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なみある?塩田気象予報士の波や天気のお話。【早くも秋雨前線が】

8月のまだ中旬というのに秋雨前線の活動が活発化しています。
今年は5月に早くも梅雨前線が本州付近に北上したのち一旦途切れ、6月中旬に再び前線の活動が活発になるという、梅雨が2分割されたような感じでしたが、お盆の時期に3度目の梅雨入り⁉とも言えるような、ずいぶん早い秋雨前線が停滞し、西日本を中心に東日本など各地で大雨が続いています。
例年なら8月は西~東日本を中心に太平洋高気圧が張り出し、晴天が続く時期のはずですが。。。

秋雨前線といえば、通常9月上旬ごろから10月にかけて、夏の間日本を覆っていた太平洋高気圧が南に後退し、北からオホーツク海高気圧が北から勢力を広げてくることで、南北に性質の異なる高気圧が存在することになり、その境に出来る前線です。
梅雨前線とは逆に北から南へ徐々に移っていきます。

8月に入り一旦本州付近に太平洋高気圧が細長く張り出したものの、数日で引っ込みました。
そして、日本の南西や南の海上にポコポコと発生した台風9号、10号、11号が徐々に北上することで南の海上から暖気を引き上げ、それぞれ温帯低気圧に変わりながら北上するとともに、今度は北から寒気を引き込み、その暖気と寒気がぶつかり合う日本付近に前線が形成され、その後何日も活発な活動が続いています。

これら8月上旬の台風たちによって、突如このような気圧配置が現れました。
ここ、千葉は昨日(14日(土))は前線の南(暖気)側に位置し南西風が強めに吹いていて気温も高めでしたが、前線が南下した今日は冷ややかな北寄りの風が吹き、雨が降り続いています。

お盆にこれだけの大雨が各地で何日も続くということは非常に珍しいことです。
各地で土砂災害や道路の冠水、河川の増水・氾濫など被害が多発し、「命を守る行動を」「経験したことのない」などの言葉があふれています。
この後、まだ数日強い雨が各地で続いたのち、20日頃にはようやく前線が消滅しそうです。

予想天気図 6コマ

しかし、17日から6日間の予想天気図を見てみると、21日、22日も日本海~北日本には雨域がみられます。
前線の活動は弱まりそうですが、西~東日本に張り出してくる高気圧のフチに沿って暖かく湿った南西風が吹き続き、特に日本海側は大気の状態が不安定となり、所々で雨雲が発達しやすい状態となりそうです。
長雨がおさまっても、しばらく気象情報から目が離せない日が続きそうです。

このような集中豪雨の際、夜間から明け方頃に雨が強まることも多いため、朝早い移動などにも充分ご注意ください。

地域の気象情報は防災速報などのアプリで確認ができます。
また、ハザードマップはPCやスマホでも見ることができ、土砂災害警戒区域や洪水浸水想定区域などを確認できます。
波情報、天気予報ともに、自宅や移動時の経路の状況も把握することをお忘れなく。

今回は天気のお話がメインとなりました。
8月下旬にかけての波は、日本海側、太平洋側ともに何とか続くでしょう。
また、16日(月)にはマリアナ諸島付近で台風が発生する予想です。しばらく西へ進む見込みですが、今後の動向も気にしておくと良さそうです。

気象予報士
塩田久実