英語お役立ちメモ Facebookの #英語方面の話 に少し追加

OF, BY, FOR   ゲティスバーグ前置詞

OF=本質、BY=動作主、FOR=受益者

エイブラハム・リンカーンが南北戦争末期にゲティスバーグの戦いに勝利した後行ったスピーチは民主主義の理念を表すものとして有名です。ちなみにこの演説が行われた1863年は日本でいえば文久3年、明治維新直前でした。

and that government of the people, by the people, for the people, shall not perish from the earth

of, by, forはたいへんポピュラーな前置詞ですが意味が、広いだけにわかりにくい。「国民の、国民による、国民のための統治」と訳されると「国民の」の「の」はどういう意味なのか不思議に思ったことはありませんか?

実は下の文が本来の意義をよく表しています。

その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。(日本国憲法前文)

OF =本質

government  OF people =govrnmentの本質はpeopleに由来する。「国民は本来的に統治の権限を持つ、そのシステムの所有者である」という意味です。

「由来する」はこの関係をよく表現しています。ただほとんどの用法はもっと軽く、日本語では「の」に当てられます。

the house of my uncle 伯父の家(=伯父が所有するないし住んでいる家)、the flag of Japan 日本の旗(日本国旗)、

BY=動作主

Alice hit Bob with a baseball bat.(能動)
Bob was hit by Alice with a baseball bat..(受け身)

byは「能動文に戻したときの主語」を表します。ボブを殴ったのはアリスですからby。バットは道具ですから主語になれません。☓A baseball bat hit Bob.  日本語でも「バットがボブを殴った」とは言えないのと同じ。道具はwithになります。

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受講者へのメッセージ  個別の知識は検索すれば分かるのであまり重きおいてません。噂話の好きなおじさん、おばさんが知らない人の名前をたくさん並べても噂話を理解するのに差し支えないようなもの。「前後左右いろいろな視点から見る」、「関係なさそうなものに関係をみつける」「みんなそう言っているからといってそうだとは限らない」といったあたりが重要ではないか? そうした考え方をする上でヒントになればと思ってます。  マガジン購読者には、滑川のオンライン講義を行う時に、ご案内します。

滑川海彦 プロフィール 千葉県生まれ。東京大学法学部卒業後、都庁勤務を経て著作・翻訳業。創刊直後のRockinOnに投稿して橘川幸夫と知…

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