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なみある?塩田気象予報士の波や天気のお話。【地震と津波。その1】

10月に入り、緊急事態明け宣言が明けて全国各地で閉鎖されていた駐車場が開放されました。
1日には非常に強い勢力で東海~関東へ接近した台風16号によって9月下旬~10月のはじめは太平洋側を中心に大きくサイズアップ。
950hPaという非常に強い勢力で接近したものの、海上を進み、日本は進行方向の左側に位置したことで風による大きな被害はほとんどなく(※台風の左半円は、台風が進む方向と風向が逆方向でその分相殺されるため、進む方向と風向が同じとなる右半円に比べ、風速は弱い。)、久々にビッグウェーブを堪能された方も多いのではないでしょうか。


今日10月9日(土)の時点で、台風は17号、18号が発生していますが、16号のようなウネリは期待できなくとも、南西諸島や九州、四国、近畿、東海などでは(月)(火)辺りに、台風の恩恵が受けられそうですね。
また、11日(月)ごろには、日本の遥か南東の海上に新たな熱帯低気圧(台風)が発する可能性があり、北日本を通過していく高気圧と南の台風や熱帯低気圧の狭間の太平洋上で東寄りの風が吹き続くため、太平洋側の東向きのポイントは風が入りやすいものの、しばらく波が続きそうです。
新たな熱帯低気圧(台風)からの南東ウネリの期待も!?。
そして、日本海側は、冬のシーズンインまでまだしばらくあり、波長長めの北ウネリは入りづらいものの、移動性高気圧の吹き出しで時折強まる北西~北~北東風によって、なみある日は周期的にやってくるでしょう。

さて、10月上旬は大きめの地震が目立ち、6日、7日の2日間には震度4が1回、5+が2回という揺れがありました。
7日は関東でも大きく揺れて、津波こそありませんでしたが、電車の脱線や水道管の破損、製油所で火災が発生するなどの被害がありました。
また、9月には東海道南方沖が震源であるにもかかわらず、静岡は震度1、関東は震度3が観測されたり、震源が日本海中部で、日本海側は震度1、北海道から関東の太平洋側の広い地域で震度2~3が観測されるなど、震源から離れたところの方が大きく揺れるという「異常震域」という現象も続けて起こっています。

異常震域

※気象庁HPより(以下の図もすべて)

幸い津波につながる地震は発生していませんが、地震と津波には大きな繋がりがあります。

今回は、【地震と津波】について少しお話ししたいと思います。

地球が誕生して46億年。原始地球という、熱の塊といってもよいほどの高温で、覆う大気も全く違う星だった時から、長い時間を経て今の地球が存在しています。
海と陸があり、太陽系の他の惑星に比べ酸素の割合が多く人類が存在するこの地球で、私たちが生きる数十年~百年ほどです。
数十年、数百年、一万年に一度の地震であったとしても、さらに大きな地震が、またいつどこで発生してもおかしくありません。

日本の国土面積は、地球上の陸地の約0.25%(1/400)ですが、日本周辺の火山噴火や地震のエネルギーは地球全体の約10%に達してします。
地球の表面は、プレートと呼ばれる10数枚の岩盤に覆われていて、日本周辺には、
・太平洋プレート
・フィリピン海プレート
・北米プレート
・ユーラシアプレート
の4つが存在しています。

日本付近のプレート

プレートは、地球内部で対流しているマントルの上に載っていて、少しずつ動いています。

地球 マントル

プレートの境界では、陸同士のプレートがぶつかり合っていたり、海のプレートが陸側のプレートに沈み込んでいたりいています。
この境界付近では強い力が働くため、火山活動や地震活動が活発になるのです。
地球上では地震が発生する場所と発生していない場所がはっきりと分かれてます。

世界の地震 震央分布

日本列島周辺には4つのプレートがひしめき合っており、世界でも有数の地震多発地帯となっています。

地震にはいくつかの「顔」あり、その中には「海溝型地震」「内陸型地震」があります。
「海溝型地震」は、海側のプレートが日本列島を乗せている陸側のプレートに沈み込んでいる海溝部で発生します。発生間隔は比較的短く、100~200年、ときには数十年の間隔で起きることもあり、M8クラスの巨大地震、M9クラスの超巨大地震となることも多いです。

海溝型地震のしくみ


「内陸型地震」は、活断層の活動によるものが多く、一般的に震源が浅めです。発生間隔は比較的長く、800~1000年前後から、1万年前後となるものもあります。

また、この他にも「沈み込むプレート(海洋プレート)の中が割れて起きる地震」や「火山活動による地震」などがあります。

地震は様々な場所で様々な原因で日常的に発生しています。
小さな地震であることに越したことはありませんが、日本周辺の特徴も踏まえ、日ごろから心構えと準備をしておくことが大切です。
そして、主に海底地震によって津波は発生します。
今回は【地震】についてお話ししました。
次回は【津波】のお話をしたいと思います。

気象予報士
塩田久実