【ようやく春の気配が】なみある?塩田気象予報士の波や天気のお話。
なんだかこの冬は毎度毎度「極寒」とか「大寒気」と言っているような気がしますが、今週も強い寒気が居座り、日本海側は大雪となりました。
冬型の気圧配置の日が本当に多いこの冬、スノーボーダーの友人は「今年は雪質がいいー!」とご機嫌ですが、今週の関東地方もまだまだ空気が尖っていて冷たく、もう寒さに関してはお腹いっぱい!いい加減春を感じたいところです。
この冬はほんと、12月~2月まで全部1月なんじゃないの!?というような気圧配置が並んでいましたが、来週はいよいよ3月に突入。
今週(金)ごろからは移動性高気圧が日本の南へやってきて、北には低気圧があり「南高北低」の気圧配置となります。この気圧配置の特徴は、南から暖かい空気が運び込まれまること。
空気ががらっと変わり、春の気配を感じられるようになりそう!?です。
今年は、ここまでのところは季節の進みが少し遅いような感じでしたが、今後日本付近に寒気が居座ることがなくなり、暖気と押し合い引っ張り合い、入れ替わり、暖気が少しずつ北上してくるようになれば春はすぐそこ。
この寒気と暖気の競り合いによって発生するのが「日本海低気圧」。中国南部や日本海西部で発生し、日本海を発達(時には猛発達)しながら北東進していきます。
ちなみに、日本海低気圧が発達すると、強い南~南西風が吹き荒れるため、「春一番」となることが多い傾向です。
また、年明け、そして今月も太平洋側に雪をもたらしたのが「南岸低気圧」。南西の海上から日本列島の南岸沿いを東北東~北東進し、三陸沖~北海道近海へ発達しながら進んでいきます。
そして、これら二つの低気圧が同時に発生し、東海上へ抜けて一つにまとまりさらに発達する「二つ玉低気圧」などがあります。
どの低気圧も爆弾低気圧となり日本付近を通過したのちには台風並みに発達することもあります。
さて、これらの低気圧によってもちろん波はもたらされます。
日本海低気圧によって南寄りの風が強まると、太平洋側の南向きのポイントは広い範囲でサイズアップしますが、基本的にオンショアビュウビュウのグッチャグチャ。
狙い目は、冬型の気圧配置となり風が変わってから。
北西~北風が中心となるため、ツルっとした海面で楽しめる日がやってきます。しかし、風に抑えられてサイズダウンが早すぎーー!というパターンもあるため、ご注意を。
南岸低気圧は、まず南東ウネリが反応し、そして南向きのポイントでは通過後に南~南西ウネリが反応することが多いのですが、北側で吹く北寄りの風に抑えられて反応が弱いパターンもあります。
また、それぞれの低気圧が東~北東海上へ抜けたのちには、東向きのポイントでバックスウェルの期待が出来ますね♪
日本海側は、日本海低気圧の際には、冬型の気圧配置で強まっていた北~西の波がまとまり、サイズは落ち着きコンディションは上々になったりします。
しかし、フェーン現象で気温が上がり、融雪による洪水や雪崩なども起こりやすくなります。
今年は記録的な大雪となったため、春はこれらにも注意する季節です。
この週末は南高北低となるのですが、気圧の谷が通過する影響で南西風が強まるところがあります。
先ほど、日本海低気圧の際に春一番が吹くことが多い、とお話ししましたが、もしかするとこの週末に吹くところがあるかも!?
少しだけ気にしてみてください。
気象予報士
塩田久実