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史織さまからのお手紙 春ver.
はじめまして、ごきげんいかが?
すっかりあたたかくなりましたね。春は大好きです。
あちらこちらにお花が咲いて、とてもいい香りがするから。
だけど、わたしは朝、手袋をはめなくてもよくなったのがちょっぴりさみしいの。手袋にはとくべつな思い出があって……。
わたしとのデスティーノを望んでくださったあなたに、忘れられないその思い出をお話しするわね。
わたしが御ミサのときに白いヴェールをかぶるのをごぞんじかしら?
そのときにいつも思いだす冬景色があるの。
それは初等部を卒業する年の冬、満月のまぶしい蒼い夜だったわ。
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