スキャン_4

史織さまからのお手紙 春ver.


 はじめまして、ごきげんいかが? 

 すっかりあたたかくなりましたね。春は大好きです。

 あちらこちらにお花が咲いて、とてもいい香りがするから。

 だけど、わたしは朝、手袋をはめなくてもよくなったのがちょっぴりさみしいの。手袋にはとくべつな思い出があって……。

 わたしとのデスティーノを望んでくださったあなたに、忘れられないその思い出をお話しするわね。

 わたしが御ミサのときに白いヴェールをかぶるのをごぞんじかしら? 

 そのときにいつも思いだす冬景色があるの。

 それは初等部を卒業する年の冬、満月のまぶしい蒼い夜だったわ。

ここから先は

698字

¥ 100

期間限定 PayPay支払いすると抽選でお得に!

サポートありがとうございます。いただいたご支援は、聖クロス女学院物語の執筆およびKDP出版の制作費とさせていただきます。(*^▽^)<ありがとうだよ!