうか。他にはどんな花が朝に咲くのだろうか。この「観察」「考察」「推察」という行為を繰り返して、それぞれが導き出す「変化」「法則」「転用先」の精度を高めていく

(4)「考察」:観察・考察・推察を同時に行うことで、目の前で現実に起きた事象とまったく異なる因果関係に気づく→朝顔の花が朝に咲くということは「朝に活動する虫が受粉を助けている」または「虫の助けがいらない」のどちらかだろう。

3.「あなたが中学校2年生とすると、中学生の身の回りにあるものと中学校で学ぶ知識だけを使って、最強のビジネスモデルを考えるとするならば、それはなんであろうか?」

この問いは、著者の実体験にもとづいている。中学生のとき、著者の父親が会社を辞めたのだ。そこで著者は、少しでも家計を助けるために高校進学を諦めて、就職しようと考えた。だが金を稼ぐことについて、まったくわかっていないことに気が付いた。そこで儲かる仕組みについて思いを巡らし、お金を稼ぐ仕組み(ビジネスモデル)を考えていった。

そして世界史の教科書を読み込んで見つけたのが、宗教・賭博・資源・国家というビジネスモデルだった。つまり「宗教や賭博のように市場成立のハードルが低く、裾野が広いもの」、「資源のように原価がタダ同然であるもの」、「国家の税金のように、日常にあるものに手数料をかけられるもの」は有利に働くということを理解したのだ。

こうした視点を現代社会に転用すると、たとえばブランドやタレントは現代における新しい宗教として見ることができるし、AndroidやAmazonはプラットフォームを提供することで、そこから手数料を得ている国家のようなものといえる。著者は新規事業の立ち上げを検討する際、いまでもこの4つのポイントを欠かさずチェックしている。

4.SNS、ブログ。HPを作成している方必見!!!


著者は本業であるネットサービスの改善において、2万回以上のユーザーテスト(行動観察)を行なってきた。そこで次のようなことがわかった。

ユーザーがウェブサイトを訪問してまず行うことは、「このウェブサイトは何か?」「このサービスは何か?」といった理解である。これが0.2〜0.3秒以内に行えないと、そのサービスの成立は難しい。何かしらの目的を持ってそのウェブサイトに訪れているユーザーは、サービス内容が理解できなければ、すぐにそのページから離れてしまう。買うか買わないかの判断は、あくまでこの理解の後に行われる行為なのである。

では一瞬で理解してもらうにはどうすればいいのか? ここで大切になってくるのが、視覚情報(ビジュアルコミュニケーション)である。五感の中でも、視覚は圧倒的に情報量が多いため、さまざまな情報を一瞬で伝えられる。ビジュアルコミュニケーションは、ビジネス成果の向上に大きく影響することを念頭に置くべきだ。

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