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伝統ブギ

伝統ブギの練習を見てきました。すごい。これは観てほしいです。

舞踏家の目黒さんが、大山でミュージカルを作っています。出演者もスタッフも地元の長田地区の人たち。普段から演劇をしている人たちではなくて、その集落に住む20代から80代の15人が、何ヶ月も練習して11月の本番を目指しているのです。

今日は練習を6時間見続けました。何度も何度も同じ場面、同じセリフ、同じダンスを繰り返す。目黒さんの稽古にみんな必死で食らいついていて、その一瞬一瞬から目が離せませんでした。

ある集落の学校を舞台に、伝統とは何か、しきたりとは何か、受け入れる受け入れない、移住移民、割り切れない様々な思いをセリフにのせて、ぶつかりあう。相容れない同士が認め合う方法は必ずしも言葉じゃない。日頃は言おうとも思わないセリフたち。でも、全てが私の気持ちだとも思えるし、舞台でセリフをぶつけ合う出演者たちは、私の、私たち心の中にいる様々な思いを代弁しているようにも思えてきます。きっとはっとさせられます。地元の人たちが自分たちの言葉で今を演じています。

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普段、言いたいことは言葉になった時には遅すぎて、会話の中でスルスルと出てきてはくれません。

集落で生きている人たちの言葉で脚本が生まれ、仕事しながら、家事しながら、子育てしながら練習しています。生活の中に演劇があります。

歌もダンスもあってテンションも高くて面白いです。でもそれだけじゃない面白さ。

集落の人たちによる、集落の人たちのための、集落のミュージカル。これが演じられた時、集落の伝統にどんな影響を与えるんだろう。

波風立てるかもしれない、誰かに何か言われるかもしれない、睡眠時間が削られるかもしれない。それでも覚悟を武器に楽しく生きていく。

そんなことが感じられて、なんだかうらやましい私はとにかく目が離せませんでした。



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