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転職をしました。

お久し振りです。波瀬河です。
転職をしました。

一応伏せておきますが、バリバリの営業職で日々契約ノルマと戦っております。
そんなこんなで更新が滞ってしまいました。
以下はそんな日々で思ったことについて書きます。


契約に来た80才くらいのおじいちゃんに解約の仕方の説明をする。
半分くらい伝わってない気もするが、規則なので仕方ない。
解約はどこでできるだとか、注意点だとかをいつもよりゆっくり丁寧に説明する。
すると、おじいちゃんが「解約なんてしねぇよ。あとはもう死ぬだけ!もう90だ!」と。
それに自分は「いえいえ、まだお若いじゃないですか~」と返す。
それは反射的に、口からぽろりとこぼれてしまったものだった。
ああ。
自分もよくある大人のそれの一部になってしまったのだなあ。大学にも行ってないし、就活もしたことないのに。
なんともテンプレートのような会話をしてしまった。これが社会の荒波なのか、と。
社会を生きるうえで個性を殺すテンプレート的な会話なんてたくさんある。
「勉強になります」とか「恐縮です」とか思ってもないようなことばかり言うことを強いられている。返事すら個性を許されないらしい。
もともと、声優を目指していた自分は「個性」という言葉に苛まれていた。声優以外でもそうだとは思うが。
個性を出すために○○声優を目指すやつもいた。いまもいる。ラーメンしか食わないやつも、金がないのにバイクを買うやつも、ダンサーだろってくらいダンスしてるやつもいる。
そんな彼らも自分のように夢を諦めたら老人に「いえいえ、まだお若いじゃないですか~」と言っているに違いない。
苦虫を噛み潰したような表情で、諦めた自分を責めるように、ラーメンもバイクもダンスも、全てを過去でしかないと突き放すように。
きっと、僕らは現実の非情なるテンプレートから逃げることはできないのだろう。
それがおそらく、ただひとつの、諦めてしまった僕らに許される救済なのだから。

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