2022年2月7日 打ち合わせの記録
久根下・出口計画が始まってから、はや4ヶ月。
実施設計が今年より始まり、2回目の打合せです。
今回は、ビオフォルム環境デザイン室の1階で打ち合わせでした。
1.私道関係の話
EdibleParkのメンバーである竹川さんが、お手伝いしてくださることになりました。
竹川さんは不動産屋さんに勤務されていて、業務として動いてくれます。
公図整理の道路承認印が、いつの時点でそろっているとタイミングがあうか確認されました。
2.銀行の話
大家さんが、1回目の費用発生時期と、銀行へ打診するタイミングの確認をしました。
3.工事工務店の選定
最終的には2社で工事予定。
山田さんご紹介の大工さんと工務店もあるが、仕事状況の混み具合でうけていただけないこともあるかもしれないことや、地元藤沢,茅ヶ崎あたりでも工務店があれば尚よいと前回お話しを受けました。
そこで、竹川さんがつながりのある、茅ヶ崎の工務店を一社。
また、私から知り合いの工務店を紹介できるとよかったのですが、残念ながらご紹介できませんでした。
そのため、藤沢,茅ヶ崎,寒川で大工さんがいる工務店をホームページサイトより3か所ピックアップして、山田さんに提示しました。
私が工務店選びで参考にしたのは、[工務店が考える良い工務店選び]
という記事(「畑がついてるエコアパートを作ろう」自然食通信社 より)
2007年に山田さんが設計し、足立区アパートを手掛けた工務店さんのご意見を記事されていたものです。
・大工さんを抱えていて
・坪単価の話などせず
・地元地域を意識していること
・メンテナンスについても言及している
だろう、三社ピックアップさせてもらいました。
良さそうなら、建主や設計事務所が工務店さんに足を運ぶなどすることをしないといけないのです。
新たな工務店選びは、なかなか時間のかかることなのです。
他には、「町の工務店ネット」というサイトがあり、フランチャイズ的なものではない、ということでしらべてみました。
最近たちあがったサイトのようで、神奈川には2社登録がありましたが、湘南付近は無かったのです。今後に期待したいサイトです。
4.設計
ちっちゃい辻堂には、2つの現場、①久根下と②出口があります。
まずは、①久根下
屋根と庇の出の検討
これは、パッシブを実現するための大事な作業となります。
pcを使って、ビオフォルム設計室 若手君が操作。
・屋根の形状による影響をシュミレーション
2階建てÇ棟の屋根の形状が寄棟になると、奥のⅮ棟の日当たりが明らかによくなるかどうか、結果は…
→ほとんど変わらない。
故に全体のデザインのバランスを優先して切妻採用。
・軒の出幅のシュミレーション
→南に1200の庇を設けると夏日はほとんど部屋に入らず、遮られる
・冬至と夏至の日差しの影響をシュミレーション
・冬至の日差し
→アパートが前面にある2棟は、南一階部分は午後の日陰の影響をうける
・夏至の日差し
→夕方の西日は入ってくるので、すだれなど必要かもしれない
庇や軒はパッシブソーラーハウスの基本
極力動力を使わず、建物が本来持っているデザインで室内環境をコントロールするような仕組みを「パッシブシステム」と言います。パッシブ、という言葉は英語で「受動的な」という意味です。
自然の恵みあるがままに積極的に建物に「受け入れて」活用しよう、というものです。
人間がそっと寄り添って住んでいく、というやさしい感じがして、この考えはとても好きです。
エコロジカルな住まいはこうした太陽や風や雨が持っているポテンシャル、つまり自然が潜在的に持っている能力をどう活かすのか、ということが大変大事ですから、庇や軒のデザインはまずはパッシブソーラーハウスの基本といえるでしょう。
(「畑がついてるエコアパートを作ろう」p78 自然食通信社 山田さんのコーナーより抜粋させていただきました)
窓の大きさ
・南に対して広くした。
・耐力壁の代わりにFix窓は鋼製の筋交いを入れる。
駐車場
大家さんより、駐車場の必要性は感じてきている。
ただし、駐車場にもなり、将来必要なければ無しになるような、駐車場にしたい。
それを受け、仕立ての案をランドスケープデザイナーの岡部さんより説明
・壊したコンクリートや石を転圧し、わらやくんたんを敷き、ウッドチップで仕上げる。高田造園設計事務所 高田宏臣さん参考
山田さんも大賛成
まず、風情がマッチする
どこにでもあるような材料を自分たちで手に入れる、あるいは作る。
このような行動がコミュニティーでの目標となる。
外装仕上について
・外壁 C棟2階建 ツートン仕上(下部が板 と 上部が漆喰)の選択
板張部分が縦か横か、模型で確認する。
→ビオフォルムデザイン室 設計チームで検討した結果
写真手前A,Bは横張り、2階C棟とその奥Ⅾ棟は縦案
・玄関扉はガラスでイメージしている。障子をいれることもできる。
また、樹脂もあり得る。
②出口
外の検討 雨水タンクについて
・大きな雨水タンクとポンプを北側に埋め込み設置予定。
雨水タンクは災害時に活用できる。
仕上
・外観は、杉板は横張りでなく縦張りがすっきりしている。
町っぽさが感じられる。→光くん 要検討
駐車場について
・今ある駐車場は3世帯用のサービス的なもの。
他に設けるとしたら、別の場所をパーキングとして、木でおおわれるイメージでつくるのがよいのではないか。
次回の検討事項のお知らせ
内観パース
設備関係の提案等
~以上が打合せ記録~
このような流れで、設計の打ち合わせをします。
久根下、出口の2つの計画ですから、設計も模型を作るスタッフさんも大忙しでしょう。久根下の4棟になると、道路の位置がどこになるのか、日はどこから当たるかなど、方位を確認しないとわからなくなります。
また、事務所内で考察した結果を伝えるだけでなく、大家さんに対して模型やシュミレーションで説明することは、時間のかかる作業ですが、実際のイメージが伝わりやすいと思います。
今回は、パッシブデザインが響きました。
機械設備を使わないで済むことは、そうしよう!!
自然の力をかりられるような、デザインにしておけば、ランニングコストも考えなくて済むのです。
これは、とても豊かな気持ちになれます。
そこにあるもの、太陽や風や地面という自然に真面目に向き合い、考え、取り入れるということを前程にデザインしていく必要があると思います。
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