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賢者のセックス

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小説「賢者のセックス 彼女がセックスについてのファンタジー小説を書いていた六ヶ月の間に僕が体験したこと」一覧
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#ファンタジー

賢者のセックス / 第12章 尊厳と意味論 / 彼女がセックスについてのファンタジー小説を書いていた六ヶ月の間に僕が体験したこと

ベント(性癖、あるいは「変態」)  シャワーを浴びてリビングルームに戻った僕たちは、実験の結果について真剣に話し合った。ソラちゃんの表情はバリキャリ魔女のものに戻っていた。僕はそれが嬉しかった。いつものソラちゃんだ。そのバリキャリ魔女が首をひねって考え込んでいる。 「今回の実験結果は解釈が難しいね。やはり君一人では風景を見ることは出来ない、と言えるんだろうか?」 「少なくとも一人でしている時には難しいと思う」 「じゃあ、私が一緒に自慰をしていた時は? あれは物理的接触は音

賢者のセックス / 序章 / 彼女がセックスについてのファンタジー小説を書いていた六ヶ月の間に僕が体験したこと

あらすじ 「僕」はアニメやマンガが好きな青年。去年の五月から中学校の先輩のソラと同棲をしているが、恋人同士というわけではなく、セックスフレンド兼愚痴聞き役というような立場だ。  ある日、僕は性交の直後のいわゆる「賢者タイム」に、性交中にどこかの風景が見えるという話をする。それを聞いたソラは、小説の新人賞に自分が応募する小説の素材として、それを使わせて欲しいと言い出す。  最初は冗談だと思っていた僕だったが、ソラが熱弁をふるった結果、小説執筆に協力することになる。こうして始ま

賢者のセックス / 第1章 賢者タイムとファンタジー / 彼女がセックスについてのファンタジー小説を書いていた六ヶ月の間に僕が体験したこと

賢者タイムの失言  賢者タイムという言葉がある。  僕も最近ツイッターで見て知ったのだけれど、面白いので自分でも使うようになった。賢者なんていうとドラゴンクエストや異世界もののライトノベルのキャラクターを思い出すかもしれないけれど、賢者タイムとそれらの関連性は乏しい。  気恥ずかしいので一度しか書かないが、賢者タイムとは要するに射精した直後の男が性欲を失っている時間帯のことだ。性欲だけじゃなくて、セックスの相手への興味も一時的に失われてしまう。女性にも似たような現象があ

賢者のセックス / 第10章 ロイヤルミルクティーと独立変数 / 彼女がセックスについてのファンタジー小説を書いていた六ヶ月の間に僕が体験したこと

水が大地に沿うように  僕たちが「調査活動としてのセックス」に復帰したのはアダルトビデオを分析した次の日、日曜日だった。土曜日はあれから一緒にお風呂に入ってご飯食べて、手を繋いで寝ました。手以外のところも繋いだかもしれないけど。  翌朝、朝食を食べ終えたソラちゃんは、クロゼットから白い化粧箱を取り出してきて僕の前に置いた。箱の上面にはL字型をした赤い物体が描かれている。 「これ、女友だちがくれたんだよ。これが最強、これならイケるんじゃないかって」  僕は箱を開けてみた