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映画「0.5ミリ」を見たよ

2021年はとにかく映画を見た気がする。結構盛ったら、100本ぐらい。そういえば最近映画見てないなと思い立ち、気になっていたものを見た。あと最近文章書いてないなと思い立ち、今書いてる。


介護ヘルパーの山岸サワは、ある日派遣先で寝たきり老人の娘から唐突に「冥途の土産におじいちゃんと寝てほしい。」と依頼される。サワは添い寝するだけとの条件で引き受けるが、その日のうちに大事件に巻き込まれ、職場も住居も失ってしまう。

住み慣れた街を離れたサワは、見知らぬ土地土地で見つけたワケありの老人につけこみ、彼らの生活に入り込むおしかけヘルパーを始める。
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/0.5ミリ


2014年発表の安藤サクラ主演「0.5ミリ」。上映時間は3時間17分。長いけど短編の話が4つ入ったような感じのオムニバス的な作りなので、体感としてはまぁ2時間40分ぐらい。先が読めない展開の連続で全く飽きることなくむしろ食い入るように見れた。もうそれだけでも良い映画だ…。

ジジイの家に安藤サクラが押しかけヘルパーをしていく話だけど、ネタバレは本意じゃないので登場する好きなジジイを羅列していく。




坂田利夫

まずはアホの地神。
公園で大声を出すアホ。自転車をパンクさせるアホ。全くどこにも効いてなさそうなストレッチをするアホ。どこを切り取っても面白い。

一番好きなシーンは、安藤サクラに友人について詰められた時に発した
「友達やから友達やそんなこと言う必要あれへんがな友達言うたら友達や何いうとんねんの…」
ってごちゃごちゃ言いながらキッチンに避難するところ。ジジイ特有の話の通じなさが最高。
人を信じたい人って素敵だ。最期近くに信じられる人がいれば人は幸せなんかもしらん。

これは全然関係ないけど、「今ちゃんの実は。」で坂田利夫がストリップ劇場を見た後、打ち上げでトミーズ健に言った一言「後は歯を食いしばって寝るだけやな」が大好き。独身者の哀愁が役にも遺憾なく発揮されてるな。




津川雅彦

次はスケベジジイの津川雅彦。安藤サクラってすごく官能的に見える時がある。失礼だけど昔のエロ本に出てきそうな雰囲気というか。万引き家族とかもごっついやらしいわいな。

一番好きなのは二人で一緒に映画を見に行くシーン。濡れ場が出てきた時に真顔で食い入る津川雅彦、対して大口開けて笑っちゃう安藤サクラ。若い女と同居を始めて性が身近になった津川雅彦、対してジジイの相手ばっかりしてる安藤サクラの対比が面白かった。自分から縁の遠いものって見たら思わず笑っちゃうよな。経験のほんのちょっとした違いで笑えるもの、笑えないものがあるのって不思議だけど本当なんよなと思いました。

最後の方の津川雅彦7分間独白シーンは圧巻。途中から嫌になっちゃうぐらいの演技。介護してる家族はこれを24時間ってことかと思ってあー…となった。こんな現実の伝え方あるかね。すごいね。




0.5ミリは人と人が静電気を感じるほどの距離とのこと。それほどに近づかないと見えてこないものってあるよねと。


基本的にジジイはなんかしら悪いことしてる。安藤サクラもそれを恐喝したりしてる。でも近づいてみることで人となりも見えてくる。
綺麗な部分、汚い部分、全部ひっくるめてひとりの人間。一面だけで人を理解した気になるなんてくだらないことだと再認識させられました。

良い感じにまとめようとしてBUMP OF CHICKENのダイヤモンドみたいになっちゃってるな。

一年ぶりぐらいに見た映画が良画(ようが)だった。ありがとうの気持ちでいっぱい。
2023年は映画見よう。

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