月光浴

差し込む銀色さえ床に刺さる
望んだ灯りは手を伸ばすほど遠ざかる

膝を抱えて留めた私の中の空気が
飛沫を受けて萎みだすそれが苦しいの
秒刻みに枝垂れる 指を折って数えた
無駄を愛していよう

影が重なり萎萎と朽ちる
委ねた体、有象無象の只中
さはさりながら 淀みなく独り
仰ぐように祈るは光の充ちる方へ

迸って溢れ出す私の中の空気は
色を纏って動きだす それが可笑しいの
右左に振り子する季節を脱いで現れる
こころをまた探そう

夜風にあたり朝を待ち望む
床に散らばる月光の残り香
様はさながら口を開く鯉
増えた水嵩 堰き止める瞼を上げて

夜ばかり語り冷めた面を剥いで!
見惚れたそれは照り返す反射光
身体を捨てて宙へ舞い上がる
うねる波のように光の充ちる方へ

想い焦がれた光は美し過ぎて遠ざかる

(オフボーカル https://drive.google.com/file/d/12BSIzs1lbQXTTwn9Bx6WmiSHKFiZ700f/view?usp=sharing 使用に際してはこちらのガイドラインをご一読ください→https://note.com/namazuune/n/n156b52157679)

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